目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
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   一人だけ老人のまま春の夢   泉南市  平川 よねお 

他はみな若いときの姿なのに、自分だけ現実のままなのだ。もしかしたら若くして死んだ人たちの夢か。過去に向かって使われた「まま」に、時間の不思議さが感じられる。                    【 正木 ゆう子 選 】



  御身拭くすぐったいぞ腋(わき)の下   岩手県 祝田 幸治

「御身拭」は京都の清涼寺で4月19日営まれる法会。釈迦像を白布で洗い清める。像とともにくすぐったがっているのが、楽しい。 【 小澤 實 選 】



 今週の特選句
   また会う日 決めて重なる 影法師 ( 東京都 信田 明 72歳 )
      そんな切ない顔しないで。ね?ホラ、特選。 


ほかに、 
  我が影に 妻座らせて 野の昼餉(げ) 
                       ( 石川県 岡本くにお 70歳 )
      これもいいなぁ。いいご夫婦ですね。
  
  
街に住み 影それぞれの 孤独感 ( 岐阜県 金子 秀重 57歳 )
      細く長く、どの孤独も夕暮れに伸びてます。

  若い日の遺影で最後のサバを読む  ( 東京都 西澤 栄  74歳 )
       イエイ、若いぜ、遺影ィ。 

  寄ると酒 遺影の親父 口惜しそう  ( 大阪府 奥 時雄  73歳 )
      じゃあせめて、仏壇の蝋燭、アルコールランプに変えましょか。

  





 今週の特選句
   ヘソの緒を絶ってこの世の人となる ( 宮城県 浜谷 一生  67歳 )
      小さな仲間よ、初めまして。誕生に、特選。 


ほかに、 
  また一台ブラウン管は引退し   ( 神奈川県 湘茅坊  71歳 )
      ・・・・・・長い間、本当にお疲れ様でした。
  
  気管支に入り飛び散る龍角散
   ( 愛知県 伊藤 弘子 64歳 )
      んーとですね、勢いで選んじゃいました。

  ごめんねとナース五度目の注射針 ( 大阪府 備瀬 知二  59歳 )
       血管ね、ちゃんと探してね血管。 

  心では労組にエール管理職     ( 大阪府 高久 芳樹 73歳 )
      く~・・・・・・辛い立場だなぁオイ・・・・・・。


  天にものみな雪となる夕べかな    市川市  杉森 日出夫
  
「天のもの」が大らか。つまりは「雲」ということなのだろうが、この言い方によって、光などの天上的な物まですべてを含んでいるように感じられる。
                              【 正木 ゆう子 選 】


 19の冬徴兵検査を受けにけりいま成人式を羨(とも)しみて見る
                         志布志市  小村 豊一郎

そう、徴兵官の軍人にどなられ、寒さに耐えて検査を受けた。中でも、性病の有無を調べるM検の屈辱感は誰しも胸に秘して、国の為という名目で耐えたのであった。                      【 岡野 弘彦 選 】


「マイカーの維持費でタクシー使えばいい」
     「スーパーの帰りに河原に寄れまい」  坂戸市  神田 真人

友人との会話をそのままに。買い物して帰りに川を見るのが楽しみなのだ。
合理的計算だけで人は生きない。           【 小池  光 選 】



 今週の特選句
  シャンプーでアトムになった昭和の子 (長野県 赤津 光治 50歳)
      憧れた鉄腕。手塚先生は永遠です。特選。 


ほかに、 
  廃線の鉄路を隠す深い雪     ( 東京都 小坂 たくし 71歳 )
      絵ですね・・・・・・しみじみと。

  千円になってもやめぬ鉄の意志  (神奈川県 高崎 雄作 70歳)
      由布子さん、本当にやってるでしょ。 

  突然のめまい誰かの五寸釘   ( 東京都 親父橋渡  67歳 )
      何本目?

  水鉄砲で倒れる祖父の演技力 ( 福岡県 谷口 嘉子  70歳 )
      来年のオスカー狙いますか!?
  
 


 物を忘れ添いくる心のさみしさは私がだんだん遠くなること  
                           河野(かわの) 君江
 
年をとって物忘れをする。それは自分が自分から遠ざかっていくようで寂しいというのだ。作者は歌人、河野裕子さんの亡き母上。この母の歌を詞書(ことばがき)にして娘の歌がある。「私がだんだん遠くなる」。淋しかったろらう、恐かったらう、四年前の母。             【 四季 ・ 長谷川 櫂 】


   菜の花の夕べふはりと眠くなる    加須市  松永 浮堂

春ののどかな夕べの感じられる句。暮れなずむ菜の花の黄。郷愁やるかたない景が眠りを誘う。春の平穏とはこんな時間か。 【 宇多 喜代子 選 】



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