目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
[202]  [203]  [204]  [205]  [206]  [207]  [208]  [209]  [210]  [211]  [212
   なきがらの昨日も雪を掻きしとか   久喜市  深沢 ふさ江

亡くなった方が亡くなる前日まで雪を掻いていたという事を聞いた。最後まで雪と戦い、最後はぽっくりというのは理想の生き方かも。 「なきがら」の即物性が確か。                         【 小澤   實 選 】



sumitaku1.jpg 1961年 岡山市で生まれる。 本名 ・ 春美

 1983年 京都・西本願寺で出家得度。 結婚

 1984年 急性骨髄性白血病で入院。長男が生まれたが
        妻の実家の希望で離婚。 絶望の中で句作に
                励み、自由律俳句の普及に取り組んだ。

         1987年 満25歳10ヶ月で死去。翌年、句集「未完成」
               (弥生書房)が刊行される。



 
   ■ 気の抜けたサイダーが僕の人生
   ■ 水滴のひとつひとつが笑っている顔だ
 
   ■ 春風の重い扉だ
   ■ 地をはっても生きていたいみのむし
   ■ 捨てられた人形が見せたからくり
   ■ 若さとはこんな淋しい春なのか

   ■ 合掌するその手が蚊をうつ
       ひとりで蚊にくはれてゐる  (種田 山頭火)

   ■ 点滴と白い月がぶらさがっている夜
   ■ 洗面器の中のゆがんだ顔すくいあげる
   ■ レントゲンに淋しい胸のうちのぞかれた

   ■ かあちゃんが言えて母のない子よ 
   ■ 抱きあげてやれない子の高さに坐(すわ)る

   ■ 鬼とは私のことか豆がまかれる
   ■ 夜が淋しくて誰かが笑いはじめた

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

夭折(ようせつ)の俳人の最も鮮烈な作品を最後に挙げよう。
彼にしかつくれない句だと思う。

     ずぶぬれて犬ころ

               【 読売新聞 ・ 異才列伝 永井 一顕 著 】

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・   

句集「未完成」には281句が収められているという。
私は、彼を、まだよく知らないけれど、次の4つの句が心に留まった。
 
   ■ 合掌するその手が蚊をうつ   
   ■ 洗面器の中のゆがんだ顔すくいあげる
   ■ レントゲンに淋しい胸のうちのぞかれた 
   ■ 抱きあげてやれない子の高さに坐(すわ)る

「ずぶぬれて犬ころ」の句は、(まだ?)良さが分かりません。
全体が暗いのは仕方がないことなのでしょうか?



北海道警札幌中央署は11日、札幌市中央区で風俗店を経営するA子容疑者(46)( 同市白石区 )を風営法違反( 無許可営業 )容疑で、 客として居合わせた札幌OO署留置管理課巡査長、B容疑者(28)(同市厚別区 )を公然わいせつ容疑で、それぞれ現行犯逮捕した。

発表によると、A子容疑者は同日午前1時25分頃、道公安委員会の許可を取らずに、女性従業員にB容疑者の接待をさせた疑い。同署が捜索したところ、店内には男女計16人の客がいて、縄で縛られたB容疑者が、全裸でステージ上にいた。 同容疑者は容疑を認めている。 OO道警監察官室長は「事実関係を調査し、厳正に対処する」とコメントした。

                                                  ( 2012年2月11日  読売新聞 )



今週の特選句
   雪だるまちょっとだけ蹴ってみた朝 ( 奈良県 のうさぎ 50歳 )  
     ア痛てッ・・・・・・ちぇっ凍ってら。・・・・・・特選。

ほかに、
  あの雪の下に我家のガレキあり ( 宮城県 加藤 公子 63歳 )
     時間はかかれども、必ずや春は訪れます。

  初孫が初雪眺め口あける ( 大阪府 茶木良隆 62歳 )
     呆然として? それとも味見?


  雪だよと言える相手もない孤独   ( 香川県 いのさん 63歳 ) 
     熱いお茶でも淹れましょうか。


父親が息子と薬局へ行った。
コンドームのコーナーで父親が話し始めた。

「お前もそろそろカノジョができてもいい年頃だ。
 セックスのときは必ずこれをつけるんだぞ」

「分かってるよ。でも、どれを買えばいいの?」

「1つづつのバラ売りが若い恋人向きだ。必要なときに買いなさい」

「じゃあ、この3個セットは?」

「一緒に暮らす恋人向きだな。週末の金、土、日で3つだ」

「じゃあ、1ダースセットは?」

「1月、2月、3月・・・・・・で1年分。夫婦用だ」

                        【 ’12.02.16 週刊新潮 】



   紅葉して落葉して里きらきらす   三重県  中村 勝臣

若葉の頃のきらきらとはちがうきらきらである。推移しつつ衰退してゆくものの輝きがうかがえる句で、「紅葉して」から「里」までのリズムに勢いがある。
                             【 宇多 喜代子 選 】



   初霰ふいに少女の踊りだす   西条市  平井 辰夫

ぱらぱらと降り、ころころと転がり霰(あられ)が少女には面白かったのだろう。 
                             【 宇多 喜代子 選 】



  雪の夜のあの橋わたれば母が待つ渡ってもう一度母に会いたい
                           高岡市  田中 芳子

雪は想い出を誘い、橋は他界への魂のかよい路となる。しんしんと雪の降りつむ北国の夜、亡き母を思ってひたすらに凝縮してゆく作者の思いのほどが伝わる。                           【 岡野 弘彦 選 】


  丁寧にあなたが書いてくれたゆゑ良い人に見ゆ私の名前
                        青梅市  諸井 末男

同じ名前でも、乱暴に書いたとき、小さく書いたとき、堂々と書いたとき・・・それぞれ印象が違うものだ。手書き文字の面白さに加え、「良い人に見ゆ」には、本当はそれほどでも、という感じがあり、笑いを誘う。【 俵 万智 選 】


今週の特選句
   来るこない来るこない来るこない来る
                       ( 富山県 脇本 邦夫 72歳 )  
     来る・・・・・・かな。待ち遠しいな・・・・・・特選。

ほかに、
  一匹の縞蚊に好かれ悶える夜  ( 高知県 森野 敬子 54歳 )
     別のことで悶えたいわねぇ。

  縞鰺の刺身が悪い酒進む     ( 静岡県 岩田 喜江 66歳 ) 
     鮪のときもアンタそう言ってたね。
   
  縞柄はタテに決まっている浪花っ子 ( 大阪府 茶木良隆 62歳 )
     絶対? 全員? 一人残らず?

   
  紅白の幕で飾れという遺言     ( 新潟県 小林  悟 61歳 ) 
  
   分かりました。早速誂えましょう。


カレンダー
01 2025/02 03
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28
ブログ内検索
最新コメント
[12/31 越中之助]
[12/31 越中之助]
[12/10 ?]
[10/30 読売読者]
[09/06 榎丸 文弘]
最新トラックバック
バーコード
フリーエリア
ゲイ無料総合サイト
カウンター