目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
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今週の特選句
   門松は借金の無い振りをする  ( 東京都 斉藤 光雄  78歳 )
     一年中出してたら駄目だかんね。特選。


ほかに、
  厚化粧してもなれない松たか子  ( 埼玉県 田村信三郎  75歳 )
     マツコ・デラックスなら、なれるかもよ。
 
 
 松茸は憎さも憎し懐かしき     ( 神奈川県 高崎 雄作 75歳 )
     仇なんですか松茸は。 
  
  松屋前 段取り決めて 君を待つ   ( 東京都 たくちゃん 55歳 )
     東京ローカルでごめん。でも好きだなコレ。

  死ぬほどのことかと松の枝の風  ( 東京都 長谷川ゆらり 61歳 )
     何でもいいから。とりあえず生きてなよ。

  松葉をな、こう重ねると、な、ほら、な?   ( 大阪府 亞狂 55歳 )
     これはアレです、分かんなくていいです。


imagesCAASOIA1.jpg  17日午後8時20分頃、名古屋市中区のホテル客室で、歌手の浅川マキさん(67)が浴室で倒れているのを従業員が見つけ、119番した。浅川さんは心肺停止状態で病院に運ばれたが、死亡が確認された。愛知県警中署によると、死因は急性心不全とみられる。浅川さんは17日夜、同市内のライブハウスに出演予定だったが、会場に現れなかったため、関係者がホテルに連絡した。石川県出身。1968年、東京・新宿で行われた寺山修司の舞台に出演。地下劇場やシャンソン喫茶で、黒ずくめ、長い髪、無表情で歌う「アングラ歌手の女王」として若者の人気を博した。その後、70年にアルバム「浅川マキの世界」を発表。「夜が明けたら」「かもめ」などをヒットさせた。             【 2010年1月18日  読売新聞 】


    枯蟷螂菩薩の貌をもてにけり   太田市  浜田 武哲   

枯蟷螂(かれとうろう)は枯草色となったかまきり。交尾を終え雄を食べてしまった雌ばかりという。菩薩の貌(かお)が不思議。鬼の貌が普通の発想だろう。生き抜いてきたという実感を味わう。         【 小澤  實 選 】


    12月8日無人の遊具群    前橋市  豊嶋 秋生

小公園の遊具の群れの中に座って、今日は太平洋戦争の開戦日であることを思う。遊具の間に戦死者の気配を感じている。鎮魂の一句。  
                               【 小澤  實 選 】



 独り居の茶の間の窓に雨の夜は蛞蝓(なめくじ)は来て老いをのぞけり
                            東京都  五十代ひさ

ナメクジが部屋を覗(のぞ)くという発想がおもしろい。親しき友を案ずる感じ。元気の様子に安心してぬるぬる這(は)って言った。 【 小池  光 選 】


   爆裂のごとき頭髪卒業歌   さいたま市  藤井  恵

爆裂型の髪の毛は、見るからにつっぱた高校生を思わせる。そんな生徒でありながらも、みんなと一緒に卒業の歌を歌っているという光景はどこか微笑(ほほえ)ましくもある。選者となって最初に選んだもので、私自身にも思い出深い句になった。作者は欠詠もなく、個性的な作品で何度か入選を果たしている。成長が楽しみな作者である。         【 矢島 渚男 選 】

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   そこに山そこに河あり敗戦忌   札幌市  小山 耕昭

昭和20年8月15日を身をもって体験した人が、一人また一人といなくなる。かの日、一面の焦土に立った多くの人が、この国の山河がふたたび蘇(よみがえ)ることがあるかしらと思った。ただ山がある、河があるという平凡な風景がどれほど幸いなことか。そんな感慨を感情を交えることなく表現した句である。                        【宇多 喜代子選】

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   台風にこと寄せて聞く子の暮し   茅ヶ崎市  清水 呑舟
 
「こと寄せる」は「かこつける、言い訳にする」。優しくゆかしい言葉である。様子を聞きたいと思いつつも、頻繁に電話するには遠慮のある子供の家へ、台風にかこつけて電話をかける親心。男親であれば、さらに妻経由でそれを聞くのかもしれない。内容も表現も、使われている言葉も穏やかで、一読、胸が温かくなる。                     【 正木ゆう子 選 】

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   畦焼きの火と金星とひかりあふ   津 市   中山いつき

畦(あぜ)を焼いている内に、日は暮れてしまった。闇の中で畦は燃えつづけている。空のかなたに宵の明星が輝いているのに気付いた。天と地との呼応が美しい。地上の火と金星とで、大きな虚の空間を捉(とら)えている。金星の光に励まされている感じもある。夜の風景を詠んだ句は、数少ない。労働を詠んだ句も貴重である。                【 小澤  實 選
 



18日 時はその使い方いかんによって金にも鉛にもなる
19日 金は使っても使われるな
20日 錦着る山は裸になる下地
21日 言葉花咲く者は、実なし
22日 老人は長く生きることよりも終りを完うすることを考えなければならぬ
23日 人生において難しいことは選択ということだ
24日 大衆はものを書かない批評家である



   少女らに成年われにローザの忌      安東 次男(つぐお)

ローザ・ルクセンブルク! ある世代以上の人には懐しい名前ではなかろうか。第一次世界大戦後のドイツの革命家。’19年1月15日、反革命派によって惨殺された。音楽の一小節のような響きの名前とは裏腹に闘争の生涯だった。                    【 四季 ・ 長谷川 櫂 】


今週の特選句
 図書館の孤島どうしで打ち解ける  ( 千葉県 澤田まさと  76歳 )
     書を捨てよ、街に出よう、二人で。特選。


ほかに、
 島ぐらいケチケチするな早(はよ)返せ ( 福井県 中出 成之  72歳 )
     それだけ大事なんでしょ、あちらさんにも。
 
 
これしきの列島守れぬ口達者    ( 愛知県 松井 通剛 66歳 )
     むしろ口ベタなんじゃないスかね。 
  
 浦島はバカだぜなまじ里心      ( 北海道 谷川 蒼魚 76歳 )
     ッスよねェ、快楽に溺れろッスよね。

 子や女房思えばこその島流し   ( 東京都 おぼろさんじょう 51歳 )
     でも子や女房は何とも思っちゃいないのよ。

 一本のタバコを吸いに離島する     ( 香川県 岩田 清司 73歳 )
     いいかげんにしてくれよ、全島禁煙かよ。

 空は澄み島は静寂もてあます      ( 三重県 浅野  健 78歳 )
     あぁ、それ贅沢だなぁ・・・・・・。
 
 つまづいて生まれた島へ泣きにゆく  ( 神奈川県 関野 まき 87歳 )
     でもいいですね、そういう島があって。


 絶交に似合ふ切手のなき寒暮   さいたま市  藤井  恵

絶交状を書き、それにふさわしい切手を貼ってやろうと思うのだが、見つからない寒い夕暮れ。さて、どんな切手が似合うのだろう。 【 矢島 渚男 選 】


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