目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
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   寒灯下妣の箪笥のナフタリン   岡山市  国定 義明

「妣(はは)」は亡くなってしまったははである。箪笥を開けると、残っていたナフタリンが寒灯下しらじらと照り、その人を思い出させる。        【 小澤  實 選 】


   公転も自転も止めて日向ぼこ   深谷市  三上 通而

止められるわけはないのに、こうも言えるところが俳句の自由である。 圧倒的な太陽の光と熱に包まれた至福感の時よ、止まれ。         【 正木 ゆう子 選 】


   皸の出来なくなれば老いてゐし   所沢市  近藤 栄子

水仕事などから開放されたのだろう。 若い人が居てくれるのも、 皸(あかぎれ)の出来ないのも嬉(うれ)しいが、それは老いなのだ、という自覚が厳しい。 
                                     【 正木 ゆう子 選 】


今週の特選句

  クラス会ひょうたん島で盛り上がり     ( 岡山県 丸橋  稔 63歳 )  
     泣くのは嫌だ笑っちゃおう、  特選!


ほかに、
  散骨もいいなと思う白い波         ( 大阪府 笹川 恭子 67歳 )
     まだまだ遠い未来の話ですよ。


  お義母さま波風立てて帰られた      ( 大阪府 橋本 文雄 76歳 )
     えと、母の恩は、んと海より・・・・・・。

  母さんがよく泣いていた防波堤       ( 大阪府 河合 陽子 63歳 )
     母の恩、海より深しですね。
 
  臨終のセリフが波紋また広げ        ( 大阪府 富田 保子 73歳 )
     聞かなかった事にしましょう。

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   ■
募集お題 「 インスタント 」
   ■ 「お題」にそった川柳を、はがき1枚につき1句から5句まで。
   ■ 住所・氏名(ペンネームの場合も必ず本名を)・年令・電話番号・
      お題を明記してください。
   ■ 締め切りは1月13日(消印有効)です。
      なお応募作品は返却いたしません。
      また、同じ句を他誌に投稿する二重投稿は厳禁です。
      特選句には賞金を差し上げます。
   ■ ご記入いただきました個人情報は、
      本欄への掲載と賞金発送にためにのみ使用いたします。
   ■ 宛先 〒102-8008
      千代田区紀尾井町3-23 週刊文春「川柳のらりくらり」係


  蛍となりて帰ると言ひし若き兵いまも知覧の夜をさすらふ
                          東京都  松井 和治

昨年は戦後70年、戦争を思う歌が多く投稿されてきた。 私自身も、特攻隊で戦死した同級生を歌に詠み、鹿児島へ二度旅して特攻基地を訪れた。この歌は、知覧で特攻兵達(たち)を世話して「おかあさん」と慕われた鳥浜トメさんと、特攻で散った宮川三郎少尉との逸話を歌った、切ない思いの一句。  
                                    【 岡野 弘彦 選 】

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   お父さん私ら永く生きたわね、さういふ妻の頭撫でたる
                          城陽市  相原 洋次

 老夫婦の会話。ふと妻が重いことばをつぶやく。返すことばが見当たらなかった。思わず黙ってそういう妻の頭を撫(な)でた、という歌。まるで映画の一場面のようで、妻のセリフも単純なようで味があるし、それに対応する夫のしぐさにも万感の重いがこもっている。こういうときことばは必要ない。            【 小池  光 選 】

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  除染後の裸の土に芽生えたるハナダイコンを鉢に上げやる
                          郡山市  星 キク子

原発事故による東北の方々の苦しみは続いている。除染される土もさぞかし悔しくつらいことであろう。「裸の土」という表現に胸を衝(つ)かれる。だが、除染後の土はたくましくハナダイコンを芽生えさせた。芽を鉢に移し変えるしぐさに愛情がこもっており、いのちの健気さを伝えてくる歌である。             【 栗木 京子 選 】
    
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  「かがやき」に東京・金沢結ばれて春の日本のウエスト縮む
                          池田市  今西 幹子

北陸新幹線が金沢までつながった明るいニュース。かがやきという固有名詞が効いている。薄着になったイメージも加わって、春のウエストの比喩が素晴らしい。このようにユニークで新鮮な比喩が、今西さんの持ち味の一つだ。桔梗(ききょう)の蕾が「キリトリ線」に沿うように開くという一首も忘れがたい。      【 俵  万智 選 】 



   新聞に包まれ焼芋らしくなる   銚子市  久保 正司  

いまはスーパーなどでも焼芋を売っている。永遠のヒット商品だが、どうも新聞紙に包まれないと気分が出ないし、焼芋らしくない。         【 矢島 渚男 選 】


  認知症となりて久しき妹が古きわが短歌(うた)を諳(そらん)じており 
                               東京都  三井  操

認知症の病状には人によって微妙な差があるようだ。この場合は、若い日に心に刻んだ姉の歌を、ほかの事は忘れてもいつまでも忘れず口ずさんでくれる妹なのだろう。                                 【 岡野 弘彦 選 】


16.01.31
手記を出版  
 いずれ「あの日」が出るんだろうな・・・  ― SMAPファン  (ネコ坊)

16.01.30
新看板   面会謝絶   ― 大臣室   (神奈川・ほくろ)         ◎

命取り   エアーバッグ   ― タカタ会長辞意   (爺G7)
                                                                                                
16.01.28?
「安」   今年の漢字じゃないか!   ― 株   (埼玉・破魔矢)     ◎
 
16.01.26
二者択一  琴バウアーか五郎丸ポーズ  ― 受験生  (福岡・ストローハット)

16.01.25
今年の花見   桜吹雪は見られません   ― 遠山桜   (埼玉・気さく)

16.01.22
インフルエンザ  決まり手に加えます  ― 日本相撲協会 (愛知・ターちゃん)

16.01.16
金の卵    昔 ― 15歳
        今 ― 18歳    (群馬・極楽トンボ)

16.01.09
挑発   寝耳に水爆   ― 中国政府   (東京・もっちゃん)       

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【 1月のUSO放送 】 月間賞の発表を見落として?しまいました (02.15)

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【 1月のUSO放送 】 月間賞は、神奈川県、無職 青木恭子さん(74) の
「 新看板」に決まりました。賞金1万円と記念楯を贈ります。
                                                     ( ’16.02.16 朝刊 )
 
  新看板   面会謝絶   ― 大臣室   (神奈川・ほくろ)                    
     



   冬めくや土偶の足の短くて   岡山市  橋本 幹夫

土偶は、胸や腹が詠まれることが多いが、足の短さも重要。 縄文人は冬の間、春という季節の復活を祈って過ごしたことだろう。           【 小澤  實 選 】


   木登りをしてまで柿は採らぬらし   東京都  家泉 勝彦

木に取り残された柿を見て、昔は木登りをしてでも採ったものだったが、今は、という感想か。それに柿の木は折れやすく危険でもある。       【 矢島 渚男 選 】


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