目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
わが書架に悪書潜ます花曇 東京都 草部 宏
人前で読むのもはばかれる悪書に深く慰められることもある。花曇という季語が、内面のほのぐらさとよく映り合っているのだ。 【 小澤 實 選 】
人前で読むのもはばかれる悪書に深く慰められることもある。花曇という季語が、内面のほのぐらさとよく映り合っているのだ。 【 小澤 實 選 】
涅槃図の赤鬼の泣きじやくりけり
東京都 寺沢あつこ 【 小澤 實 選 】
東京都 寺沢あつこ 【 小澤 實 選 】
万が一の私のための九千と九百九十九の私
東京都 加藤あんぷ 【 小池 光 選 】
東京都 加藤あんぷ 【 小池 光 選 】
今週の特選句
引き出しの奥へ時々逢いに行く （ 愛知県 松山 眞 ６６歳 ）
そこ、タイムマシンなんですね。ん、特選。
引き出しの奥へ時々逢いに行く （ 愛知県 松山 眞 ６６歳 ）
そこ、タイムマシンなんですね。ん、特選。ほかに、
不器用に生きてさらりと幕を引く （ 秋田県 京野 幸子 ７５歳 ）
俺は幕引きも不器用だろうなぁ・・・・・・。
強引が嬉しい時と辛い時 （ 京都府 志賀 うらら ？歳 ）
男も女も、ね。
結局はフリマに並ぶ引出物 （ 北海道 清野 最也 ７７歳 ）
引出物のリサイクルショップってないかな。
天引きの額に近づく基本給 （ 神奈川県 落合嘉彦 ６３歳 ）
そのくせ残業手当はやすいんだよね・・・・・・。
不器用に生きてさらりと幕を引く （ 秋田県 京野 幸子 ７５歳 ）
俺は幕引きも不器用だろうなぁ・・・・・・。 強引が嬉しい時と辛い時 （ 京都府 志賀 うらら ？歳 ）
男も女も、ね。結局はフリマに並ぶ引出物 （ 北海道 清野 最也 ７７歳 ）
引出物のリサイクルショップってないかな。天引きの額に近づく基本給 （ 神奈川県 落合嘉彦 ６３歳 ）
そのくせ残業手当はやすいんだよね・・・・・・。
子規走る打つ捕る投げる桜舞う 町田市 中野 里梢
正岡子規の野球好きは有名。打者・走者などの用語を訳したのも彼だとか。一句に動詞が五つ。こんな破天荒を子規ならば喜びそう。
【 正木ゆう子 選 】
正岡子規の野球好きは有名。打者・走者などの用語を訳したのも彼だとか。一句に動詞が五つ。こんな破天荒を子規ならば喜びそう。
【 正木ゆう子 選 】
全員の髪黒々と新社員 東京都 岩崎 美範
新社員の男女すべての髪が黒々としている。ただ、一人として髪を染めているものはいない。黒髪にあらざるものは入社を許されぬのか。ちょっとこわい景でもある。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
百人の新入社員黒スーツ さいたま市 藤井 健治
こちらは百人の新入社員全員が、例外なく黒スーツを着ている。厳しい就職戦線の勝者なのだが、どことなく重苦しさを覚えるのだ。
【 共に、小澤 實 選 】
新社員の男女すべての髪が黒々としている。ただ、一人として髪を染めているものはいない。黒髪にあらざるものは入社を許されぬのか。ちょっとこわい景でもある。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
百人の新入社員黒スーツ さいたま市 藤井 健治
こちらは百人の新入社員全員が、例外なく黒スーツを着ている。厳しい就職戦線の勝者なのだが、どことなく重苦しさを覚えるのだ。
【 共に、小澤 實 選 】
今週の特選句
江戸っ子でぃ そして貧乏籤ばかり （福島県 内海 将行 ６８歳 ）
男はつらいよ。 てやんでぇ、特選でぃ！
江戸っ子でぃ そして貧乏籤ばかり （福島県 内海 将行 ６８歳 ）
男はつらいよ。 てやんでぇ、特選でぃ！ほかに、
火事喧嘩他人事ならば江戸の華 （ 新潟県 鶴巻 弘 ７０歳 ）
当人はそんな事言ってらんねぇってんだい。
モンゴルで江戸の仇の言い放題 （ 滋賀県 三國 征男 ７１歳 ）
仇なんているのかね、強かったのに。
江戸っ子じゃ無いが宵越す銭は無い
（ 神奈川県 キタノ・プーキチ ５１歳 ）
その勢いでデフレもなんとかしてくんねぇ。
三社様みな江戸っ子にしてしまう
（愛知県 白壁の理不尽大王 ５２歳 ）
そら威勢のいい御利益だ。
火事喧嘩他人事ならば江戸の華 （ 新潟県 鶴巻 弘 ７０歳 ）
当人はそんな事言ってらんねぇってんだい。 モンゴルで江戸の仇の言い放題 （ 滋賀県 三國 征男 ７１歳 ）
仇なんているのかね、強かったのに。江戸っ子じゃ無いが宵越す銭は無い
（ 神奈川県 キタノ・プーキチ ５１歳 ）
その勢いでデフレもなんとかしてくんねぇ。三社様みな江戸っ子にしてしまう
（愛知県 白壁の理不尽大王 ５２歳 ）
そら威勢のいい御利益だ。
女の部屋で一夜を過ごした男が、
ベッドの枕元に置いてある写真に気づいた。
「この男の人、お父さん？」
「違うわ」
「お兄さん？」
「違うの」
「分かった、元カレだろ」
「違うわよ」
「じゃあ誰だよ？」
「目の前にいるじゃない。ア・タ・シよ、手術前の」
「・・・・・・」
【 ’１０．０４．２９ 週刊新潮 】
ベッドの枕元に置いてある写真に気づいた。
「この男の人、お父さん？」
「違うわ」
「お兄さん？」
「違うの」
「分かった、元カレだろ」
「違うわよ」
「じゃあ誰だよ？」
「目の前にいるじゃない。ア・タ・シよ、手術前の」
「・・・・・・」
【 ’１０．０４．２９ 週刊新潮 】
風車ほがらほがらとよく廻る 土浦市 田宮 よし
なんと楽しい句だろう。「ほがらほがら」を味わうだけで、風車が春の季語として歳時記に採用されていることに納得がゆく。 【 宇多 喜代子 選 】
なんと楽しい句だろう。「ほがらほがら」を味わうだけで、風車が春の季語として歳時記に採用されていることに納得がゆく。 【 宇多 喜代子 選 】
水面を見れば小石を投げたがる男は平和を好まぬらしい
鹿児島市 地原 陽子
男って、どうしてこういう場面で、こういうことをするんだろう。下の句には異議もあるかもしれないが、男女の不思議な違いをとらえた歌として、面白い。
【俵 万智 選 】
【 参照 】
（ ０９．０２．１０ 正木 ゆう子 選 ）
石投げて何呼び戻す冬の海 愛西市 坂元 二男
そういえば男は水を見ると石を投げたがる。あれは何かを呼び戻して
いたのか。春や夏や秋でなく冬の海であるところがいい。
（ １０．０６．０３ 週刊文春・川柳 ）
理科系のロマン川原の石ひとつ （ 北海道 結城 静 ６３歳 ）
あ、それちょっと文系入ってる。
鹿児島市 地原 陽子
男って、どうしてこういう場面で、こういうことをするんだろう。下の句には異議もあるかもしれないが、男女の不思議な違いをとらえた歌として、面白い。
【俵 万智 選 】
【 参照 】
（ ０９．０２．１０ 正木 ゆう子 選 ）
石投げて何呼び戻す冬の海 愛西市 坂元 二男
そういえば男は水を見ると石を投げたがる。あれは何かを呼び戻して
いたのか。春や夏や秋でなく冬の海であるところがいい。
（ １０．０６．０３ 週刊文春・川柳 ）
理科系のロマン川原の石ひとつ （ 北海道 結城 静 ６３歳 ）
あ、それちょっと文系入ってる。 
