目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
一羽たりとも白鳥の振り向かず 東京都 望月 清彦
白鳥は冬の季語だが、これも北へ帰る春の白鳥を思って読みたい。飛び立って、方向を定めた鳥は、前だけを見て飛ぶ。その直向(ひたむ)きさ。
【 正木 ゆう子 選 】
白鳥は冬の季語だが、これも北へ帰る春の白鳥を思って読みたい。飛び立って、方向を定めた鳥は、前だけを見て飛ぶ。その直向(ひたむ)きさ。
【 正木 ゆう子 選 】
女の子同士のバレンタインデー 東京都 松永 京子
親しい女の子同士で、小さな菓子でも贈り合っているのか、こういうバレンタインもいい。あたらしいかるみを感じる一句。 【 小澤 實 選 】
親しい女の子同士で、小さな菓子でも贈り合っているのか、こういうバレンタインもいい。あたらしいかるみを感じる一句。 【 小澤 實 選 】
見つめてたものは雪ではないけれど 守口市 小杉 なんきん
こういう曖昧さの残る句には、解釈する楽しさがある。作者が実際に見つめていたものは雪でなければ何なのか。私は恋の句と解釈したが。 【 正木 ゆう子 選 】
こういう曖昧さの残る句には、解釈する楽しさがある。作者が実際に見つめていたものは雪でなければ何なのか。私は恋の句と解釈したが。 【 正木 ゆう子 選 】
少しづつ春あっちでもこっちでも たつの市 西脇 祐則
子供のような表現だが、本当にその通りと思わせる素朴さがいい。少しずつ進んだり、戻ったりしながら待ち遠しい春はやってくる。 あそこでは梅が咲いた。 こっちではもう桃の蕾(つぼみ)がふくらんでいる。 【 矢島 渚男 選 】
子供のような表現だが、本当にその通りと思わせる素朴さがいい。少しずつ進んだり、戻ったりしながら待ち遠しい春はやってくる。 あそこでは梅が咲いた。 こっちではもう桃の蕾(つぼみ)がふくらんでいる。 【 矢島 渚男 選 】
地雷なき国に暮らして土筆摘む 東京都 吉田 かずや
季語が「地雷なき」平和を実感させる。野や畔(あぜ)に生える土筆(つくし)をなんの心配もなく踏める嬉(うれ)しさ。 【 矢島 渚男 選 】
季語が「地雷なき」平和を実感させる。野や畔(あぜ)に生える土筆(つくし)をなんの心配もなく踏める嬉(うれ)しさ。 【 矢島 渚男 選 】
春田打つ曹洞宗の寺の前 深谷市 三上 通而
治、寺の前の田を打っている。それだけでも景は見えてくるところ、寺の宗旨が曹洞宗であることまで書かれている。古刹(こさつ)なのだろう。 【 宇多 喜代子 選 】
治、寺の前の田を打っている。それだけでも景は見えてくるところ、寺の宗旨が曹洞宗であることまで書かれている。古刹(こさつ)なのだろう。 【 宇多 喜代子 選 】
五十年前の恋文どんどで焼く 清瀬市 神崎 幸子
「五十年前」という具体性が生きた句であろう。どんど焼きの炎に吹き上げられて消えてゆく恋。 【 矢島 渚男 選 】
「五十年前」という具体性が生きた句であろう。どんど焼きの炎に吹き上げられて消えてゆく恋。 【 矢島 渚男 選 】
いまひとたびのあふこともがな海に雪 北上市 佐々木 清志
「もう一度会いたい」という和泉式部の和歌の下句に、「海に雪」を付けただけだが、なかなかの雰囲気。虚構でも恋句とはいいものだ。ひらがなの連続が、雪片を思わせる。 【 正木 ゆう子 選 】
「もう一度会いたい」という和泉式部の和歌の下句に、「海に雪」を付けただけだが、なかなかの雰囲気。虚構でも恋句とはいいものだ。ひらがなの連続が、雪片を思わせる。 【 正木 ゆう子 選 】
ゆつたりと待てば話す子春近し 下田市 森本 幸平
矢継ぎ早に質問せず、答えを急(せ)かさず。この子はじっくり考えて、言葉を選んで話す子なのだから。こんな育て方をされる子供は幸せ。 【 正木 ゆう子 選 】
矢継ぎ早に質問せず、答えを急(せ)かさず。この子はじっくり考えて、言葉を選んで話す子なのだから。こんな育て方をされる子供は幸せ。 【 正木 ゆう子 選 】
正月のやや気の抜けた台所 東京都 山田 真理子
正月までは大車輪で活躍していた台所。後片付けをして一夜明ければ新年。働くことのない台所を気の抜けたとみたおもしろい句。 【 宇多 喜代子 選 】
正月までは大車輪で活躍していた台所。後片付けをして一夜明ければ新年。働くことのない台所を気の抜けたとみたおもしろい句。 【 宇多 喜代子 選 】