目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
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   マチュピチュの噂しきりや寒雀   東京都  松永 京子

或る選句欄で、雲雀(ひばり)がキチュウ・ピンチと鳴くという句をいただいたことがあるが、雀がマチュピチュとはこれまたユニーク。「噂」の一語で、地名が無理なく落ち着いた。                  【 正木 ゆう子 選 】



  掘り炬燵 祖父は戦争を語らない ( 滋賀県 久保 和友  52歳 )
        今のこの団欒を、噛み締めてらっしゃるんですね。 


今週の特選句は、 
  茶を飲んで さらに茶を飲む こたつかな 
                     ( 東京都 伊佐敷 直弘 60歳 )
      炬燵の句ですねー。ぬくぬくと、特選。

ほかに
  畏(かしこ)まる人にこたつの助け舟 ( 愛知県 早川 康昭 67歳 )
      さ、どうぞ。足伸ばして。

  そこそこのおいたしている掘炬燵 ( 三重県 菅井 豊幸 64歳 )
      あ、そこそこ、そこよ、っておいたかい?



   奥千本西行庵の寒の月    愛知県  山崎 隆吉

奈良県吉野山の最奥、金峯山神社のある辺りを奥千本といい、西行庵は神社のさらに奥の小さな台地にある。 文治年間(1185~90)、西行が俗塵(ぞくじん)を避けて、3年間ここで幽居していたという。 『山家集』に 「寂しさにたへたる人の又もあれな庵双(なら)べむ冬の山里」 とある。いま桜の木に囲まれた庵に、寒の月が煌々と射している。  【 森  澄雄 選 】

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   杜甫李白西行芭蕉秋千歳    船橋市  藤井 元基

誰もが知っている詩人四人の名を連ねただけで句が生まれたのも、この人たちの残した詩の強さが芯になっているからだろう。その偉大な名を下五で支えている「秋千歳」もまた強い。千年の秋、百年の秋を重ね来てなお朽ちない「秋千歳」である。さらに強いのは、同様の試みが一回性であるというところか。                            【 宇多 喜代子 選 】 

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   山眠り山彦ひとり起きてゐる   千葉市  加賀谷 朋子

あらゆる自然の中に精霊としての神を見る世界観は、そのまま俳句の世界観でもある。しかもこの句では、その山の神が厳(いか)めしく近寄りがたい存在ではなく、ひとりの孤独な人間のように描かれている親しさが嬉しい。山が眠っている間も、山の意識は起きている、という認識のしかたもまた美しく繊細である。                       【 正木 ゆう子 選 】

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   すろうりい歌会始すろうりい    東京都  吉竹  純

歌会始を外来語を繰返し用い描写しているのに驚いた。歌会始の本質的な魅力は「すろうりい」、ゆっくり進めるところに在るというのだ。繰り返し読んでいると、独特の披講(ひこう)まで聞こえてくるようである。俳句とは、かくも自由なものであると教えられた。 友人がこの句を口にしてくれる場に何度か居合わせた。幸せな句だ。                【 小澤  實 選 】


 奥千本西行庵の寒の月   
               愛知県  山崎 隆吉
奈良県吉野山の最奥、金峯山神社のある辺りを奥千本といい、西行庵は神社のさらに奥の小さな台地にある。文治年間(1185~90)西行が俗塵(ぞくじん)を避けて、3年間ここで幽居していたという。『山家集』に「寂しさにたへたる人の又もあれな庵双(なら)べむ冬の山里」とある。いま桜の木に囲まれた庵に、寒の月が煌々と射している。      【 森 澄雄 選 】


 杜甫李白西行芭蕉秋千歳   
               船橋市  藤井 元基
誰もが知っている詩人四人の名を連ねただけで句が生まれたのも、この人たちの残した詩の強さが芯になっているからだろう。その偉大な名を下五で支えている「秋千歳」もまた強い。千年の秋、百年の秋を重ね来てなお朽ちない「秋千歳」である。さらに強いのは、同様の試みが一回性であるというところか。                            【 宇多 喜代子 選 】
 

 山眠り山彦ひとり起きてゐる
               千葉市  加賀谷 朋子
あらゆる自然の中に精霊としての神を見る世界観は、そのまま俳句の世界観でもある。しかもこの句では、その山の神が厳(いか)めしく近寄りがたい存在ではなく、ひとりの孤独な人間のように描かれている親しさが嬉しい。山が眠っている間も、山の意識は起きている、という認識のしかたもまた美しく
繊細である。                       【 正木 ゆう子 選 】

 
 すろうりい歌会始すろうりい
               東京都  吉竹  純
歌会始を外来語を繰返し用い描写しているのに驚いた。歌会始の本質的な魅力は「すろうりい」、ゆっくり進めるところに在るというのだ。繰り返し読んでいると、独特の披講(ひこう)まで聞こえてくるようである。俳句とはかくも自由なものであると教えられた。友人がこの句を口にしてくれる場に何度か居合わせた。幸せな句だ。                   【 小澤  實 選 】
    


   手を上げて友来たりけり夢寒く   筑紫野市  和田 あきを

夢の中、友が親しく手を上げて近づいてきた。この友はすでに世を去っているのではないか。「寒く」という季語にそう思った。      【 小澤  實 選 】


   瓦礫掘る指痛からむ冷たからむ   半井(なかば い) 茉莉子

人はなぜ瓦礫(がれき)を掘っているのか。阪神淡路大震災の被災地では多くの人々が素手で瓦礫を掘った。その下に埋まっている親や子どもたちを求めて。あれから14年になるが、今もなお心の中で瓦礫を掘り続けている
                            【 四季 ・ 長谷川 櫂 】


09.01.28
ねじれの次は   平行線    ― 両院協議会    (長野・ばか貝)

09.01,27
景気回復    お先に!    ― 大相撲    (東京・ウォッチャー)

09.01.26
ソニー、リストラでスリム化  
              そっちだったか   ― 薄型テレビ   (プラチナ)

ソニー赤字2600億円 
       「再生」が課題です   ― ウォークマン   (神奈川・均)

09.01.25
満員御礼   横綱朝青龍どの   ― 相撲協会  (静岡・湯の町LG)

09.01.22
「我々は一つ」   言ってみたい   ― 自民党   (東京・酒もっと)

09.01.20
ハドソン川の奇跡  
        ウォール街の奇跡も・・・   ― 世界の目   (大ウソ)

09.01.17
発泡酒抜く  
    第4のビールが気掛かり  ― 第3のビール  (千葉・おそ松)

朝青龍   
    勝ってほしいし負けも見たい!   ― ファン心理   (不謹慎)

09.01.16
就職ランキング   乗り遅れた   ― 自動車メーカー   (下町人)


  時計など 気にもかけない 楽隠居  ( 北海道 しげさん 71歳 )
          いいですねェ・・・・・・俺絶対将来こうなろ。


今週の特選句は、 
  逢瀬の日スピード違反の時計針 ( 埼玉県 小林 和成 56歳 )
       くゥ・・・・・・何も言いますまい。切なく、特選。
ほかに
  Yシャツをやたらにまくるロレックス ( 石川県 岡本 邦夫 61歳 )
       わかったから仕事してくれ。
  
  心より時計が仕切るセレモニー   ( 大阪府 富田 美義 69歳 )
       だからってね、スピーチ20分は長すぎ。

  花時計うそ弁解は聞き飽きた  ( 神奈川県 富田 雅之 43歳 )
      うふ、これも待ち合わせの一コマ。


   
  周りみてやっぱり主人が世界一 ( 東京都 大中小百合 34歳 )
          ちょっとぶっ飛んだ。言えちゃうんだ。すげ~・・・・・・。
         屈託なくて素敵だ。特選!


  円周率「3」で漏斗が歪んでる   ( 富山県 佐藤 徹 71歳 )
      およそ3、って・・・・・・そんな円ねぇよ。ねぇ。

  気が付けば周りに人は妻一人  ( 広島県 山口 初治 76歳 )
      妻はいたのか。・・・・・・奇跡だ。

  まだあった家の周辺知らぬ道   ( 岐阜県 金子 秀重 57歳 )
      だから散歩道、たまに探さなくっちゃね。

  紅少し濃い目に差して一周忌   ( 新潟県 田中 望 70歳 )
      そうそう、生きてる者は前を見なきゃ。

  周りでは次の葬儀を決めている ( 茨城県 梅津 多嘉士 73歳 )
      生きてる者、前を見過ぎです。

  一周でコクれなかった観覧車   ( 埼玉県 堀口 弘一 80歳 )
      よし分かった、五周まで許す。

  周到な勝負下着に入れる詫び (神奈川県 安村 富士男 60歳 )
      勝負以前の問題だったんだねー。
        そりゃ、よ~っく謝んなきゃ。ねェ。


   雪を掻き開くわが道われが行くその生活を捨てず青森
                          青森市  滝野沢 弘

「わが」 「われ」 という強い表現に、決意と自負がにじむ。雪の道は、人生の道でもあろう。                        【俵 万智 選 】


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