目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
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 足袋脱いで四十九日が過ぎてゆく  ( 愛知県 伊藤 弘子  64歳 )
     次に履くのは一周忌でしょうか、ね。 


今週の特選句は、 
 この足に合う靴あれどガラス製    ( 東京都 渡辺 陽子  29歳 )
     怪我しないように、そっと踏むのよ。特選。

ほかに、  
 支持率の不足補う給付金
     ( 岐阜県 松山 知紀 78歳 )
     それとこれとは別だっての。
 
 千鳥足一人で会社背負っている     ( 新潟県 考拙  57歳 )
      そんな一人が、い~っぱいいるのよ。

 バツ一(いち)だ 前のを足すと金婚だ  ( 三重県 浅野 健 77歳 )
     足しなさんな。

あひゃ、わっ、あわわわわ・・・・・・。お~~、ビリビリビリ、わひゃひゃひゃひゃ・・・・・。 あっ、ダメ、さわんないで!ひ~・・・・・・足しびれちゃった・・・・・・。 情けないねもう。 15分の高座で足がしびれているようじゃ、しょうがないよ。30分40分かかる噺なんて、ざらにあるんだからね。    
                                【 喬太郎 談 】


  すれ違ふ妻のゐる幸(さち)麦を踏む   能代市 小田嶋 恭葉

今でも麦踏みをしている地方がある。この句は「すれ違ふ」と、麦踏みの状況を具体的にあらわしたのがよい。畝を横向きに踏んでゆくと向こうから来た妻とすれ違う。都会のすれ違いとは全く違う。     【 矢島 渚男 選 】


   行く末の後の行く末目刺焼く   愛知県 稲垣  長  

いま在るもののすべての前途にある行く末。目刺を焼きながら、「行く末」の更にその先のことを考える。 わが行く末か、子の行く末か。目刺から察して、それが天下国家ではなさそうだと察しがつく。   【 宇多 喜代子 選 】



きょう竜でいちばん体が長いかもすべってみたいなアルゼンチノサウルスの背
                            鹿島市  榎本 修也

作者10歳。「きょう竜」 と書くところがうれしくなる。恐竜の長い名前がいかにも背中まで長そう。気をつけて滑ろう。         【 小池  光 選 】



 今週の特選句
   過去の事知ってどうする今が旬   ( 広島県 田舎侍  66歳 )
      知られたっていいよ、いいけどさ・・・・・・今を見ようよ。
       ね? ホラ、現在と未来に、特選。 


ほかに、 
 知るもんか くさやのケムリの 行方など
                      ( 広島県 夢屋 吾作  68歳 )
      その割に禁煙禁煙てうるせえんだ、嫌んなっちまう。
  
 なまじっか知識があって出世せず
  ( 千葉県 小林 幸男 71歳 )
      そうなの? じゃあ俺も、物を知らないままでいいかな・・・・・・
       いや、そういう事っちゃないか。

 知っているような気もする問の三  ( 東京都 目黒 佑昌  19歳 )
       ハイこれ、投句者の年齢を見てみると、グッと味わいも深く
       なりますね。呑気だねもう。 

 知ってても耳を貸してる夕餉どき   ( 埼玉県 松浦 哲実 70歳 )
      偉いなぁ。いいご家庭ですね。


    もらはるる仔猫の声の遠ざかる     山田 潤子

小さいころに親のもとを離れるのはつらいもの。それは犬やネコも同じ。この句、もらわれてゆく子猫が母親が恋しくて鳴きつづけているのだ。 自分の身に何が起こっているかも知らずに。子猫をあげた人もその声がいつまでも聞こえる。                         【 四季 ・ 長谷川 櫂 】


   うちひしがれて三月の空を見る   泉佐野市  向井克之介

三月は入試・就職など悲喜こもごもの季節。打ちひしがれて天を仰ぐ、そんな人もたくさんいる。                    【 矢島 渚男 選 】


   しゃぼん玉ひとつ叶へばまた一つ   南栃市  安居 雅寿

しゃぼん玉のことを言っているようでありながら、一句の終わりでは、いつのまにか思いが人生全般の願いへと広がっている。「叶(かな)う」という言葉の働きである。                       【 正木 ゆう子 選 】


 イチローに満塁策をとらざりし韓国チームに侍を見る 
                        さいたま市  小野 剛志

イチローと真っ向勝負した相手方こそ侍だという歌。同感。敵をたたえることこそ武士道の精神。「我は称(たた)えつ、かの防備。彼は称えつ、わが武勇」という歌が昔あった。                    【 小池  光 選 】


 「どうしたの」「なんでもないよ気にするな悪いことなどしてないからな」 
                          東京都  民辻 善史郎

と、言った瞬間「悪いこと」に若干の覚えがある。そしてその心の動揺、また一瞬に見破られている。                 【 小池  光 選 】


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