目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
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分け入らば蛇身とならむ草いきれ   羽村市  竹田 元子

この草叢(くさむら)へ踏み入ったならば、蛇に化身してしまうのではないか。清姫伝説を踏まえ「草いきれ」への恐れを身に引き入れて表現した。年間を通して 「どくだみの国あり暗く栄えをり」 「紅茸を蹴り青木ヶ原に入る」 「雪虫の羽音か犬の振り向くは」 などの秀作があり、自然の中に確固たる自分を据えた作風が美事であった。                                  【 矢島 渚男 選 】

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   これよりの短い未来盆の月   佐賀市  栗林 美津子

未来という二字が輝かしく身にそうのは、これからなにごとかを成そうとする若者。その未来を年配者である栗林さんはわが志向としている。たとえ短くても、年配者のものであっても未来はやはり輝かしい。盆がすんだら友人に会おう、今年中にあの本を読もう、春にはお花見吟行をしたい、これみな明るい未来。そんな未来に乾杯。                                【 宇多 喜代子 選 】

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   雪掻けば所得たりと降り積もる   富士宮市  高橋 武久

雪掻(か)きをして地面が空くと、新たに降り積もる様子が、そこだけ目立って見えるのだろう。本当はまんべんなく降っているのに、空いた場所を狙って雪が降るように感じられるのだ。 雪が優位であり、 雪に気圧(けお)されている気分が、中七からひしひしと伝わる。見ることと思うことと言葉が、しっかりと一体化した句として、印象深い。                                【 正木 ゆう子 選 】
 
 
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   扇風機足でオンオフ風量も   寝屋川市  岩本 利美

扇風機の操作を手ではなく、足指で行っている。つける消すのみならず風量の調整までやっている。無精ではなく、手は別の仕事のために使っていそうである。きびきびしている。「オンオフ」という外来語の使用を含め、批判もあろうが、僕は評価する。生活に即した新しさがある。あくまで自由な感じがすばらしいのだ。
                                    
【 小澤  實 選 】


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