目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
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   月の夜に時よ戻りて同窓会   行橋市  野田 文子

「時よ」には 普通 「戻れ」と続くところ、「よ」の用法がユニーク。 戻れと願い、戻ったのだろう。 月夜の不思議なタイムスリップ。           【 正木 ゆう子 選 】


   襞寄りて鶏頭は思慮深き花   相模原市  奥沢 和子  

鶏頭は「思慮深き花」だと断定している。この句は「襞(ひだ)寄りて」の観察が優れていて、この描写によって納得されるのである。          【 矢島 渚男 選 】


  下駄ばきの水上機に乗る特攻兵見おくる人なく指宿を発つ
                           奈良県  大村 三郎

作者は指宿(いぶすき)市出身。私は知覧は2度たずねたが、指宿の海軍航空基地は知らなかった。 下駄ばきの水上機による特攻などが行われたとは。 近く、指宿をたずねます。                        【 岡野 弘彦 選 】


  オクラの実刻めば星が増えてゆく採りたてだからいい容して
                          昭島市  杉山  尚

オクラの断面は星のような形をしている。その美しさを詠んだ歌はこれまでにもあったが、この歌は採りたての「いい容(かたち)」に着目したことで、場面の躍動感が出た。                                  【 栗木 京子 選 】


今週の特選句

  交差点また交差点交差点          ( 新潟県 畑 好昭 78歳 )  
     生涯、交差点なんだ。  迷うなぁ・・・・・・特選。


ほかに、
  渡ったがなぜ渡ったか交差点        ( 千葉県 伊東  真 60歳 )
     わからないんだ。それが正解かどうかも。


  渡りきりママに手を振るランドセル        ( 大阪府 興考爺 71歳 )
     ふぅ。なんだかハラハラするわ。

  交差点明日の我が身とすれ違う      ( 東京都 都留 亀三 67歳 )
     あの人、幸せな人かもしれませんよ。

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   ■
募集お題 「 わさび 」
   ■ 「お題」にそった川柳を、はがき1枚につき1句から5句まで。
   ■ 住所・氏名(ペンネームの場合も必ず本名を)・年令・電話番号・
      お題を明記してください。
   ■ 締め切りは9月23日(消印有効)です。
      なお応募作品は返却いたしません。
      また、同じ句を他誌に投稿する二重投稿は厳禁です。
      特選句には賞金を差し上げます。
   ■ ご記入いただきました個人情報は、
      本欄への掲載と賞金発送にためにのみ使用いたします。
   ■ 宛先 〒102-8008
      千代田区紀尾井町3-23 週刊文春「川柳のらりくらり」係


   垂れそめし稲穂や誰ももう死ぬな   笠間市  沢崎 だるま

今年ほど戦争に関する投句の多い夏はなく、今も続いている。掲句も戦後70年と前書があるが、なくとも通じるだろう。豊かな稲の稔る平和な秋、これ以上のものはない。                               【 正木 ゆう子 選 】


   花火散る吐息の中にわれもゐて   防府市  中村 茂彦

ひゅるひゅると昇りつめ、弾け、開ききった後、ゆっくりと落ちてくる光を吐息に見立てた。見上げる人々を大きく包み込むように。           【 正木 ゆう子 選 】


  新聞をていねいに読む敗戦日   千葉  かとう 祥子

この日の新聞には多く戦争や敗戦にかかわる記事が掲載される。 それを、丹念に読む。 知らなかったこと、思い出すことなどがあり、読み流せないのだ。  
                                   【 宇多 喜代子 選 】


今週の特選句

  土下座する一歩手前で許す妻      ( 東京都 鈴木 政治 82歳 )  
     やっぱり奥さんは一枚上手だ。  特選!


ほかに、
  土下座して含み笑いのわが人生    ( 大阪府 佐見川 ザッコ 57歳 )
     地面に鏡置いときましょうね。


  土下座する蛙平気で蛇は呑む      ( 兵庫県 片岡 逸美 71歳 )
     哀しい句だなぁ・・・・・・。

  土下座まで父に似てると母が泣く     ( 埼玉県 飯嶌 直樹 48歳 )
     切ない句だなぁ・・・・・・。
 
  土下座かと思えば妻のヨガだった    ( 島根県 録画は家康天 53歳 )
     するわけないでしょアンタ。 

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   ■
募集お題 「 井戸 」
   ■ 「お題」にそった川柳を、はがき1枚につき1句から5句まで。
   ■ 住所・氏名(ペンネームの場合も必ず本名を)・年令・電話番号・
      お題を明記してください。
   ■ 締め切りは9月16日(消印有効)です。
      なお応募作品は返却いたしません。
      また、同じ句を他誌に投稿する二重投稿は厳禁です。
      特選句には賞金を差し上げます。
   ■ ご記入いただきました個人情報は、
      本欄への掲載と賞金発送にためにのみ使用いたします。
   ■ 宛先 〒102-8008
      千代田区紀尾井町3-23 週刊文春「川柳のらりくらり」係


   インク吸ふ万年筆や秋の夜   八王子市  大串 若竹

万年筆もカートリッジ式は安価だが、吸引式のものは高級である。秋の夜、はがきでも書くのか。万年筆自体を楽しんでいるのか。         【 小澤  實 選 】


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