目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
黒豆の一つひとつに名前つけ食べ終わらない叱る気もない
東京都 高橋 よしえ
よくわかります、幼児とはこういうものだ。しかし、遊び食べも大切な成長の一過程。見守る親の、もう諦めた感が面白い。 【 黒瀬 珂瀾 選 】
東京都 高橋 よしえ
よくわかります、幼児とはこういうものだ。しかし、遊び食べも大切な成長の一過程。見守る親の、もう諦めた感が面白い。 【 黒瀬 珂瀾 選 】
亀鳴いて田螺の鳴いて人気なし 島根県 高橋 多津子
実際には泣かないが、「亀鳴く」も「田螺(たにし)鳴く」も春の季語である。ウイルスを恐れて人間が息を潜める春。静寂のあまり、そんな架空の鳴き声さえ聞こえそうだという。 【 正木 ゆう子 選 】
実際には泣かないが、「亀鳴く」も「田螺(たにし)鳴く」も春の季語である。ウイルスを恐れて人間が息を潜める春。静寂のあまり、そんな架空の鳴き声さえ聞こえそうだという。 【 正木 ゆう子 選 】
黒髪といへば熊本大学(くまだい)春休み 宮崎市 熊瀬川 貴品
熊本はわが故郷ゆえひと言。恋句とも紛(まが)う上五、実は熊本大学の住所である。地名ごと記憶される大学も珍しいだろう。出身校なのかも。
【 正木 ゆう子 選 】
熊本はわが故郷ゆえひと言。恋句とも紛(まが)う上五、実は熊本大学の住所である。地名ごと記憶される大学も珍しいだろう。出身校なのかも。
【 正木 ゆう子 選 】
背負われて火中を逃げし幼子に背負いし媼(おうな)の臨終の報
霧島市 久野 茂樹
この「幼子」は作者自身か。恩人の訃報に接して、その人の命がけの行動が自分に繋がったことを想う。そして、お互いに長く生きてきた<戦後>を振り返るのだ。
【 黒瀬 珂瀾 選 】
霧島市 久野 茂樹
この「幼子」は作者自身か。恩人の訃報に接して、その人の命がけの行動が自分に繋がったことを想う。そして、お互いに長く生きてきた<戦後>を振り返るのだ。
【 黒瀬 珂瀾 選 】
昨日よりふつくらとして花筏 八王子市 斎賀 勇
落花しきりの日々。水面に散り落ちた花びらを見ている。昨日今日のいささかの変化をとらえた句。花筏(いかだ)ということばが美しい。 【 宇多 喜代子 選 】
落花しきりの日々。水面に散り落ちた花びらを見ている。昨日今日のいささかの変化をとらえた句。花筏(いかだ)ということばが美しい。 【 宇多 喜代子 選 】
薬飲む水の匂ひや春の朝 枚方市 秋岡 実
四季それぞれの水の匂い。無関心であれば気づかぬような匂い。春の水だという匂い。筆舌に尽く。 【 宇多 喜代子 選 】
四季それぞれの水の匂い。無関心であれば気づかぬような匂い。春の水だという匂い。筆舌に尽く。 【 宇多 喜代子 選 】
花びらとなり自由なりさくら散る 東京都 稲垣 みち子
束縛を解き放たれた花びらが楽しそう。落花にも、こんな自由な見方や扱いも出来るのだと気付く。 【 矢島 渚男 選 】
束縛を解き放たれた花びらが楽しそう。落花にも、こんな自由な見方や扱いも出来るのだと気付く。 【 矢島 渚男 選 】
人消えて音消えて花降りやまず 大津市 山本 智
今年も桜が咲いた。多くの人が集まり、喋ったり唄ったりするのが例年なのだが、今年は人も音もない。そんな中、落花がつづく。 【 宇多 喜代子 選 】
今年も桜が咲いた。多くの人が集まり、喋ったり唄ったりするのが例年なのだが、今年は人も音もない。そんな中、落花がつづく。 【 宇多 喜代子 選 】
花吹雪どの木もみんな傾いて 芦屋市 清水 洋子
桜守の佐野藤右衛門さんによると、染井吉野には幹がない。すべて挿し木や接(つ)ぎ木ゆえ、幹に見えるのは枝だという。だから傾くのか。 【 正木 ゆう子 選 】
桜守の佐野藤右衛門さんによると、染井吉野には幹がない。すべて挿し木や接(つ)ぎ木ゆえ、幹に見えるのは枝だという。だから傾くのか。 【 正木 ゆう子 選 】
失念のひとつに蝌蚪(かと)の足生える 相模原市 芝岡 友衛
失念した時点ではオタマジャクシ程度の事だったのに、時を経たら足が生えて大問題に。これは私の解釈。人それぞれに解釈を楽しめる。 【 正木 ゆう子 選 】
失念した時点ではオタマジャクシ程度の事だったのに、時を経たら足が生えて大問題に。これは私の解釈。人それぞれに解釈を楽しめる。 【 正木 ゆう子 選 】