目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
[1]  [2]  [3]  [4]  [5]  [6]  [7]  [8]  [9]  [10
      遠洋を語らず若布干す男   神奈川県  中島 やさか

若いときに鮪(まぐろ)を追う漁師か、遠洋航海の船員だったか。過去は何も語らず黙々と若布(わかめ)を干している。一句で男の一生を表現した。
                                    【 矢島 渚男 選 】


春立つや旧のこよみの美しき   東大阪市  木田 博幸
 
暦には24節気や72候それぞれに該当時節を表すいい名称が付されている。ことに旧暦には先人たちのおもいを込めた美しいことばが多い。
                                  【 宇多 喜代子 選 】


       ゆつくりとゆつくりと雪降りやまず   高松市  島田 章平

四国では珍しい雪に見とれている作者の姿が「ゆっくり」の反復で表現されている。降りやまないことを願っているようでさえある。          【 矢島 渚男 選 】


       呼吸(いき)するとくもる眼鏡やマスク大   羽曳野市  鎌田  武

  用心して大きめのマスクをすると、上にかけた眼鏡が息をしただけで曇ってしまう。下五の「マスク大」に現在を感じ取る。              【 小澤  實 選 】 


      早春や知恵を出し合ふ枝と枝   東京都  藤ヶ谷 国柱

一風変わっているが、説得力もある捉え方。芽吹く直前の枝々は、繊細で力強い生命力に満ちている。それを木々の知恵と呼んでもいい。「出し合ふ」の「合ふ」がまたいい。                              【 正木 ゆう子 選 】


      蜂飼の淋しくなれば薪を割る   横浜市  早川 信之

花を求めて暖地を回っている養蜂家だろう。淋(さび)しい時には薪(まき)を割ってまぎらす。こうした句は作者自身が蜂飼なのか、それを見ている第三者なのかで価値が決まろう。                            【 矢島 渚男 選 】


      たまご砂糖こむぎ粉バター春近し   東京都  高橋 よしえ 

この材料でこれから作るのはケーキかクッキーか。たまご以下バターまで、これら脇役に押し出されている主役は「春近し」。             【 宇多 喜代子 選 】


      冬銀河土葬の祖父が目を覚ます   神戸市  山上 陽太郎

冬銀河を見上げていて、かつて土に葬った祖父が再生しているのではないか、と感じている。火葬ではなく、土葬であったことが生きている。冬銀河が壮麗である。
                                      【 小澤  實 選 】 


      冬銀河やがては消ゆる人類も   青梅市  青柳 富也

発生し、栄え、やがて絶滅していった多くの種と同様、人類も永遠であるはずがない。せめてその理由が自業自得のせいでないことを。     【 正木 ゆう子 選 】


    七人の子が受験するたび願をかけひそかに茶断ちしてくれし母
                            藤沢市  渡辺 至利子

茶断ちは、神仏に願いをかけるときに一定期間茶を飲まないと誓うこと。七回も、しかもひそかに茶断ちをしてくれた母。影ながら支えることのありがたさが心に沁(し)みる。                                 【 栗木 京子 選 】 


カレンダー
06 2020/07 08
S M T W T F S
1 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
ブログ内検索
最新コメント
[12/10 ?]
[10/30 読売読者]
[09/06 榎丸 文弘]
[02/01 ?]
[01/04 佐藤学]
最新トラックバック
バーコード
フリーエリア
ゲイ無料総合サイト
カウンター