目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
金鴉(きんう)とは太陽のこと寒烏 下田市 森本 幸平
冬至の翌日なので、お日様の句を。太陽の異称金烏は、黒点を鴉(からす)に見立てたもの。 見慣れた烏を見直したくなる名称である。 この句自体、黄金と黒をちりばめた表記が豪華。 【 正木 ゆう子 選 】
冬至の翌日なので、お日様の句を。太陽の異称金烏は、黒点を鴉(からす)に見立てたもの。 見慣れた烏を見直したくなる名称である。 この句自体、黄金と黒をちりばめた表記が豪華。 【 正木 ゆう子 選 】
霜柱地球を少し膨らます 門真市 皆木 多恵子
地面に霜柱が立った。その分地球が膨らんだという軽妙な句である。「膨らます」と断定したところがいい。 【 宇多 喜代子 選 】
地面に霜柱が立った。その分地球が膨らんだという軽妙な句である。「膨らます」と断定したところがいい。 【 宇多 喜代子 選 】
「死にかけた」と赤紙見せる文化の日 羽曳野市 古原 慎太郎
赤紙は軍からの赤い召集令状の俗称。「これで俺は死にかけたんだ」と90も半ば過ぎた老人が見せてくれた。 文化の日は昔、明治天皇誕生日の明治節だった。
【 矢島 渚男 選 】
赤紙は軍からの赤い召集令状の俗称。「これで俺は死にかけたんだ」と90も半ば過ぎた老人が見せてくれた。 文化の日は昔、明治天皇誕生日の明治節だった。
【 矢島 渚男 選 】
知らせあり三歳上の従兄逝くはじめて茶房へ誘ってくれた人
高槻市 佐々木 文子
三歳違いの従兄(いとこ)は、兄とも友人とも違う存在。茶房へ行く、という大人の階段への導き役でもあった。訃報(ふほう)を受けてなつかしい日々がよみがえる。切ない感情の漂う歌。 【 栗木 京子 選 】
高槻市 佐々木 文子
三歳違いの従兄(いとこ)は、兄とも友人とも違う存在。茶房へ行く、という大人の階段への導き役でもあった。訃報(ふほう)を受けてなつかしい日々がよみがえる。切ない感情の漂う歌。 【 栗木 京子 選 】
停まりたる木の実思考を始めけり 上尾市 中野 博夫
団栗(どんぐり)の天辺から芽が出て、グイと地面に入っているのを見たことがある。芽と思ったのは根で、団栗は先ず自信を大地に繋(つな)いだのだ。植物の思考は生のシステムそのもの。 【 正木 ゆう子 選 】
団栗(どんぐり)の天辺から芽が出て、グイと地面に入っているのを見たことがある。芽と思ったのは根で、団栗は先ず自信を大地に繋(つな)いだのだ。植物の思考は生のシステムそのもの。 【 正木 ゆう子 選 】
19.12.21
郵政G 苦情を軽視 大事なものが届かないのね ― 国民 (神奈川・諭吉)
19.12.14
嫁入り道具 家具一式 — 大塚家
ヤマダ家どの (長野・みこもかる)
郵政G 苦情を軽視 大事なものが届かないのね ― 国民 (神奈川・諭吉)
19.12.14
嫁入り道具 家具一式 — 大塚家
ヤマダ家どの (長野・みこもかる)
もう誰もノアにはなれず台風渦 羽村市 竹田 元子
旧約聖書の伝えるノアの洪水は一時的なものだったが、これからの「洪水」は地球全体の大気の温度が徐々に上昇してゆく結果だから、誰一人逃げ出せないという。 【 矢島 渚男 選 】
旧約聖書の伝えるノアの洪水は一時的なものだったが、これからの「洪水」は地球全体の大気の温度が徐々に上昇してゆく結果だから、誰一人逃げ出せないという。 【 矢島 渚男 選 】
蟷螂が吾(あ)を睨む雄齧るたび 鹿児島市 鶴屋洋子
雌のかまきりが交尾の後、雄を食べている。一口一口齧(かじ)るたびに目撃している吾をにらみつけるというのだ。秘め事を覗(のぞ)くなかれという強い視線を感じる。 【 小澤 實 選 】
雌のかまきりが交尾の後、雄を食べている。一口一口齧(かじ)るたびに目撃している吾をにらみつけるというのだ。秘め事を覗(のぞ)くなかれという強い視線を感じる。 【 小澤 實 選 】
スクラムや巨峰の如く押し合へり 小金井市 米山 明博
ラグビーワールドカップ。ルールを知らなくても、押し合いへし合いをする肉体だけはテレビで見た。一房にぎっしりの巨峰。納得。 【 正木 ゆう子 選 】
ラグビーワールドカップ。ルールを知らなくても、押し合いへし合いをする肉体だけはテレビで見た。一房にぎっしりの巨峰。納得。 【 正木 ゆう子 選 】
戻り来しハガキに前島密様一枚貼りてふたたび投函
久留米市 名島 ミヤ子
通常はがきの料金が一円値上がり。料金不足で戻ってきたはがきに前島密(ひそか)の肖像の一円切手を貼った。近代郵便制度の創設者に敬意を表して「様」を付けたのが心憎い。 【 栗木 京子 選 】
久留米市 名島 ミヤ子
通常はがきの料金が一円値上がり。料金不足で戻ってきたはがきに前島密(ひそか)の肖像の一円切手を貼った。近代郵便制度の創設者に敬意を表して「様」を付けたのが心憎い。 【 栗木 京子 選 】