目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
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   保母さんに幼き恋の雪つぶて  名古屋市  可知 豊親

保育園の女性の先生を恋をして、気を引こうと雪礫(つぶて)を投げているのだ。 なんという早熟だろう。雪礫の恋は類型だが、この句は新しい。 【 小澤  實 選 】


   象という宇宙冬の動物園  浅井 愼平( あさい しんぺい )

俳句も短歌も俳人や歌人の独占物ではない。この句の作者は写真家、浅井愼平。象は一個の巨大な宇宙であるというのだ。 鯨がそうであるように。 閑散とした動物園で悠然と生きている。     < 句集 『哀(かな)しみを撃て』 から >
                      【 '16.02.01 四季 ・ 長谷川 櫂 選 】


16.02.23
「もうあかん」靴店 閉店  
  最終日に行けなかった   ― オオカミ少年   (ナナハン)

 16.02.22
非妊娠なら再婚  パンダをすぐ再婚させたい  ― 上野動物園 (柿ザボン)◎ 

 16.02.20
働かないアリ必要  存在を認められた!!  ― なまけ者  (鯛さん)

16.02.19
「シライ3号」認定  名称もひねってほしい  ― 白井健三  (宮崎・ヘボ助)

16.02.13
議員辞職へ   自分を育てたい   ― 宮崎議員   (東京・ナナハン)

16.02.12
組み体操禁止 人の上に人をつくらず  ― 大阪市教委  (千葉・せいちゃん)

16.02.11
漢字 はねても、とめても正解  「そこが難しい」  ―体操選手  (面単貧)

16.02.10
「地球観測衛星」打ち上げ 
  「ちゃんと世界を見てほしい」  ― 国際社会  北朝鮮殿  (猫じゃらし) ◎

16.02.04
1敗何のその   ポーカーフェイス   ― トランプ候補   (野猿仙人)

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【 2月のUSO放送 】 月間賞は、長野県、無職 赤塩富夫さん(73) の
「 絶滅防ぐ役割」に決まりました。賞金1万円と記念楯を贈ります。
                                                     ( ’16.03.04 朝刊 )
 
  絶滅防ぐ役割  
   1億総活躍も見直しては?   ― 働かないアリ   (長野・百言居士)                      
     


   山眠る海の荒るれば荒るるほど   栃木県  あらゐひとし 

海の荒れと冬の山とは表面上関わりがない。しかし、こう書かれると、海の荒れが山の静けさを引き立てているような気にさせる。 海からすぐ山となる風景も見せて いる。                                 【 小澤  實 選 】


   一斉操作あり冬耕に似てかなし   郡山市  高木 茂子

年間を通して 「短日や手紙に入れる花の種」 「ふららこで待っててきっと探します」 「失いしもののひとつに万愚節」 などの秀句があった。 大震災を経験したこの人には、現代に密着した鋭く独特な感性がある。パリの同時多発テロに触発されたこの句、無関係なものを結びつけ不条理な世界を表現した。   【 矢島 渚男 選 】


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   12月8日地球儀なべて海   福井市  村田 淑子

1941年12月8日を知る一人として感慨深く、戦後70年にあたる年の句として脳裏(のうり)に留(とど)めておきたく思った。地球儀をくるりと回転させると、地球上の多くの国々が 「海」 で繋(つな)がっていることがわかる。 小さな地球儀の海が 「水の惑星」 と呼ばれる大きな地球に広がり、地球よいつまでも平和であれの願いに繋がってゆく。                          【 宇多 喜代子 選 】


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   真昼そよ吹く風曼荼羅に麦刈れり   笠間市  沢崎 だるま

七七五のリズム、ことに上七の字余りが時の流れを揺蕩(たゆた)わせ、 「そよ」の語が一句全体を柔らかさで満たしている。「風曼荼羅(まんだら)」からゴッホの描く麦畑を連想したが、ゴッホの力強さに対して、こちらは静謐(せいひつ)。農作業の中でも麦刈りだからこその句であり、たとえば稲刈りと置き換えることは出来ない表現であるところが面白い。                     【 正木 ゆう子 選 】

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   放置車に男は住んで子猫飼ふ   横浜市  我妻 幸男

放置してある自動車に勝手に住み着いてしまった男がいる。その男が子猫を拾って飼っていた。ホームレスという存在だろう。陰翳(いんえい)ある風貌まで描かれている。都心だったら撤去されるだろうし、地方だったら生きていけないだろう。東京郊外という場所も示されているのではないか。現代という時代が強く匂って来ることに魅(ひ)かれた。                           【 小澤  實 選 】

< 耐え難いほどの腐敗臭を感じますが、年間賞ということでメモしておきました >


   吉凶の際立つ年を惜しみけり   奈良市  上田 秋霜

過ぎてゆく一年をずばりと「吉凶の際立つ年」と大きき断定して詠った。国家のことか、家族のことか。ある時は心沈み、ある時は心沸いたことを思い浮かべている。
                                    【 矢島 渚男 選 】


  興福寺の阿修羅のごとき貌(かお)をして羽生結弦はすべり終へたり
                               水俣市  角田 聖子

この歌を見て、ああそうだと共感する人が多いはず。 競技を終え汗にまみれて、キッと正面を切った羽生選手の顔は、若き仏法護持の神、阿修羅に似て清くりりしい。                                 【 岡野 弘彦 選 】


  天皇陛下
    戦ひにあまたの人の失せしとふ島緑にて海に横たふ

  皇后さま
    夕茜(ゆふあかね)に入りゆく一機
        若き日の吾(あ)がごとく行く旅人やある

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  秋篠宮家長女眞子さま
    広がりし苔(こけ)の緑のやはらかく人々のこめし思ひ伝はる

  常陸宮妃華子さま
    人と人思はぬ出会ひに生涯のよき友となり師ともなりなむ

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  選者 今野 寿美 さん
    いにしへのおほいにしへの大人(うし)たちも
        ほほづゑに月見る夜ありけむ

  長野県 木内 かず子 さん (67)
    橅(ぶな)植ゑて百年待つといふ人の百年間は楽しと思へり

  香川県 大林 しずの さん (62)
    かぎろひの春の手習ひ人の字は左右にゆつくりはらつてごらん  

  新潟県 内山 遼太 さん (16)
    日焼けした背中の色がさめる頃友達四人の距離変化する    


今週の特選句

  秋からの二人暮らしに二合釜       ( 三重県 井上 速義 66歳 )  
     願わくば焦げつかないように。  特選。


ほかに、
  釜の底焦げて剥がれぬ愛一つ     ( 千葉県 滝沢 ゆき子 50歳 )
     焦げついた愛でも、そこにあるのは愛です。


  後釜を狙う男が酌に来る        ( 神奈川県 富田 雅之 45歳 )
     うわ、社長シリーズにありそうな光景だ。

  釜飯を峠で買わず地下で買い       ( 熊本県 伏貫 直美 71歳 )
     便利がいいのも良し悪しの気がするなぁ。
 
  炊けてると賑やかすぎる電気釜     ( 神奈川県 青木 恭子 74歳 )
     チョロチョロパッパ、ピピピピピーッ!!

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   ■
募集お題 「 脈 」
   ■ 「お題」にそった川柳を、はがき1枚につき1句から5句まで。
   ■ 住所・氏名(ペンネームの場合も必ず本名を)・年令・電話番号・
      お題を明記してください。
   ■ 締め切りは1月20日(消印有効)です。
      なお応募作品は返却いたしません。
      また、同じ句を他誌に投稿する二重投稿は厳禁です。
      特選句には賞金を差し上げます。
   ■ ご記入いただきました個人情報は、
      本欄への掲載と賞金発送にためにのみ使用いたします。
   ■ 宛先 〒102-8008
      千代田区紀尾井町3-23 週刊文春「川柳のらりくらり」係


   風邪の神貧乏神が寄せつけず   前橋市  滋野 靖司

貧乏神がいると、何もいいことはなさそうだが、作中主体を独占して、風邪の神を寄せつけないというのだ。なかなか滑稽な風邪の句。      【 小澤  實 選 】


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