目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
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      しぐれ降る教皇爆心地の祈り   長崎市  谷川 博美

世界平和を何よりも願う個性的なローマ法王が年末に来日した。真っ先に訪問したのは広島・長崎の原爆投下の地であった。その行為によって人類の危機を訴えた。                                   【 矢島 渚男 選 】


      争いのなき日を願ふレノンの忌   町田市  関口 通夫

アフガニスタンで銃撃された中村哲さんの棺(ひつぎ)が帰国したのは12月8日。 その日は、 やはり平和を願ったジョン・レノンの命日であり、 太平洋戦争開戦の日でもあった。                             【 正木 ゆう子 選 】


    見上げれば豆粒ほどのジェット機が捕まりそうな女郎蜘蛛の巣 
                            山形市  柏屋 敏秋

遠近法のマジックで描かれただまし絵のような面白さ。ジェット機が羽を持つ小さな虫のようだ。 手前に大きく張られた女郎蜘蛛(じょろうぐも)の巣は禍々(まがまが)しく、迫力がある。                           【 俵  万智 選 】


    靖国の花いちはやく見ていまさむ花と散りたる若き英霊
                         高松市  広瀬 恵美

現在でも、靖国神社の庭の桜の開花が、東京の春の予兆のように報じられる。以前からこの場所は、多くの宗教団体が集まって布教活動をする所だった。昔のにぎわいは無くなったが、今もこの庭に立つと、私は身も心も引きしまるような思いがする。                                   【 岡野 弘彦 選 】



    年の差が71の友達よ隣のゆいちゃん3才おはよう
                         四街道市  須崎 輝男                           
私74歳、隣のゆいちゃん3歳。年の差71歳でも親友なのだ。おはよう、おはよう今日もいい天気だね。まことに楽しく、うるわしい関係である。孫子の歌はたくさんあるが、隣の子供の歌はごくめずらしい。こういう友人がいることはどれだけ人生をゆたかなものにすることか。万人、羨(うらや)む。            【 小池  光 選 】 
 


    「春だからまぶしいんだよ」雪かきの小二の少年弟に言ふ
                         狭山市  家坂 宏子

気温や風向きなどによって雪は明るさや重さが変わる。いつも雪かきの手伝いをする少年はそのことを知っている。体験に基づいた言葉には確かな説得力があり、弟へ語りかけているところに臨場感があふれている。春先の雪も少年も弟も、みんなまぶしい。読者の心まで明るくなる一首である。         【 栗木 京子 選 】   



    瞬きに似た感覚で降り出した雨の視線を浴びて帰ろう
                         高島市  宮園 佳代美

ぽつぽつとくる雨の降り始めをとらえた「瞬き」が印象深い。それを受けての「視線」も、比喩の連なりが滑らかで、雨に優しく見守られている気分が伝わってくる。視線を「浴びる」が動詞本来の意味を取り戻すのも面白く繊細だ。宮園さんは、相聞の秀歌も多い一年だった。                       【 俵  万智 選 】
 



      足跡は60貫と熊猟師   津市  中山 道春

足跡を見ただけで、熊であることも、その体重まで当ててしまうとは。熟練の猟師のすばらしさよ。1貫とは、3.75キロになるというので、かなりの大物である。
                                     【 小澤  實 選 】


      金鴉(きんう)とは太陽のこと寒烏   下田市  森本 幸平

冬至の翌日なので、お日様の句を。太陽の異称金烏は、黒点を鴉(からす)に見立てたもの。 見慣れた烏を見直したくなる名称である。 この句自体、黄金と黒をちりばめた表記が豪華。                     【 正木 ゆう子 選 】


      霜柱地球を少し膨らます   門真市  皆木 多恵子

地面に霜柱が立った。その分地球が膨らんだという軽妙な句である。「膨らます」と断定したところがいい。                      【 宇多 喜代子 選 】


    「死にかけた」と赤紙見せる文化の日   羽曳野市  古原 慎太郎

赤紙は軍からの赤い召集令状の俗称。「これで俺は死にかけたんだ」と90も半ば過ぎた老人が見せてくれた。 文化の日は昔、明治天皇誕生日の明治節だった。 
                                    【 矢島 渚男 選 】


    知らせあり三歳上の従兄逝くはじめて茶房へ誘ってくれた人
                            高槻市   佐々木 文子

三歳違いの従兄(いとこ)は、兄とも友人とも違う存在。茶房へ行く、という大人の階段への導き役でもあった。訃報(ふほう)を受けてなつかしい日々がよみがえる。切ない感情の漂う歌。                       【 栗木 京子 選 】


      停まりたる木の実思考を始めけり   上尾市  中野 博夫

団栗(どんぐり)の天辺から芽が出て、グイと地面に入っているのを見たことがある。芽と思ったのは根で、団栗は先ず自信を大地に繋(つな)いだのだ。植物の思考は生のシステムそのもの。                      【 正木 ゆう子 選 】 


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