目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
一日が一日押して年詰まる 西条市 平井 辰夫
12月も半ばになると、「一日が一日押して」日が過ぎてゆく。今日は昨日に押され、今日は明日を押す。納得できる表現だ。 【 宇多 喜代子 選 】
12月も半ばになると、「一日が一日押して」日が過ぎてゆく。今日は昨日に押され、今日は明日を押す。納得できる表現だ。 【 宇多 喜代子 選 】
大豆炊く湯気はやうまし納豆結(ゆ)い 千葉市 沢 史生
昔の農村ではこんな結もあったのだと知る。湯気も、茹でたての大豆も藁苞(わらづと)に出来上がった納豆も、どんなに美味(おい)しかったことだろう。
【 正木 ゆう子 選 】
昔の農村ではこんな結もあったのだと知る。湯気も、茹でたての大豆も藁苞(わらづと)に出来上がった納豆も、どんなに美味(おい)しかったことだろう。
【 正木 ゆう子 選 】
炉語りは磁場逆転に及びけり 東京都 望月 清彦
地球は大きな磁石のようなものだという。その北と南の逆転が数十万年に一度起こるとか。そんなスケールの話題になるのも、原初の炎を見つめ合う夜だからこそ。
【 正木 ゆう子 選 】
地球は大きな磁石のようなものだという。その北と南の逆転が数十万年に一度起こるとか。そんなスケールの話題になるのも、原初の炎を見つめ合う夜だからこそ。
【 正木 ゆう子 選 】
クリスマス馬房に届く蒸しタオル 小平氏 土居ノ内 寛子
馬を労(ねぎら)う蒸しタオルか。キリストの生誕には諸説あるが、少なくともこの句ではクリスマスと馬房の取り合わせは相性がいいようだ。 【 正木 ゆう子 選 】
馬を労(ねぎら)う蒸しタオルか。キリストの生誕には諸説あるが、少なくともこの句ではクリスマスと馬房の取り合わせは相性がいいようだ。 【 正木 ゆう子 選 】
梟の片目休めてをりにけり 秋田市 中村 栄一
梟(ふくろう)は夜行性の猛禽(もうきん)。 昼は瞑目(めいもく)し、夜にかっと眼を開く。その片目を休めている。さていかなることか。仔細(しさい)は不明だが、ありそうなことだと思わせる。 【 宇多 喜代子 選 】
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梟の片目は義眼かもしれず 秋田市 中村 栄一
梟(ふくろう)は夜行性の猛禽。闇の中でたたずむ写真を見るたびに、どこを見ているのかわからないその目が不思議に思われてならない。
【 10.01.25 宇多 喜代子 選 】
梟(ふくろう)は夜行性の猛禽(もうきん)。 昼は瞑目(めいもく)し、夜にかっと眼を開く。その片目を休めている。さていかなることか。仔細(しさい)は不明だが、ありそうなことだと思わせる。 【 宇多 喜代子 選 】
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梟の片目は義眼かもしれず 秋田市 中村 栄一
梟(ふくろう)は夜行性の猛禽。闇の中でたたずむ写真を見るたびに、どこを見ているのかわからないその目が不思議に思われてならない。
【 10.01.25 宇多 喜代子 選 】
吾で絶ゆる墓を清めて薄れたる南無阿弥陀仏の碑銘をなぞる
久留米市 緒方 英精
わざと年初の選歌に選んだわけではない。自然な世相の一端である。自分の代で終わる累代の墓への惜別の情。いまさまざまな形で、世相の変化が起きている。
【 岡野 弘彦 選 】
久留米市 緒方 英精
わざと年初の選歌に選んだわけではない。自然な世相の一端である。自分の代で終わる累代の墓への惜別の情。いまさまざまな形で、世相の変化が起きている。
【 岡野 弘彦 選 】
会釈して会釈のかへる松手入 川口市 広田 絹子
事々しい挨拶(あいさつ)ではなく、双方会釈ですます。独りは木の上、一人は通行中。ご精がでますね、いやいや、その程度の挨拶である。 【 宇多 喜代子 選 】
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松手入れ通る人みな立ち止まりしばし眺めて一言のあり
横浜市 井上 誠一
松の木の手入れをしていると幾人かが立ち止まる。「見事な木ですね」「大変ですね」「気をつけて」「新年の準備ですか」などと声が掛かる。和やかな場面が目に浮かぶ。 【 栗本 京子 選 】
< 同じ1月8日の紙面より >
事々しい挨拶(あいさつ)ではなく、双方会釈ですます。独りは木の上、一人は通行中。ご精がでますね、いやいや、その程度の挨拶である。 【 宇多 喜代子 選 】
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松手入れ通る人みな立ち止まりしばし眺めて一言のあり
横浜市 井上 誠一
松の木の手入れをしていると幾人かが立ち止まる。「見事な木ですね」「大変ですね」「気をつけて」「新年の準備ですか」などと声が掛かる。和やかな場面が目に浮かぶ。 【 栗本 京子 選 】
< 同じ1月8日の紙面より >