目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
自転車に昔の住所草の花 川口市 詰石 麗子
花野に自転車を降りて一休みすると、昔の住所が書かれているのを発見? 往時のことをいろいろと思い出した。そんな感じだろうか。【 矢島 渚男 選 】
花野に自転車を降りて一休みすると、昔の住所が書かれているのを発見? 往時のことをいろいろと思い出した。そんな感じだろうか。【 矢島 渚男 選 】
コスモスのうしろのシーツよく乾く 西条市 平井 辰夫
この句にも事々しさがない。コスモスが咲いている、シーツが干してある。それだけの景から、秋日和が浮かびたつ。 【 宇多 喜代子 選 】
この句にも事々しさがない。コスモスが咲いている、シーツが干してある。それだけの景から、秋日和が浮かびたつ。 【 宇多 喜代子 選 】
幾億の秋刀魚の供養なかりけり 八王子市 高松 正雄
一読、朝焼けの海で鰯(いわし)が仲間の葬いをするという金子みすずの詩「大漁」を思うが、この句は人間たちが秋刀魚(さんま)の供養をしてやらないという。「幾億」の表現が大胆。 【 矢島 渚男 選 】
一読、朝焼けの海で鰯(いわし)が仲間の葬いをするという金子みすずの詩「大漁」を思うが、この句は人間たちが秋刀魚(さんま)の供養をしてやらないという。「幾億」の表現が大胆。 【 矢島 渚男 選 】
脚を見てこの人強きとおもひをりテニスの試合5分間前
市原市 井原 茂明
日焼けして引き締まった筋肉質の脚である。ボールを打ち合う前に、日々の鍛錬が判って とてもかなう相手ではない。試合の前からすでに降参、降参。
【’11.10.24 小池 光 選 】
「5分間前」という言葉に不自然さを感じました。日常 「5分前」という言葉は使っても、「5分間前」という言葉は・・・、使った記憶が私にはありません。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
電飾の取り付けがはやはじまりいてがんじがらめの木はガリバーの如し
京都市 末広 正己
小人の国に行ったガリバーは、眠っているところをロープで止められた筈。
電飾灯の取り付けられた街路樹は さながら直立するガリバーだ。少なくても木は喜ぶまい。 【’11.11.07 小池 光 選 】
短歌の基本を破る「五、七(五+ニ)、六、九、八」のリズムは不自然で、もう一度言葉を選ぶ作業があってもいいように思いました。
「はやはじまりいて」は、「もう、始まっていて」の意ですよね。
樹に近づいてみると電飾はゆるく巻かれているだけで、「がんじがらめ」は少し大げさな表現のように私には感じられましたが、いかがでしょう。
市原市 井原 茂明
日焼けして引き締まった筋肉質の脚である。ボールを打ち合う前に、日々の鍛錬が判って とてもかなう相手ではない。試合の前からすでに降参、降参。
【’11.10.24 小池 光 選 】
「5分間前」という言葉に不自然さを感じました。日常 「5分前」という言葉は使っても、「5分間前」という言葉は・・・、使った記憶が私にはありません。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
電飾の取り付けがはやはじまりいてがんじがらめの木はガリバーの如し
京都市 末広 正己
小人の国に行ったガリバーは、眠っているところをロープで止められた筈。
電飾灯の取り付けられた街路樹は さながら直立するガリバーだ。少なくても木は喜ぶまい。 【’11.11.07 小池 光 選 】
短歌の基本を破る「五、七(五+ニ)、六、九、八」のリズムは不自然で、もう一度言葉を選ぶ作業があってもいいように思いました。
「はやはじまりいて」は、「もう、始まっていて」の意ですよね。
樹に近づいてみると電飾はゆるく巻かれているだけで、「がんじがらめ」は少し大げさな表現のように私には感じられましたが、いかがでしょう。
よく笑う少女らに似てコスモスは小さき風に明るくゆるる
京都市 末広 正己
何の気取りもない素直そのものの歌だが、さっき止まったローカル線の駅の車窓にゆらぐコスモスの花の印象が、この通りだった。下校時の女学生の明るい姿も。 【 岡野 弘彦 選 】
京都市 末広 正己
何の気取りもない素直そのものの歌だが、さっき止まったローカル線の駅の車窓にゆらぐコスモスの花の印象が、この通りだった。下校時の女学生の明るい姿も。 【 岡野 弘彦 選 】
曼珠沙華全き空と巡り合ふ 足利市 長 芳男
日野草城の「栗飯のまつたき栗にめぐりあふ」が下敷きにあろうか。言い換えだとしても、本歌に迫る出来だと思うが、どうだろうか。 【 正木 ゆう子 選 】
日野草城の「栗飯のまつたき栗にめぐりあふ」が下敷きにあろうか。言い換えだとしても、本歌に迫る出来だと思うが、どうだろうか。 【 正木 ゆう子 選 】
秋風や手を振る母を置いてきし 枚方市 船橋 充子
老人施設だろうか。手を振って見送ってくれてはいるが、共に暮せないことが娘にはやはり切ないのだ。長寿の時代、同じ思いをしている人は多いだろう
【 正木 ゆう子 選 】
老人施設だろうか。手を振って見送ってくれてはいるが、共に暮せないことが娘にはやはり切ないのだ。長寿の時代、同じ思いをしている人は多いだろう
【 正木 ゆう子 選 】
刃を入るる隙(すき)なく林檎(りんご)紅潮す
野沢 節子 (のざわ せつこ)
真っ赤に熟れたリンゴ。 さて皮をむくのに、どこからナイフを入れたものか、一瞬戸惑ってしまったのだ。 艶(つや)やかな紅の肌を傷つけるのが惜しくて。 終戦5年目の秋の句。それを思い合わせれば、一個のリンゴ、いよいよまぶしい。 【 四季 ・ 長谷川 櫂 選 】
野沢 節子 (のざわ せつこ)
真っ赤に熟れたリンゴ。 さて皮をむくのに、どこからナイフを入れたものか、一瞬戸惑ってしまったのだ。 艶(つや)やかな紅の肌を傷つけるのが惜しくて。 終戦5年目の秋の句。それを思い合わせれば、一個のリンゴ、いよいよまぶしい。 【 四季 ・ 長谷川 櫂 選 】
【 宇多 喜代子 選 】
曼珠沙華一本だけの曼珠沙華 武蔵野市 藤巻 治郎
曼珠沙華一本だけの曼珠沙華 武蔵野市 藤巻 治郎
百歳の顔を見にゆく秋の坂 千葉市 小林 昭
この百歳は親御さんだろう。折々顔を見るだけで安心する。四周爽やかな秋だが、やはり坂は疲れる。 【 宇多 喜代子 選 】
この百歳は親御さんだろう。折々顔を見るだけで安心する。四周爽やかな秋だが、やはり坂は疲れる。 【 宇多 喜代子 選 】