目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
[13]  [14]  [15]  [16]  [17]  [18]  [19]  [20]  [21]  [22]  [23
   一羽たりとも白鳥の振り向かず   東京都  望月 清彦

白鳥は冬の季語だが、これも北へ帰る春の白鳥を思って読みたい。飛び立って、方向を定めた鳥は、前だけを見て飛ぶ。その直向(ひたむ)きさ。
                                   【 正木 ゆう子 選 】


   女の子同士のバレンタインデー   東京都  松永 京子

親しい女の子同士で、小さな菓子でも贈り合っているのか、こういうバレンタインもいい。あたらしいかるみを感じる一句。                
【 小澤  實 選 】


   見つめてたものは雪ではないけれど   守口市  小杉 なんきん

こういう曖昧さの残る句には、解釈する楽しさがある。作者が実際に見つめていたものは雪でなければ何なのか。私は恋の句と解釈したが。  【 正木 ゆう子 選 】


少しづつ春あっちでもこっちでも   たつの市  西脇 祐則

子供のような表現だが、本当にその通りと思わせる素朴さがいい。少しずつ進んだり、戻ったりしながら待ち遠しい春はやってくる。 あそこでは梅が咲いた。 こっちではもう桃の蕾(つぼみ)がふくらんでいる。              【 矢島 渚男 選 】


地雷なき国に暮らして土筆摘む   東京都  吉田 かずや   
 
季語が「地雷なき」平和を実感させる。野や畔(あぜ)に生える土筆(つくし)をなんの心配もなく踏める嬉(うれ)しさ。                【 矢島 渚男 選 】


春田打つ曹洞宗の寺の前   深谷市  三上 通而

治、寺の前の田を打っている。それだけでも景は見えてくるところ、寺の宗旨が曹洞宗であることまで書かれている。古刹(こさつ)なのだろう。  【 宇多 喜代子 選 】


五十年前の恋文どんどで焼く   清瀬市  神崎 幸子

「五十年前」という具体性が生きた句であろう。どんど焼きの炎に吹き上げられて消えてゆく恋。                             【 矢島 渚男 選 】


   いまひとたびのあふこともがな海に雪   北上市  佐々木 清志

「もう一度会いたい」という和泉式部の和歌の下句に、「海に雪」を付けただけだが、なかなかの雰囲気。虚構でも恋句とはいいものだ。ひらがなの連続が、雪片を思わせる。                             【 正木 ゆう子 選 】


   ゆつたりと待てば話す子春近し   下田市  森本 幸平

矢継ぎ早に質問せず、答えを急(せ)かさず。この子はじっくり考えて、言葉を選んで話す子なのだから。こんな育て方をされる子供は幸せ。  【 正木 ゆう子 選 】


正月のやや気の抜けた台所   東京都  山田 真理子

正月までは大車輪で活躍していた台所。後片付けをして一夜明ければ新年。働くことのない台所を気の抜けたとみたおもしろい句。      【 宇多 喜代子 選 】


カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
ブログ内検索
最新コメント
[12/31 越中之助]
[12/31 越中之助]
[12/10 ?]
[10/30 読売読者]
[09/06 榎丸 文弘]
最新トラックバック
バーコード
フリーエリア
ゲイ無料総合サイト
カウンター