目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
霙(みぞれ)やみて園児園児の振り回す叱られ方は傘それぞれに
東京都 高橋 よしえ
傘を振り回す子たち。叱られてすぐ止(や)める子、止めない子。個性豊かな姿が目に浮かぶ。「園児園児の」のリズムが楽しい。 【 栗木 京子 選 】
東京都 高橋 よしえ
傘を振り回す子たち。叱られてすぐ止(や)める子、止めない子。個性豊かな姿が目に浮かぶ。「園児園児の」のリズムが楽しい。 【 栗木 京子 選 】
亡き友のえくぼなつかし見上げればまるみの足らぬ上弦の月
多治見市 中山 京子
えくぼの愛らしかった友は亡くなってしまった。友の頬のまろやかさが月のまるさと重なり合う。上弦の月を「まるみの足らぬ」と表したところに悲しみと喪失感が漂う。
【 栗木 京子 選 】
多治見市 中山 京子
えくぼの愛らしかった友は亡くなってしまった。友の頬のまろやかさが月のまるさと重なり合う。上弦の月を「まるみの足らぬ」と表したところに悲しみと喪失感が漂う。
【 栗木 京子 選 】
夜をこめて牙城をなせり崖氷柱 見附市 徳橋 よし子
地層から浸み出す水が崖に牙を剥く氷柱をつくった。迫力のある句だ。ことに上五がいい。 【 矢島 渚男 選 】
地層から浸み出す水が崖に牙を剥く氷柱をつくった。迫力のある句だ。ことに上五がいい。 【 矢島 渚男 選 】
朝が来て朝が来て又雪を掻く 富山県 野崎 郁雄
作者のお住いの北筑の今年の雪はすごかった。毎日毎日、雪の上に雪が降る。「朝が来て」の繰り返しが切実。 【 宇多 喜代子 選 】
作者のお住いの北筑の今年の雪はすごかった。毎日毎日、雪の上に雪が降る。「朝が来て」の繰り返しが切実。 【 宇多 喜代子 選 】
カーリング「ソダネー」の声ひびきたり何とかわゆい日本の女子は
栃木市 近藤 靖子
カーリングも感動的だった。ふつうの言葉なのだけどいっぺんで流行語に。「何とかわゆい」 がとてもいい。 同感。 【 小池 光 選 】
栃木市 近藤 靖子
カーリングも感動的だった。ふつうの言葉なのだけどいっぺんで流行語に。「何とかわゆい」 がとてもいい。 同感。 【 小池 光 選 】
転勤の何方に消えし雛かな 笹本 千賀子 ( ささもと ちかこ )
転勤のたびの引っ越し。新任地に着くと、あるはずの荷物がないことがときどきあった。 時の流れのなかで人は何かを得、 その代わり何かを失(な)くすということか。 作者の場合はずっと大事にしてきたお雛さま。 句集『冬のキリスト』から。
【 '18.03.13 四季 ・ 長谷川 櫂 選 】
転勤のたびの引っ越し。新任地に着くと、あるはずの荷物がないことがときどきあった。 時の流れのなかで人は何かを得、 その代わり何かを失(な)くすということか。 作者の場合はずっと大事にしてきたお雛さま。 句集『冬のキリスト』から。
【 '18.03.13 四季 ・ 長谷川 櫂 選 】
雪掻(か)けば所得たりと降り積もる 富士宮市 高橋 武久
雪掻きをしてもしても、空いた分だけまた降り積もる。まるで雪に意思があるような「所得たりと」が言い得て妙。雪のために場所を空けてやっているわけではないのに。 【 正木 ゆう子 選 】
雪掻きをしてもしても、空いた分だけまた降り積もる。まるで雪に意思があるような「所得たりと」が言い得て妙。雪のために場所を空けてやっているわけではないのに。 【 正木 ゆう子 選 】
雪解けて村いっぱいの百寿かな 八王子市 徳永 松雄
「子供かな」ならば小林一茶の句。 大げさではあるが、パロディというだけでなく、現代を表しているだろう。わが家の母も101歳。 【 正木 ゆう子 選 】
「子供かな」ならば小林一茶の句。 大げさではあるが、パロディというだけでなく、現代を表しているだろう。わが家の母も101歳。 【 正木 ゆう子 選 】
罪深き思ひして踏む薄氷 習志野市 吉田 信雄
薄氷をまえにして、踏んでいいのかと思いつつ踏んでしまった。まことに繊細な「思ひ」である。作者が言いたかったのは、薄氷の淡いうつくしさ。【 宇多 喜代子 選 】
薄氷をまえにして、踏んでいいのかと思いつつ踏んでしまった。まことに繊細な「思ひ」である。作者が言いたかったのは、薄氷の淡いうつくしさ。【 宇多 喜代子 選 】
初午やわれも化けたる一人にて 東大和市 板坂 寿一
初午(はつうま)は稲荷神社の祭り。 農耕が始まったころ、鼠(ねずみ)を退治してくれる狐(きつね)は神とされたが、やがて人を化かすとして敬遠された。 俺も実は化けているのさ、と諧謔(かいぎゃく)の味わい。 【 矢島 渚男 選 】
初午(はつうま)は稲荷神社の祭り。 農耕が始まったころ、鼠(ねずみ)を退治してくれる狐(きつね)は神とされたが、やがて人を化かすとして敬遠された。 俺も実は化けているのさ、と諧謔(かいぎゃく)の味わい。 【 矢島 渚男 選 】