目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
西瓜食べ麦茶を喫しニュース見てテロに驚き食器を洗う
東京都 野村 泰司
日常のありふれた動作の一つように「テロに驚き」が並列されている。テロにニュースに私たちのありようが鋭く示された一首。驚いたのち、また日常に戻る。
【 俵 万智 選 】
東京都 野村 泰司
日常のありふれた動作の一つように「テロに驚き」が並列されている。テロにニュースに私たちのありようが鋭く示された一首。驚いたのち、また日常に戻る。
【 俵 万智 選 】
百歳の母が天国(そちら)へ参ります迎えてください戦死の父よ
東京都 山岸 好江
作者の父は27歳で戦死。母はその後、女手一つで4人の子を育てたという。父の写真を抱いて亡くなった100歳の母。天国で二人は必ず再会しておられることだろう。 【 栗木 京子 選 】
東京都 山岸 好江
作者の父は27歳で戦死。母はその後、女手一つで4人の子を育てたという。父の写真を抱いて亡くなった100歳の母。天国で二人は必ず再会しておられることだろう。 【 栗木 京子 選 】
とぼとぼと来て生き生きと夏期講座 那須塩原市 谷口 畔水
今日はちょっとしんどいなと思いつつ来て、来たらやっぱり来てよかった講座。出てみる、動いてみると、どこからか元気は湧くもの。 【 正木 ゆう子 選 】
今日はちょっとしんどいなと思いつつ来て、来たらやっぱり来てよかった講座。出てみる、動いてみると、どこからか元気は湧くもの。 【 正木 ゆう子 選 】
雨の間にあぢさゐの香の出尽くせり 千葉市 谷 ひとし
「香りが出尽くした」という発想が出色。日本原産だが西欧で飾り花ばかりにされた人工的なアジサイにはもともと匂いはないのだが、花のために弁護してやる。
【 矢島 渚男 選 】
「香りが出尽くした」という発想が出色。日本原産だが西欧で飾り花ばかりにされた人工的なアジサイにはもともと匂いはないのだが、花のために弁護してやる。
【 矢島 渚男 選 】
面白きほどの暑さとなりにけり 高槻市 東谷 直司
人間が生息できる気温ではないと思うほどの猛暑が年々続く。今年はどうなるか。冗談では済まないけれど、この句の気分はよくわかる。 【 正木 ゆう子 選 】
人間が生息できる気温ではないと思うほどの猛暑が年々続く。今年はどうなるか。冗談では済まないけれど、この句の気分はよくわかる。 【 正木 ゆう子 選 】
半夏生間違ひ電話しか鳴らず 小樽市 前田 満夫
いそいそと電話に出ると間違い電話。また鳴ると、また間違い。何か良い知らせはないものか。嬉しい誘いはないものか。そんな一日。 【 正木 ゆう子 選 】
いそいそと電話に出ると間違い電話。また鳴ると、また間違い。何か良い知らせはないものか。嬉しい誘いはないものか。そんな一日。 【 正木 ゆう子 選 】
卓袱台を揺らす消しゴム夏休 横浜市 我妻 幸男
勉強部屋など無く、居間の卓袱台(ちゃぷだい)で宿題をしているわけだ。消しゴムで鉛筆の字を消すと、卓袱台が揺れる。しっかりしていない卓だ。【 小澤 實 選 】
勉強部屋など無く、居間の卓袱台(ちゃぷだい)で宿題をしているわけだ。消しゴムで鉛筆の字を消すと、卓袱台が揺れる。しっかりしていない卓だ。【 小澤 實 選 】
「水飲めよ」十七の孫通学の途中に寄りて二度も言い行く
三島市 中村 節子
おばあちゃんはきっと一人暮らしなのだろう。近所に住む孫が気遣って通学の途中に声をかけて行く。なんともいい孫だ。実に恵まれた老境を過ごされている。
【 小池 光 選 】
三島市 中村 節子
おばあちゃんはきっと一人暮らしなのだろう。近所に住む孫が気遣って通学の途中に声をかけて行く。なんともいい孫だ。実に恵まれた老境を過ごされている。
【 小池 光 選 】
水戸に棲む八百歳の太郎杉もの言うならばわれ聞くものを
仙台市 小林 恵子
樹齢八百年の大杉。圧倒的な迫力がある。何かひとこと言ってほしい。そのことばなら必ず聞く。下句が端的でよい。 【 小池 光 選 】
仙台市 小林 恵子
樹齢八百年の大杉。圧倒的な迫力がある。何かひとこと言ってほしい。そのことばなら必ず聞く。下句が端的でよい。 【 小池 光 選 】