目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
存在と時間とジンと晩夏光 角川 春樹
私は６年前、刑務所の独房にいた。それは正に忍耐の２年５ケ月と３日間だった。その間、私は過去に生きていると考え続けていた。耐え難い月日を、鉄格子の中の現実を未来から確認すれば、全ては過去の出来事に過ぎない。哲学者のハイデガーは名著『存在と時間』の中で、過去も未来も現在から派生するものと捉えている。しかし私の獄中体験に照らすと、時間は過去・現在・未来へと流れてゆくのではなく、未来・現在・過去へと流れてゆく時間軸の中に人間は存在していると考えざるを得ない。思想のない一行詩が存在しないと同様に、詩人は自己の存在を中心とした時間意識を持たなければならない。
私は６年前、刑務所の独房にいた。それは正に忍耐の２年５ケ月と３日間だった。その間、私は過去に生きていると考え続けていた。耐え難い月日を、鉄格子の中の現実を未来から確認すれば、全ては過去の出来事に過ぎない。哲学者のハイデガーは名著『存在と時間』の中で、過去も未来も現在から派生するものと捉えている。しかし私の獄中体験に照らすと、時間は過去・現在・未来へと流れてゆくのではなく、未来・現在・過去へと流れてゆく時間軸の中に人間は存在していると考えざるを得ない。思想のない一行詩が存在しないと同様に、詩人は自己の存在を中心とした時間意識を持たなければならない。
今週の特選句
言い勝って何だか寒い帰り道 （ 東京都 吉見ひろし ６２歳 ）
気温は高いのに・・・・・・寒さって不思議。特選。
言い勝って何だか寒い帰り道 （ 東京都 吉見ひろし ６２歳 ）
気温は高いのに・・・・・・寒さって不思議。特選。ほかに、
雪しんしん祖母の民話の嘘が好き （ 秋田県 京野 幸子 ７５歳 ）
楽しい嘘、いっぱい聞きたいですね。
地に落ちてまだ言い足りぬ寒椿 （ 福岡県 谷口 嘉子 ７１歳 ）
拾いあげて聞きたくも量が多くて・・・・・・。
寒暖計ひまある毎に見ている老 （ 宮城県 鈴木 誤差 ８１歳 ）
１５分毎に見てもそんな変わりませんよぅ。
友愛と思えど今日の寒さかな （ 千葉県 鈴木治五郎 ９４歳 ）
いつンなったら暖かくなるんスかね。
雪しんしん祖母の民話の嘘が好き （ 秋田県 京野 幸子 ７５歳 ）
楽しい嘘、いっぱい聞きたいですね。地に落ちてまだ言い足りぬ寒椿 （ 福岡県 谷口 嘉子 ７１歳 ）
拾いあげて聞きたくも量が多くて・・・・・・。 寒暖計ひまある毎に見ている老 （ 宮城県 鈴木 誤差 ８１歳 ）
１５分毎に見てもそんな変わりませんよぅ。友愛と思えど今日の寒さかな （ 千葉県 鈴木治五郎 ９４歳 ）
いつンなったら暖かくなるんスかね。
１５のままの君に初めて賀状書く 横浜市 大井 実
１５歳は中学３年生か。そのころ好きだった人へはじめて年賀状を書いた。おずおずと躊躇（ためら）いながら。その面影も恋心も昔のまま。「１５のままの君」がとても素直な表現で字余りも許されよう。 【 矢島 渚男 選 】
１５歳は中学３年生か。そのころ好きだった人へはじめて年賀状を書いた。おずおずと躊躇（ためら）いながら。その面影も恋心も昔のまま。「１５のままの君」がとても素直な表現で字余りも許されよう。 【 矢島 渚男 選 】
左手と思しき母の賀状かな 東京都 榎 正好
母の利き手は右手。この母の字はいつもの字とはちがう。そのことを直感する。遠隔に住んでいる母へのおもいが一句にあふれている。
【 宇多 喜代子 選 】
母の利き手は右手。この母の字はいつもの字とはちがう。そのことを直感する。遠隔に住んでいる母へのおもいが一句にあふれている。
【 宇多 喜代子 選 】
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今週の特選句
娘に泣かれしぶしぶ縦に父の首 （ 北海道 山口 昭悦 ７３歳 ）
またその手か・・・・・・仕方ない、特選だ。
娘に泣かれしぶしぶ縦に父の首 （ 北海道 山口 昭悦 ７３歳 ）
またその手か・・・・・・仕方ない、特選だ。ほかに、
正方形俺は縦だと横が言う （ 東京都 安元ふみき ５７歳 ）
ふン、四角はみんなそう言うんだよ。
縦結びやはり解けます赤い糸 （ 大阪府 田中由美子 ７５歳 ）
はんだ付けしちゃえばよかったんだよ。
縦皺と横皺無言で茶をすすり （ 神奈川県 高崎 雄作 ７３歳 ）
茶柱が縦皺みたいに立ってますよ。
正方形俺は縦だと横が言う （ 東京都 安元ふみき ５７歳 ）
ふン、四角はみんなそう言うんだよ。縦結びやはり解けます赤い糸 （ 大阪府 田中由美子 ７５歳 ）
はんだ付けしちゃえばよかったんだよ。 縦皺と横皺無言で茶をすすり （ 神奈川県 高崎 雄作 ７３歳 ）
茶柱が縦皺みたいに立ってますよ。
梟の片目は義眼かもしれず 秋田市 中村 栄一
梟（ふくろう）は夜行性の猛禽。闇の中でたたずむ写真を見るたびに、どこを見ているのかわからないその目が不思議に思われてならない。
【 宇多 喜代子 選 】
梟（ふくろう）は夜行性の猛禽。闇の中でたたずむ写真を見るたびに、どこを見ているのかわからないその目が不思議に思われてならない。
【 宇多 喜代子 選 】
除夜の鐘突き損なひのなかりけり さいたま市 清水 保巳
この作者はどうしてこんなことを詠もうと思いつくのだろう、と訝（いぶか）しむのも俳句の楽しさの一つ。そもそも厳かな除夜の鐘の「突き損ない」という発想に可笑（おか）しみがある。 【 正木ゆう子 選 】
この作者はどうしてこんなことを詠もうと思いつくのだろう、と訝（いぶか）しむのも俳句の楽しさの一つ。そもそも厳かな除夜の鐘の「突き損ない」という発想に可笑（おか）しみがある。 【 正木ゆう子 選 】
白亜紀の化石をそんなに動かすな一億年後の学者のために
福井市 佐々木博之
恐竜の化石など大人気。 発掘といえば聞こえはいいが化石燃料と同じく、掘り尽くしてしまうことは必定。それでいいのか。 【 小池 光 選 】
２５日 人に勝つより自分に勝て
２６日 一夜君と共に語る、十年書を読むに勝る
２７日 始まりはすべて小さい
２８日 その人を知らざれば、その友を視よ
２９日 食いつく犬は吠えつかぬ
３０日 千軍は得やすく一将は求め難し
３１日 薬の灸は身にあつく毒な酒は甘い
２６日 一夜君と共に語る、十年書を読むに勝る
２７日 始まりはすべて小さい
２８日 その人を知らざれば、その友を視よ
２９日 食いつく犬は吠えつかぬ
３０日 千軍は得やすく一将は求め難し
３１日 薬の灸は身にあつく毒な酒は甘い
