月夜茸生者が死者を語るとき 川崎市 堅助
生きている者は死者の思い出を語る。そうすると、どこかで月夜茸(つきよたけ)が育っていくというのだ。 暗いところでは青白く発光する月夜茸は、どこか死の雰囲気をまとっている。 【 小澤 實 選 】
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コップ酒 これでおしまい 床をとる ( 東京都 大久保 正 95歳 )
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ほかに、
床運動そっとするのにすぐにばれ ( 広島県 ガンボタレ 64歳 )
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ハイハイを覚えた頃の床のシミ ( 大阪府 人見 節子 57歳 )
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景気対策 読みちがえてます
麻生首相どの ― 国民 (埼玉・伊井 泰造)
08.11.24
「 常識 」 読めるが意味は知らない ― 麻生首相 (プラチナ)
08.11.21
失言首相 サジを投げた ― 医師 (バカ貝)
08.11,20
新編集 漢字を増やす ― まんが (和唐子)
08.11.18
「給付金」 辞退したい ― 市区町村 (千葉・やたべえ)
08.11.15
セレブの条件
給付金を辞退できる人 ― 新現代語辞典 (東京・常坊)
08.11,12
クリスマス解散 ケーキが優先します ― 麻生首相 (練馬大根)
08.11.11
朝青龍 窮状 ― 九州場所 (兵庫・ピー子)
08.11.09
商魂
静かな環境で曲作りに専念します ― 小室哲哉 (奈菜子)
08.11.08
論文で更迭・退職 自衛出来なかった ― 前空幕長 (閑人)
08.11.07
間に合った
イエス・ウィ・キャン ― 流行語大賞選考委員会 (なほぱぱ)
08.11.06
逮捕 リズムが狂った ― 小室プロデューサー (新潟・三葉)
新米やよそふと云う語美しき 横浜市 西村 正子
漢字で書けば、「装う」。ご飯を「つぐ」とも言うけれど、濁点が入らないぶん、「よそう」は確かに美しい。新米であれば、なおのこと。
【 正木ゆう子 選 】
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身勝手な放浪帰る場所を持ち ( 新潟県 おじ丸 60歳 )
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ほかに、
放浪の身となり治る気の病 ( 大阪府 考拙 56歳 )
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踊り子が 秋刀魚焼いてる 劇場(こや)の裏
( 三重県 浅野 健 77歳 )
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この時期、目に付いた秋刀魚の句
煙の中焼かるる秋刀魚俺を見る 角川 春樹
( 読売10.28夕刊 「魂の一行詩」より )
火だるまの秋刀魚容(かたち)を崩さざる 越谷市 小林 ゆきお
秋刀魚を焼いている。よく焼いていると、全身に火がまわった。
それでも形は崩れない。そろそろ火から降ろさねば。
「容を崩さざる」が踏み込んだ描写である。 【 小澤 實 選 】
種はみな花の隠れ家秋中ば 埼玉県 酒井 鶴子
「一生懸命育てた花達が次々と姿を隠す所は種の中でした」と添え書きがあるから、実感なのだ。花の姿でなく、命を見た感慨である。
【 正木 ゆう子 選 】
「なかば」を漢字で書くと「半ば」と書いてしまいそうですが、俳句の世界では「中ば」と書くものなのでしょうか? 今の私には、その違いが解りません。未来を感じさせる静かな力強さは、作者が女性だからなのでしょうか?美しい句だと思いました。
満月への絶大なる賛辞。「思う」は散文的な表現だが、声にして読み上げてみると、「と」に同化して小声になる。気にならないのだ。
【 宇多 喜代子 選 】
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肩車 操縦桿は パパの耳 ( 長野県 丸山宣久 73歳 )
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狭山市 相葉 博
三島は私より一年若い。作者もそれに近い年齢だろう。戦争で死んだ友も、そして三島も、死者は常に若いままだ。市ヶ谷台上での気負った死。今もそれを諾(うべな)うのではないが、身を責められる思いがある
【 岡野 宏彦 選 】