目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
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      母の名はひらがなの二字墓参り   東京都  吉田 かずや

明治の女性の名前は仮名二字が多い。 盆の墓参りだろうか。 墓も戒名ではなく本名だった。                              【 矢島 渚男 選 】


      炎天やエラーしたのは俺の孫   匝瑳市  椎名 貴寿

俳句に「孫」の語を使って成功することはほとんどないが、なんと微笑(ほほえ)ましくおかしみのある句。「俺の」がいい。まるで俺がエラーしたよう。 【 正木 ゆう子 選 】


      背と胸に児を括(くく)りつけ踊るなり   名古屋市  可知 豊親

背と胸とに子を括りつけて、踊っている。双子か、あるいは、年子か 、児の字を使っているので、赤子ではあるまい。重そう。かくまでしても踊らないではすまないのだ。
                                    【 小澤  實 選 】


    病床の弟と語る幼き日互いに初めて知ることもあり  
                            東京都  野上  卓

弟と、もっとも時間を共有していたはずの「幼き日」。だが、兄と弟の日々は、必ずしも同じではなかった。人生の真実を感じさせる深みのある一首。【 俵  万智 選 】


炎天下石工ら石の目を探す   岡山市   国定 義明

炎天と焼けたように熱い熱い石。くらくらするような白光の世界である。そこに働く肉体。人の目が探す石の目。そんな構造が見えてくる。      【 宇多 喜代子 選 】


      サングラスより始まりし戦後かな   霧島市  久野 茂樹

1945年8月30日連動国軍最高司令官マッカーサーがサングラスをかけパイプをくわえ厚木飛行場へタラップを降りた時から、占領と戦後が始まったと淡々と述べる。                                    【 矢島 渚男 選 】


      老醜といふは金魚になかりけり   栃木県  あらゐ ひとし  

老醜を憂える人間に対して、金魚にはそれがないという。そもそも老醜から金魚への飛躍からして面白いが、最後にじわりと金魚の哀れにまで思いの届くところが魅力。                                【 正木 ゆう子 選 】


何年も夏越えて来し浴衣地の藍の菖蒲にハサミを入れる
                               奈良県  藤本 京子

何年も着続けた浴衣。ほどいて小物を作ることにしたのかもしれない。藍色の菖蒲(しょうぶ)の柄を詠んだことで華やかな一首になった。      【 栗木 京子 選 】


      夢を売るように夜店の並びおり   東京都  山田 真理子

8月は夜涼みをかねた盆踊や各種の催しがあって、夜店も出る、そこが子どもたちにとって何よりの楽しみ。それは「夢を売る」店。         【 矢島 渚男 選 】


      蟻の道すこしはなれて蟻地獄   大阪府  池田 寿夫

「女郎花(おみなえし)少しはなれて男郎花(おとこえし) 星野立子」 を初めとして、この中七を使った句は多い。 拙句にも 「水の地球すこしはなれて春の月」。 「少し離れて」の句を集めたら面白そう。            【 正木 ゆう子 選 】


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