目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
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   倖せはこんな匂ひよ目刺焼く   和歌山市  堀江 和子

目刺は今は年中出まわっているけれど春が旬である。朝食にそれを焼きながら、幸せはこんな匂いだと思う。懐かしい暮らしの匂い。 
                               【 矢島 渚男 選 】


  本家分家墓みな同じ雪被(かぶ)る   大分市  二階堂 紅雲

人より家が大事であった昔、本家と分家にはおのずからなる格差があった。墓に入った人たちの中には泣いた人もあったろう。そんな墓に雪が平等に降る。                           【 宇多 喜代子 選 】


 パチンコの最後の玉がなくなってさりげない顔できてから立つ
                           横浜市  中村 秀夫

パチンコ愛好家なら思わずうなずく場面。コンチクショウの表情をかき消して、悠然と席を立つべし。武士のたしなみとでもいうべき。何事にも作法がある。
                               【 小池  光 選 】


  たまにはな人間をやめポチになれ狼になれライオンになれ
                           奈良市  山口 洋一

                               【 小池  光 選 】


今週の特選句
   コンタクトレンズに代えてふり向かせ ( 静岡県 ぐい呑み 53歳 )
     颯爽と街を行け! 特選!


ほかに、
  メガネさえかけなきゃシワもシミもなし ( 千葉県 清水 方子 58歳 )
     こりゃ見事な現実逃避っぷりですなぁ。
 
 
 泣きそうな気がして今日はサングラス  ( 大阪府 おじ丸 61歳 )
     頬っぺたまで隠れる程大きなサングラスだ。  

  サングラスマスクの人に会釈され    (千葉県 ナメロー 70歳 )
     怪しい人は怪しい人が分かるんだね。

  お~いメガネ俺が呼んだらハ~イと言え
                     ( 兵庫県 山本 史郎 63歳 )
     その機能、全ての物についてるといいのに。


    涅槃図に一点紅し蛇の舌    国分寺市  越前 春生

釈迦の寂滅を描いた涅槃図には人間はもとより、たくさんの動物たちが参集している。そこに一点の紅。それはなんと蛇の舌だった。蛇までも仏の死を嘆いていたという驚き。                    【 矢島 渚男 選 】


  この騒ぐこころ鎮めむと出でくれば空かき暗し雪ふりしきる
                          稲城市  山口 佳紀

家庭で心の擾乱(じょうらん)することがあって出てはきたものの、外はさらに暗澹(あんたん)たる冬の荒天。雪の広野にゆきくれた旅人のように、よるべない心の鎮まりを何処に求めようか。          【 岡野 弘彦 選 】



  雨の日に栓止められる噴水はわかっていても淋しいのである
                          日進市  松尾 和男

雨の日に噴水を出すのは確かに無駄かもしれない。 だが雨は雨、噴水は噴水。止めてしまうのは合理的すぎて味気ないと思う。「淋しいのである」に共感を覚えた。                      【 栗木 京子 選 】


8.jpgエコ  見返り求める商売道具
            写真家   石川 直樹

世界中を旅して写真を撮っているうえに、風景を写した作品も多いからか、環境問題を絡めた取材を受ける機会も多くなった。しかし、何かを訴えるためにぼくは写真を撮っているわけではないし、エコがどうのと謳(うた)うイメージ優先で商業主義にまみれた都市のキャンペーンには疑念さえ抱いている。
 本来エコロジーとは生態学を背景とした思想や活動を表す言葉であって、耳に心地よいコピーとして、街に跋扈(ばっこ)する類のものではないだろう。消費経済のなかでエコという接頭辞が軽々しく使われ、それが絶対的な「善」としてまかりとおる現状を見ていると、いやはやというため息もでる。
 自然に近い暮らしを営む人々は、大地が傷つけば、自分たちが立ちゆかなくなることをわかっている。例えば、彼らが薬草や木の実などを森から得るとき、それらを根こそぎ採らないのは、自らが他の生き物と何かをわかちあいながら生きているということを強く認識しているからである。それは、見返りを求めない贈与の関係といってもいい。
野山に生きる人々は、結果的に自然と親和性のある生き方になったのであって、それが目的ではなかった。見返りを求めた「いいこと風」のキャンペーンは、上辺だけを取り繕った営業ツールのように見えてなんだかむなしい。エコを免罪符のように振りかざして邁進(まいしん)する企業は、それを唱えること自体に満足するかもしれないが、森の人は決して声高に叫ばない。エコという二文字を使用せずとも、出会った人や目の前の世界に今より少しだけ優しく接することができれば、日々はわずかに変化していくだろう。ぼくはそう信じてやまないのだ。            < 10.3.19 読売新聞 夕刊 >


今週の特選句
   孫の文ひらがななのにルビがある ( 広島県 北村 喜昭 62歳 )
     可愛(かわい)いじゃないですかぁ。よっし、特選(とくせん)!


ほかに、
  文才の自負あり家業継ぐ未練   ( 北海道 谷川 蒼魚77歳 )
     まだまだ、これからだって書ける書ける!
 
 
 新雪に「スキダ」と書いてチャック閉め ( 神奈川県 ザマ・ミロ 65歳 )
     閉めないとシモヤケになっちゃうからね。  

  三党が寄って文殊の知恵の熱 (神奈川県 吉野 健司 54歳 )
     熱さまし熱さまし、あ、野党にも必要?

  アスファルト スクールゾーンが消されてた
                    ( 岡山県 石破 洋二 40歳 )
     なーんか、寂しいと思った・・・・・・。


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