目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
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   忙しいなんて言ふなよ花の下   名取市  里村  直

人づきあいに 「忙しい」 は禁句である。 ましてや桜の花を愛でるときには、そんな野暮なことは言うまい。「言ふなよ」に親しさが滲む。
                              【 正木 ゆう子 選 】
  
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   傘折りし風にも散らず桜花      川崎市  栗原 正勝

   釣糸に一旦止まる花筏(いかだ)   岡山市  畑   進 


【 宇多 喜代子 選 】
   裏山にぢいちゃんの木という桜   伊佐市  清水  恒 

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今年は久々に休暇をとって、桜を愛でる「バスツアー」に参加してきました。 日本最古、樹齢2000年・日本三大桜・実相寺の 「神代桜」 や 樹齢 400年・身延山久遠寺の「しだれ桜」の雄姿に圧倒されましたが、パワーも沢山もらえたような気がします。


佐渡市で放鳥されたトキのうち抱卵中の3歳雄と5歳雌のペアが、30日に孵化(ふか)予定日入りする。

雌は今季、昨季とは別の雄とペアを組んでおり、「 野生のトキのペアは死ぬまで相手を変えない 」 とみていた関係者は、困惑しつつもベビーラッシュに期待を寄せている。 

雌は昨季、4歳雄とペアを組んで有精卵を産み、今年の繁殖期も餌取りを一緒にする姿が確認されていた。

3歳雄は昨夏からこのペアに合流し、3羽で一緒に行動してきた。3歳雄は、巣の材料となる枝などを頻繁に運んで巣作りに励み、雌に盛んにアピールした。

3月27日には、雌が3歳雄と一緒に巣作りに励む姿が見られた一方、その巣で4歳雄と交尾する姿も確認された。最終的に4歳雄は巣を離れ、雌は3歳雄と交代で卵を温め続けているが、ひなが誕生した場合、どちらの雄が父親であるかは「判断できない」(環境省)という。

放鳥を重ねたことで島内の生息数が増え、昨季7組だったペア数は今季計15組と倍増した。環境省佐渡自然保護官事務所の長田啓・首席自然保護官は「もしかすると昨季は嫌々ペアになっていたかも。相性の良い相手と組むことで、孵化率の向上に結びつけばいい」と前向きにとらえている。

                      ( 2012年4月30日  読売新聞 )

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   二股のトキはみんなに励まされ   府中  阪本 敬彦
                   ( 2012年5月16日  読売時事川柳 )




   3・11 死者は生者の内にのみ   今は、匿名とします

大災害の死者たちは生き残った者の心に記憶としてのみ残っている。死者は記憶されている限りは生きているという思いである。行方不明者は、今も三千名を越える。                     【 矢島 渚男 選 】

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 青くるみ死者は生者の中にのみ   花谷 清 ( はなたに きよし ) 

死者とは肉体を失った人。その死者は生者の記憶の中にしか存在しないというのだ。この句を読んで今回の大震災で亡くなった多くの人々を思った。家族ごと亡くなった人をだれが記憶にとどめるか。 肉体を失うことは、かくも切ない。            【 '11.6.10 四季 ・ 長谷川  櫂 選 】

上五を変えただけのようですが、独創性が認められるものでしょうか?

                   ■


  故郷の北海道は菱形に凍てつき生薑糖のごとしも

北海道はたしかに菱形をしている。寒波に凍てつくと砂糖をまぶした生薑(しょうが)糖のように見える、という比喩が斬新かつ説得力に富む。故郷への愛情もそこには漂っている。                【 栗木 京子 選 】

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菱形に北海道の凍てにけり   桶川市  小林 茂之 

天気図からの発想か。「菱形の
」であったらさほどでもなかったと思われるほど、上五の「に」は効いている。凍てがゆるまず氷のように菱形に
固まったのだ。北海道全土の寒さをよく伝えている。 【'08.02.11 宇多 喜代子 選 】

「北海道が菱形に凍る」という発想は、私には強烈でした。それだけに、このたびの作品( お名前省略 栗木 京子 選 )には模倣性を感じました。

 
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12.04.30付の「おことわり」で、
<4月23日の俳壇 「なんとなく本屋を覗く日永かな」 は、二重投稿のため入選を取り消します>との告知がありました。ということは、上の2つの作品の模倣性に関しては許容範囲内にあると 「主催者側」 は見ているようです。
素人の私には納得できるものではありませんが、ここにお知らせいたします。



04.04.30
 大阪の知事の名前をしってるか   千葉  高橋 敬三



「(原発の) 再稼働ありき」といったふうに、「○○ありき」が、近ごろ、さかんに使われる。でも、「ありき」とは、動詞の連用形<あり>に過去を示す助動詞<き>が付き、ただ、「あった」という意味である。
 ――「再稼働があった」では、意味が不明では?
にもかかわらず、なぜ、こんな「ありき」の使い方が、通用しているのか。それは、新約聖書「ヨハネ福音書」の冒頭に、<はじめに言(ことば)ありき>という有名なフレーズがあるからだ。 “世界は、ことば(ロゴス)で始まった”と、聖書は言っている。
強引にそれを曲解し、「最初から決まっている」との意味に 「○○ありき」 を使うわけである。                  < 以下、省略 >

           【 読売新聞  いやはや語辞典 ( ’12.04.27 ) 】



今週の特選句
   満開の桜で止まる過疎のバス   ( 青森県 濱山 哲也 51歳 )  
     今日はいいお天気ですね。ん、特選!

ほかに、
  キョンキョンに似てる気がしたバスガイド
                     ( 埼玉県 飯嶌 直樹 45歳 )
     いいなー。そのバス教えてよ。

  油断すなバスは時折ちゃんと来る  ( 静岡県 岩田 喜江 66歳 )
     時間通りに来るって、フェイントだよねぇ。  

  次のバス来るまで話す人が出来  ( 兵庫県 木成 道彦 89歳 )
     ささやかな、嬉しい時間ですね。


  その頃はセレブにみえたバスクリン ( 東京都 片山 宏史 52歳 )
     色つきの風呂なんぞ庶民は入れなかったよ。


   マルクスにかぶれ少年麦を踏む   相模原市  芝岡 友衛

麦踏の少年も世の矛盾に気付いて、それをマルクスの著書が解決のヒントを与えてくれると思っている。回想を現在として詠むか。【 小澤   實 選 】


   七十億のひとり淋しき冬の星  札幌市  池田 雨郷

世界の人口「七十億」を詠んだ投句が最近多い中で、淋しさに踏み込んだこの句を戴く。「冬の星」は作者が見上げる星でもあり、また地球のことのようにも思われる。                      【 正木 ゆう子 選 】



   今日の鮠(はや)今日の川瀬に游(あそ)びをり   
                       森 俊人(もり しゅんじん)

川の流れをみて 「きのうとおなじように流れている」 と思う人もいれば、「新しい水が流れている」と思う人もいる。作者は後者のようだ。 その 「今日の川瀬」に「今日の鮠」が遊んでいる。万事こういうふうに眺めれば世界はつねに新鮮。                      【 四季 ・ 長谷川  櫂 選 】


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