目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
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  健気にもくらし支うる姿見て「チラシ投入ことわり」外す
                           東京都  久保田 仁

郵便受けにさかんに投げ入れられるチラシ。 迷惑なものだが、 その仕事によって生計を立てている人がいることを思えば別の考えが湧く。そっとその張り紙を外したのだ。                                   【 小池  光 選 】
            < 私なら自分の生活環境を守るため外しませんが・・・ > 
 
     < 「 」で表現するなら「チラシ投入ことわり」のほうが正しいのでは? >  


 タラの芽摘(たらのめつみ)ユダを追う目をしてゐるか  東京都 天地 わたる
                    < タラ : 木へんに葱マイナス草かんむり >

楽しい山菜取りも、仕事になると、またノルマなどあるとこんな目つきになるか。あてにしていた場所が先取りされていたりすると、裏切り者を追うような目になるのだ。
                                    【 小澤  實 選 】


   初夏や水に浮くものみな光る   武蔵野市  渡辺 一甫

「水に浮くもの」 とは何だろう。 睡蓮やその葉、水草、水鳥。 野菜、切り花。芥(あくた)だって水に浮いている。初夏の水の輝きをものに託した句。
                                   【 宇多 喜代子 選 】


   筑波山に遇ふ後朝の蟾蜍   八王子市  徳永 松雄

春、蟾蜍(ひきがえる)は自分の生まれた池や沼に集まって子孫を残す。その蛙合戦を終えて山に帰ってゆく後朝(きぬぎぬ)のガマに出会った。ガマの膏(あぶら)売で知られる筑波山の道でのこと。                 【 矢島 渚男 選 】


   語部の背負ふ戦争昭和の日    福島市  二宮  宏

戦後70年、戦争の悲惨な体験を語り続けた語り部。 もう二度とこんなのとを繰り返してはならないと戦争を背負ってきた人。           【 矢島 渚男 選 】


   小綬鶏に呼ばれて君は行ったきり   千葉市  椿  良松

小綬鶏(こじゅけい)はチョットコイチョットコイと鳴く。君はその声に呼ばれて行ったのか。逝った人は、本当に、見事に、決して帰らない。      【 正木 ゆう子 選 】


  老いわれのけふ一日も過ぎたりとつぶやきて壁の日めくりを剝ぐ
                             長野県  羽毛田 栄

私も長く日めくりの暦を使うことを忘れていたが、 最近、 何となくあの一日一日の感触がなつかしく思われるようになった。              【 岡野 弘彦 選 】


   花散るや婆が三人しやべる喋る   羽曳野市  北山 史人

三人の婆がしゃべりつづけている。 繰返しが効いている。 桜が散りつづける様子と婆たちの話しつづける様子とが、呼応しあっている。        【 小澤  實 選 】


   元特攻の神父逝きたる松の芯   東京都  山口 照男

戦争終結時に神風特攻隊員であった青年がカソリックに入信し、 神父となって戦後の社会を生きて来られた。 どんなにか辛く重い精神の葛藤を経てきた人なのであろう。                                【 矢島 渚男 選 】


   そつと押す背中小さき入学式   浜松市  北河  覚
小学一年生の入学式。子どもにしてみれば集団生活最初の関門である。おずおずする子の背を押してさぁ行きなさいと促す。まだこんなに小さいのに、とふっと思う。
                                   【 宇多 喜代子 選 】


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