目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
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  人念(も)えと人忘れよと陰影(かげ)ふかくあじさいゆらぐ午後に食卓
                              東京都  長田 裕子

最近は「あじさい」にも多様な色変りができたが、もともと花色が時期により変る花だ。その特色を巧みにとり入れて、人情の変化とひびき合わせた上の句の表現。そして下の句のおっとりした収め方、一首の構成への心配りがまことに心ゆきとどいてみごとである。                             【 岡野 弘彦 選 】

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  尼寺のおたまじゃくしに足が生(は)えこのしずけさに鳥肌が立つ 
                     竜ヶ崎市  矢矧 (やはぎ?) 菜穂吉

ふしぎなイメージを喚起する歌。尼寺に池があっておたまじゃくしがうようよ泳いでいる。そのおたまじゃくしに足が生える。自然の摂理といえば摂理だ。しーんとしてあたりに誰もいない。ふと鳥肌が立つという感覚は、実にするどく、共感する。
                                      【 小池  光 選 】

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  川挟みラジオ体操する人のジャンプのずれの愉しかりけり
                              松山市  宇和上 正

情景の中に「動き」を入れると歌が生き生きとする。この歌はラジオ体操の音楽に合わせてジャンプする人に目をとめている。その動きが微妙にずれているところがポイント。揃(そろ)わないことで、人々の動きに親近感が伝わった。さらに、川を挟んで眺めていることも歌の空間に広がりを添えている。       【 栗木 京子 選 】 

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  地下書庫の資料をめざし百年をエレベーターで一気にくだる
                            八王子市  阪本 ひろ子

図書館等での調べものの場面だろう。百年前の資料を手にする時の、わくわく感が伝わってくる。エレベーターを、時をさかのぼる乗り物として、タイムマシーンのように表現したところが魅力だ。思えば、文字というのはタイムカプセルでもある。現在形の結句が、臨場感と勢いを感じさせて、効果的。        【 俵  万智 選 】


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