目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
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      金鴉(きんう)とは太陽のこと寒烏   下田市  森本 幸平

冬至の翌日なので、お日様の句を。太陽の異称金烏は、黒点を鴉(からす)に見立てたもの。 見慣れた烏を見直したくなる名称である。 この句自体、黄金と黒をちりばめた表記が豪華。                     【 正木 ゆう子 選 】


      霜柱地球を少し膨らます   門真市  皆木 多恵子

地面に霜柱が立った。その分地球が膨らんだという軽妙な句である。「膨らます」と断定したところがいい。                      【 宇多 喜代子 選 】


    「死にかけた」と赤紙見せる文化の日   羽曳野市  古原 慎太郎

赤紙は軍からの赤い召集令状の俗称。「これで俺は死にかけたんだ」と90も半ば過ぎた老人が見せてくれた。 文化の日は昔、明治天皇誕生日の明治節だった。 
                                    【 矢島 渚男 選 】


    知らせあり三歳上の従兄逝くはじめて茶房へ誘ってくれた人
                            高槻市   佐々木 文子

三歳違いの従兄(いとこ)は、兄とも友人とも違う存在。茶房へ行く、という大人の階段への導き役でもあった。訃報(ふほう)を受けてなつかしい日々がよみがえる。切ない感情の漂う歌。                       【 栗木 京子 選 】


      停まりたる木の実思考を始めけり   上尾市  中野 博夫

団栗(どんぐり)の天辺から芽が出て、グイと地面に入っているのを見たことがある。芽と思ったのは根で、団栗は先ず自信を大地に繋(つな)いだのだ。植物の思考は生のシステムそのもの。                      【 正木 ゆう子 選 】 


19.12.21
郵政G 苦情を軽視  大事なものが届かないのね  ― 国民 (神奈川・諭吉)

19.12.14
嫁入り道具   家具一式   — 大塚家
        ヤマダ家どの       (長野・みこもかる)


      もう誰もノアにはなれず台風渦   羽村市  竹田 元子

旧約聖書の伝えるノアの洪水は一時的なものだったが、これからの「洪水」は地球全体の大気の温度が徐々に上昇してゆく結果だから、誰一人逃げ出せないという。                                   【 矢島 渚男 選 】


      蟷螂が吾(あ)を睨む雄齧るたび   鹿児島市  鶴屋洋子

雌のかまきりが交尾の後、雄を食べている。一口一口齧(かじ)るたびに目撃している吾をにらみつけるというのだ。秘め事を覗(のぞ)くなかれという強い視線を感じる。                                   【 小澤  實 選 】


      スクラムや巨峰の如く押し合へり   小金井市  米山 明博

ラグビーワールドカップ。ルールを知らなくても、押し合いへし合いをする肉体だけはテレビで見た。一房にぎっしりの巨峰。納得。          【 正木 ゆう子 選 】


    戻り来しハガキに前島密様一枚貼りてふたたび投函
                         久留米市  名島 ミヤ子

通常はがきの料金が一円値上がり。料金不足で戻ってきたはがきに前島密(ひそか)の肖像の一円切手を貼った。近代郵便制度の創設者に敬意を表して「様」を付けたのが心憎い。                        【 栗木 京子 選 】


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