目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
瘡蓋を剥がすも遊び草いきれ 東京都 野上 卓
草いきれから連想するのは、草を結んだ罠(わな)。 あるいは草を被(かぶ)せた落とし穴。遊んで、転んで、擦りむいて。瘡蓋(かさぶた)が出来て、それを剥がすのがまた楽しみなのである。 【 正木 ゆう子 選 】
草いきれから連想するのは、草を結んだ罠(わな)。 あるいは草を被(かぶ)せた落とし穴。遊んで、転んで、擦りむいて。瘡蓋(かさぶた)が出来て、それを剥がすのがまた楽しみなのである。 【 正木 ゆう子 選 】
今年竹きのふさ緑けふ真青 八尾市 仲谷 加代子
今年竹の伸び行くさまを色で表現した句。 きのうと今日でかくもちがう。 ぐんぐん変化する様子がよくわかる。 【 宇多 喜代子 選 】
今年竹の伸び行くさまを色で表現した句。 きのうと今日でかくもちがう。 ぐんぐん変化する様子がよくわかる。 【 宇多 喜代子 選 】
あめんぼのめっきり減りし田の面(おもて)ながるる雲はうつくしきかな
高岡市 野尻 徹治
水上を軽やかに滑走して、小昆虫を捕らえる、スケーターのようなあめんぼも少なくなった。だが作者はそれに代わって、すっきりと、流雲を映す水面の美を感じている。 【 岡野 弘彦 選 】
高岡市 野尻 徹治
水上を軽やかに滑走して、小昆虫を捕らえる、スケーターのようなあめんぼも少なくなった。だが作者はそれに代わって、すっきりと、流雲を映す水面の美を感じている。 【 岡野 弘彦 選 】
「また今度会えるかな」っていつも聞く ( オレのものにはしない )私に
足利市 坂庭 悦子
「何日にぜひ会おう」とは言わない。 ( )内は、受け手側の翻訳だろう。 束縛をせず、決定権を預ける相手。 そのもどかしさ。 【 俵 万智 選 】
足利市 坂庭 悦子
「何日にぜひ会おう」とは言わない。 ( )内は、受け手側の翻訳だろう。 束縛をせず、決定権を預ける相手。 そのもどかしさ。 【 俵 万智 選 】
あの頃は蝙蝠がいてみんないて 茨木市 瀬戸 準治
いまは都市に暮らしているが、 幼かった頃が懐かしい。 コウモリも飛び、 友だちも家族も多かった・・・と。 句の調べもなつかしい。 【 矢島 渚男 選 】
いまは都市に暮らしているが、 幼かった頃が懐かしい。 コウモリも飛び、 友だちも家族も多かった・・・と。 句の調べもなつかしい。 【 矢島 渚男 選 】
たいそうな金魚預けて入院す 堺 市 重親 利行
犬猫ならずとも、さて入院となると困るのが生きもの。水の入った金魚鉢もろともにだれかに預ける。まさに「たいそう」なのである。 【 宇多 喜代子 選 】
犬猫ならずとも、さて入院となると困るのが生きもの。水の入った金魚鉢もろともにだれかに預ける。まさに「たいそう」なのである。 【 宇多 喜代子 選 】
読み人を背(せな)から覗き込むように蔵書印ある古本を買う
東久留米市 中里 正樹
今では珍しい蔵書印だが、だからこそ物語を感じてしまう。かつての所有者を思う気持ちが、上の句でユニークに表現された。 【 俵 万智 選 】
東久留米市 中里 正樹
今では珍しい蔵書印だが、だからこそ物語を感じてしまう。かつての所有者を思う気持ちが、上の句でユニークに表現された。 【 俵 万智 選 】
ふりあふぐ焦土の街の夕空に「リンゴの唄」は流れゐたりき
東大阪市 山本 陸
こういう、敗戦後の感慨をこめた歌も、次第に見ることが少なくなった。原作「リンゴの唄の」は、「唄は」と変えてみた。 【 岡野 弘彦 選 】
東大阪市 山本 陸
こういう、敗戦後の感慨をこめた歌も、次第に見ることが少なくなった。原作「リンゴの唄の」は、「唄は」と変えてみた。 【 岡野 弘彦 選 】
17.07.30