目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
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   瓢箪のくびれうらやむ糸瓜かな   千葉県  菅谷 貞夫

「次々と悲運の鯊(はぜ)の釣られけり」(斉藤あきら)、「頭から靴の中まで大夕立(ゆだち)」(福田澄子)など、たくさんの候補の中からこの句を選んだ。 糸瓜(へちま)が胴のくびれた瓢箪(ひょうたん)を羨んでいると悠揚と自然を詠いながら人間の世相への風刺でもあって愉快。
現代の俳句に失われがちな俳諧味がある。      【 矢島 渚男 選 】

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   五月闇一時帰宅の沙汰を待つ   福島県  渡部  健  

「沙汰」がなければ帰宅することも叶(かな)」わず、ひたすら一時帰宅の許される日を待つ。そんな日の鬱々(うつうつ)たる心中が「五月闇」に暗示される。投句当時、作者は仮設住宅にお住まいだった。それだけの情報から推察しての鑑賞となるが、不如意な日のあるときの切迫した気持ちが、そのまま表現されており、忘れがたい一句となった。    
【 宇多 喜代子 選 】

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   返り花ふと名案の浮かぶごと   東京都  杉中 元敏

思案している最中には良い考えが浮かばなかったのに、忘れたころになって ふとアイデアが浮かぶことは確かにある。返り花を全く新しく捉え直した比喩である。様々な出来事のあった年。しかし年間賞には明るい句を選ぶことにしよう。次の時代に向けて、たくさんの名案が浮かびますように。
                               【 正木 ゆう子 選 】

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   外来魚帰化植物も春を待つ   東京都  望月 清彦

外来魚の代表といえば、ブラックバス。帰化植物はセイタカアワダチソウ。  どちらも生態系を壊すとして、嫌われているものである。ただ、外来魚も帰化植物もわれわれとともに生きているいのちであることは、たしかである。作者はそれらに温かな目を向ける。いのちの前にいっさいを差別しない。その姿勢に深く感銘を受けた。                     【 小澤   實 選 】



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