目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
[419]  [416]  [415]  [414]  [413]  [424]  [412]  [410]  [409]  [408]  [407

「未完」の語は、「完成」の反対語だが、思想性の高い語彙である。何故なら宇宙も神も完成しておらず、完成することなく終焉(しゅうえん)を迎えるからである。いわば初めもなく終わりもない。これは事実である。「脳」の存在も、人間が指向する限り進化し、死をもって終わるが、人間そのものは常に未完で終わる。人間も、宇宙も、神仏も未完成の存在なのだ。   

【特選】
   未来より枯野にあをき雨の降る   中戸川 奈津実
人間は未来・現在・過去へと流れてゆく時間軸の中に存在していると考えられる。上五の「未来より」に対する、中七下五の「枯野にあをき雨の降る」の措辞が素晴らしい。SF小説を想起させるドラマ性のある作品。

   今日という過去を生きをり寒椿    松永 富士見
座五の「寒椿」に対して、上五中七の「今日という過去を生きをり」の措辞が抜群に効いている。この句も未来・現在・過去へと流れてゆく時間意識を持った佳吟。
           <10.3.6  読売新聞(夕刊) 魂の一行詩より>



Comment 
Name 
Title 
Mail 
URL 
Comment 
Pass   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字


カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
ブログ内検索
最新コメント
[12/31 越中之助]
[12/31 越中之助]
[12/10 ?]
[10/30 読売読者]
[09/06 榎丸 文弘]
最新トラックバック
バーコード
フリーエリア
ゲイ無料総合サイト
カウンター