目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
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   注連傾ぐ金精さまは風の中   甲府市  中山  孝

金精(こんせい)さま=男根神は明治初期の政府に淫祠(いんし)邪教として排斥されるまで原始以来の信仰の一中心だった。でも、まだこの素朴な石神は残っていて注連(しめ)を飾ってくれる人もいる。              【 矢島 渚男 選 】


   老いていま前衛たらむ冬の松   高松市  町川 悠水

老いてこそ面白くなるものは色々あるだろうが、俳句も然り。 形式を使いこなし、 自由に羽目を外して、恐いものなし。 「冬の松」に、老いの理想の姿が重なる。 
                                   【 正木 ゆう子 選 】


   受け継ぎしもののひとつに隙間風   大津市  竹村 哲男

受け継いだものと言えば、なにか価値のあるものが出てくると思っていると、なんと「隙間風」が登場して、驚かされた。背景に古く大きく寒い家が想像されるのだ。  
                                    【 小澤  實 選 】


   師の賀状筆圧紙をゑぐるほど   匝瑳市  椎名 貴寿 

確かにこういう賀状をもらったことがあるような気がする。ボールペンですね。「ゑぐる」という表現がよく描きとっている。                  【 小澤  實 選 】


   淡路島使ふだろうか神様が琵琶湖にそつとふたをするとき
                          仙台市  岩間 啓二

日本地図を見て「淡路島と琵琶湖、形が似ているな」と思ったことのある人は多いだろう(私も、その一人)。 が、ただ「似ている」とするのではつまらない。 その小さな発見を歌にする時の仕掛けが、素晴らしい。           【 俵  万智 選 】
 


   冬の日はすもうが出来る強い風
            埼玉県 川口市立鶴ケ谷小学校3年 赤津 優太

冬の強い向かい風にさからって進んでいくさまは、 まさに 「すもう」 を取っているかのようですね。 このままぶじに目的地(もくてきち)に着けたら、優太君の勝ち。 さあ、のこった、のこった!      【 ’16.02.13 KODOMO俳句 高柳 克弘 選 】


   なまはげに泣く子逃げる子謝る子   酒田市  横沢 政祐

なまはげに泣く子は描かれるところだが、逃げたり、謝ったりするこどもが描かれることがあっただろうか。 こどもたちのさまざまな反応がなまはげの怖さを想像させる。 
                                     【 小澤  實 選 】


   早起きに寒オリオンの点と線   東京都  松永 京子

オリオン座は四つの星が四角を成して参連の星を囲む。点はその三つの星で、線は周囲の四辺形。「点と線」が小説の題のようで面白い。  【 正木 ゆう子 選 】


   梟の森からチェーンソーの音   栃木県  あらゐ ひとし 

フクロウの住む森が伐採されている。現今は昔の斧(おの)始めなどという長閑さはなく、殺伐たるチェーンソーの響き。 梟(ふくろう)の棲(す)む老樹を伐(き)ることは人類の未来を伐ること。                      【 矢島 渚男 選 】


  愛を説き「独りじゃない」とクリスマス・カードが届くイヴの独房
                            仙台市  長岡 義宏

罪を犯して服役中の作者は、ここ数年、信仰を持つ老婦人からの励ましの手紙を受けて、敬虔(けいけん)な心を知るに至った言う。        【 岡野 弘彦 選 】


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