目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
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近鉄球団を常勝チームに育てあげた名将、西本幸雄さんは試合中に選手を殴り、球場を静まりかえらせたことがある■1球目は打つなと指示したにもかかわらず、いとも簡単の初球を空振りした打者に鉄拳を振り下ろした。が、監督の早とちりだった。打者は円陣の間、バッターボックスにいて指示を聞いていなかったという■「彼に期待しとったんですなぁ。ついカッとなって・・・後で聞いて、しまったあと思いました」と晩年の講演で振り返っている。ほがらかな回想に大阪の高校生の体罰自殺をかさねる。どちらも殴打なのに、行き着く先は栄光と闇に分かれた。スポーツ界は体罰全面禁止の機運だが、この帰結、児童を犯罪から守る取り組みにどこか似ていないか■今の子供たちは学校で「知らない人と話すな」と教えられ、街から大人たちとの会話が消えた。陰惨な事件が続いたせいである。失われた交流の代償も、児童の安全のため惜しくないと考える人が多いのだろう■もんもんとする体罰容認派の方たちに告げたい。いったん闇が現れれば、どんな価値が元の場所にあろうと、戻るのは難しいだろうと。 【 ’13.01.24 読売新聞 ・ 編集手帳 】


   マヤ暦の週末日なり冬至の湯   宇都宮市  大門 とよ子

マヤ文明の暦が終わっていることから、今日が世界の週末だなんて騒いでいる人もいるらしいが、私はゆったりと柚子湯につかって安泰。世の話題をいち早く句にして面白い。機を逸しては作れない作品だ。  【 矢島 渚男 選 】


   年の瀬をあらよと跨ぐ余生かな   東京都  伊藤 強一

ちょっとした溝を飛び越えるように。継ぎ目など無いのに、なぜか緊張する年越し。この年になればもう慣れたもので、あらよっと跨ぐ。【 正木 ゆう子 選 】


   良きことも少しはありて年惜しむ   伊賀市  亀井 清司

平明に見えて、いざ鑑賞しようとすると、実に複雑な、諦観の滲む感慨である。いい事ばかりではなかったかもしれないが、季語からは穏やかな肯定の心が感じられる。                     【 正木 ゆう子 選 】


   家からも見ゆる冬田を見に出づる   大和高田市  布谷 充啓 

稲の刈り株の並ぶ冬田。 その田を見るために出てゆくという過程を一気に表した句。何のためにわざわざ出たのかと問うても、返事は「そう聞かれても、困るよ」 だろう。                     【 宇多 喜代子 選 】


今週の特選句
   合羽着て小さな嘘がまとまらず      ( 東京都 太陽 82歳 )  
     しょぼしょぼ雨の道すがら・・・・・・特選。

ほかに、
  村まつり河童も子らの中にいる  ( 青森県 濱山 哲也 51歳 )
     今も祭りに来てくれるかな、河童。

  爺婆に聞くからカッパ信じられ  ( 東京都 佐々木 冬彦 65歳 )
     なぜか、納得しちゃうんだよなぁ。

  初恋はおカッパ頭水泳部      ( 福岡県 谷 まさあき 78歳 )
     その恋、水に流しましたか。

  合羽着てゆく野暮な人粋な人     ( 東京都 三毛猫 50歳 )
     してみると雨も乙だ。


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  ■
募集お題 「 ミルク 」
  ■「お題」にそった川柳を、はがき1枚につき1句から5句まで。
  ■住所・氏名(ペンネームの場合も必ず本名を)・年令・電話番号・
    お題を明記してください。
  ■締め切りは1月23日(消印有効)です。
    なお応募作品は返却いたしません。
    また、同じ句を他誌に投稿する二重投稿は厳禁です。
    特選句には賞金を差し上げます。
  ■ご記入いただきました個人情報は、
    本欄への掲載と賞金発送にためにのみ使用いたします。
  ■宛先 〒102-8008
    千代田区紀尾井町3-23 週刊文春「川柳のらりくらり」係


  天皇陛下
    万座毛(まんざもう)に昔をしのび巡り行けば  
         彼方恩納岳(あがたおんなだけ)さやに立ちたり 

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  高円宮久子さま
    冬晴れの雲なき空にそびえ立つ雪の大山いともさやけき

  結句の「いともさやけき」が、天皇陛下が詠まれた「さやに立ちたり」と
  重複しているのが気になった。 


  皇太子妃雅子さま
    11年前吾子の生(あ)れたる師走の夜立待ち月はあかく照りたり

  まず、破調が気になりました。
  そして、肝心の立待月を本人は見てはいないのでは・・・の疑問も。


  秋篠宮妃紀子さま
    凛として立つ園児らの歌ごゑは冬日の部屋にあかるくひびく

  園児らが立っている様を「凛として」と表現するのは大袈裟では?

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  召人 岡野 弘彦 さん
    伊勢の宮み代のさかえと立たすなり
         岩根(いはね)にとどく心(しん)のみ柱

  東京都 太田 一毅 さん (12)
    実は僕家でカエルを飼ってゐる夕立来るも鳴かないカエル

  大阪府 瀬利 由貴乃 さん (17)
    人々が同じ時間に立ち止まり空を見上げた金環日食

  新潟県 高橋 健治 さん (65)
    吹く風に向へば力得るやうな竜飛岬の海風に立つ

  群馬県 鬼形 輝雄 さん (66)
    いつせいに蚕は赤き頭立て糸吐く刻をひたすらに待つ




   「イマジン」にそつと針置く十二月   川崎市  二戸 真知子

曲の中で「想像してごらん、みんなが平和に暮らしているところを・・・」と唄うジョン・レノンの命日は12月8日。その頃になると、彼を詠んだ句が届かぬ年はない。                         【 正木 ゆう子 選 】


   飛騨になお奥飛騨のあり木花咲く   広島市  藤域  元
   

日本列島で最も分厚い奥行きのある土地ならではの句。木花とは霧氷のこと。「奥」の付く地名はどこも自然が豊かで、心惹かれる。
                               【 正木 ゆう子 選 】


   なずな籠上州風も入れて摘む   埼玉県  小暮 正雄

摘んだなずなを入れる籠に上州名物の乾いた寒い風も入れる。
作者の言いたいところは、七草のころのいまだ寒い風のことだろう。
                             【 宇多 喜代子 選 】


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