目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
新参の氏子となりて里まつり 布野 寿
古い土地柄の残るところに住むことになったのだろう。そこの秋祭。これに参加して、ここに住む実感を味わう。 【 宇多 喜代子 選 】
古い土地柄の残るところに住むことになったのだろう。そこの秋祭。これに参加して、ここに住む実感を味わう。 【 宇多 喜代子 選 】
残されし人の元気が供養だと吾を救ひし言葉を送る
千葉県 高品 弘
元気を出すことが供養になる。この言葉によって、失意の沈む作者は励まされた。今、その言葉を同じ悲しみにいる人に送る。言葉の尊さに気付かせてくれる歌である。 【 栗木 京子 選 】
千葉県 高品 弘
元気を出すことが供養になる。この言葉によって、失意の沈む作者は励まされた。今、その言葉を同じ悲しみにいる人に送る。言葉の尊さに気付かせてくれる歌である。 【 栗木 京子 選 】
あんなにもほっこり月を見てる人 茨木市 瀬戸 順治
明るく嬉(うれ)しそうに「ほっこり」と、月を見ている人がいる。 作者は、月よりもその女性に見とれている。口語がとても面白く読める。 【 矢島 渚男 選 】
明るく嬉(うれ)しそうに「ほっこり」と、月を見ている人がいる。 作者は、月よりもその女性に見とれている。口語がとても面白く読める。 【 矢島 渚男 選 】
寝転んで窓の半分秋の雲 洲本市 石谷 晴彦
なんだか作者の至福のひとときに付き合っているような感じの句である。窓の半分は雲、残りの半分は青空。 【 宇多 喜代子 選 】
なんだか作者の至福のひとときに付き合っているような感じの句である。窓の半分は雲、残りの半分は青空。 【 宇多 喜代子 選 】
新涼のなかに鋏を忘れけり 水戸市 大野 太加し
余白の多い句。場所も、何を切ったのかもわからないし、「なかに」も漠然としている。ただ露に濡(ぬ)れた草木の中に鋏の質感だけがある。 【 正木 ゆう子 選 】
余白の多い句。場所も、何を切ったのかもわからないし、「なかに」も漠然としている。ただ露に濡(ぬ)れた草木の中に鋏の質感だけがある。 【 正木 ゆう子 選 】
銀やんま試行錯誤のまゝゆけり 小平市 土居ノ内 寛子
気まぐれにも見える独特の素早い動きを、試行錯誤と言ったのだろう。 急停止や方向転換をくり返しつつ、慌ただしく行ってしまった。 【 正木 ゆう子 選 】
気まぐれにも見える独特の素早い動きを、試行錯誤と言ったのだろう。 急停止や方向転換をくり返しつつ、慌ただしく行ってしまった。 【 正木 ゆう子 選 】
夏旅の思い出にリボンかけるとき良き形なり北海道は
船橋市 矢島 佳奈
北海道への旅。「思い出にリボン」という比喩が、下の句でダイナミックに花開く。確かに、とてもリボンがかけやすそうな形だ。そんな目で地図を見ることの楽しさ、面白さ。 【 俵 万智 選 】
船橋市 矢島 佳奈
北海道への旅。「思い出にリボン」という比喩が、下の句でダイナミックに花開く。確かに、とてもリボンがかけやすそうな形だ。そんな目で地図を見ることの楽しさ、面白さ。 【 俵 万智 選 】
本棚を詰めて一冊分の秋 仙台市 松岡 三男
読書の秋を、一風変わった詠み方で。読み終わった本を挿すために、すでに一杯の本棚に、一冊分の隙間を開ける。最後を「秋」で締めくくって、一句もうまく納まった。 【 正木 ゆう子 選 】
読書の秋を、一風変わった詠み方で。読み終わった本を挿すために、すでに一杯の本棚に、一冊分の隙間を開ける。最後を「秋」で締めくくって、一句もうまく納まった。 【 正木 ゆう子 選 】
お前には父が無名であるといふ安心感を残してやらう
青梅市 諸井 末男
「お父さん、それだけ⁈」と 子からツッコミが入りそうだが、残すものは何もないというより 、ユーモアがあって、ずっといい。実際、有名人の二世は、よきにつけ悪しきにつけ取沙汰されて大変そうだ。 【 俵 万智 選 】
青梅市 諸井 末男
「お父さん、それだけ⁈」と 子からツッコミが入りそうだが、残すものは何もないというより 、ユーモアがあって、ずっといい。実際、有名人の二世は、よきにつけ悪しきにつけ取沙汰されて大変そうだ。 【 俵 万智 選 】
母とゐるただゐるだけで秋の夜 行田市 永沼 規美雄
究極の存在とでもいえるような母と子である。特別になにか話すわけでもない、なにかをしているわけでもない。「ゐるだけの」ならぬ「ゐるだけで」が絶妙である。
【 宇多 喜代子 選 】
究極の存在とでもいえるような母と子である。特別になにか話すわけでもない、なにかをしているわけでもない。「ゐるだけの」ならぬ「ゐるだけで」が絶妙である。
【 宇多 喜代子 選 】