目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
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  恋瀬川を常磐線で跨いだら臆することなく恋せよ河辺
                       水戸市  河辺 新太郎

恋瀬川(恋をせよという川)に来た、その名も河辺さん。実在の川と自分の名前が、うまく掛けて構成されている。「跨いだら」も、決意をうながす感じがよく出ている。                         【 俵 万智 選 】



今週の特選句
   胸よりは鎖骨に惚れた良き昭和
                  ( 神奈川県 キタノ・プーキチ 51歳 ) 
   
  そんな気がする。鎖骨鎖骨。特選ね。


ほかに、
  未練なく切れる鎖がよい鎖    ( 奈良県 久米 朋尚 75歳 )
     そんな上質の鎖がなかなか無くてね・・・・・・。

  学級閉鎖期待しているマスク顔 ( 東京都 長島ター坊 68歳 )
     宿題山ほど出しますからねー。
   
  新駅にぽつんと居酒屋チェーン店  ( 東京都 アルパカ 51歳 )
     あら、お客もぽつんと一人だけ。

  それでいて鎖国は嫌な北のくに  ( 千葉県 澤田まさと 77歳 )
     何考えてんだか、ねぇ。


子どもが警察に駆け込んできた。

「たいへんです、パパが殴られたり、蹴られたりして血を出しています」

警察官が表へ出ると、2人の男が取っ組み合いの喧嘩をしていた。

「今止めてやるからな。
 でも、その前に教えてくれ。どっちが君のパパなんだい?」

「それが分からないんで喧嘩になったんです」
                        【 ’11.02.03 週刊新潮 】


女学校時代夢見たピアノ弾けて感激  
                 佐賀市  福岡 妙子 ( 無職 82歳 )

昨年9月からピアノ教室に通っています。
女学校時代に習いたかったのですが、戦時中で余裕がありませんでした。
年をとりましたが、夢をあきらめることができませんでした。

ピアノの鍵盤に触れるのは初めて。
最初は指が思うように動かず、歯がゆく感じました。
手首と指に力を入れて鍵盤をたたかないと、大きな音が出ないのです。

それでも小学生になったつもりで月2回のレッスンを受け、
自宅のキーボードで練習を繰り返すうち、少しづつ慣れました。
「家路」の曲を弾けるようになった時は感激しました。
今ではピアノが生きがいです。 もっと上手になり、
いつか子どもや孫たちに演奏を披露したいと思っています。
                   【 ’11.01.25 読売新聞 ・ 気流 】


   白鳥のつばさ威嚇も抱擁も    広島市  藤域  元

白鳥は他の鳥に比べて格別に翼の表情が豊かな気がするのは何故だろう。抱擁という言葉がふさわしく思われるのも、白鳥ならでは。【正木ゆう子 選】


   牡蠣割れば命うごめく小蟹かな    横浜市  田崎  稔  

生牡蠣を割ったら、その中に隠れ棲んでいる小さな蟹が見つかった。生き物たちはみんなそれぞれに工夫を凝らして生きることに懸命なのだ。その小さな命も奪いながら人間は生きている。           【 矢島 渚男 選 】 


   禁煙す義士討入りの日を以って    京都市  木村 甲鳥

幾度目かの決心なのだろう。意志強固であった義士たちにあやかっての決意の表明。上五の意気込みと、下五の流れるような軽さが、まじめな滑稽をただよわせる。                     【 宇多 喜代子 選 】



今週の特選句
   泣きに来い遊びに来いと港の灯 ( 大阪府 富田 保子 67歳 ) 
   
  じゃ、行って来ますね、港。あ、特選ね。


ほかに、
  港が見えるただそれだけの安ホテル ( 北海道 しげさん 73歳 )
     いいじゃん、安けりゃ。

  あちこちの港でオレを待ち焦がれ ( 神奈川県 本郷 宏 74歳 )
     ほうぼうに借金があるんだねぇ。
   
  軍港でカレーライスを食う平和   ( 青森県 濱山 哲也 49歳 )
     この平和がずっと続きますように。

  寄る辺なきサイダー瓶の浮き沈み  ( 長野県 熊倉 栄 60歳 )
     港だねェ。切ないねぇ。


中年男が閉店時間を過ぎたバーから追い出された。
たまたま居合わせた若い男も一緒に店を追い出された。
2人ともべろべろに酔っぱらってすっかり意気投合。
中年男が若い男を自分の家にひきずりこむ成り行きとなった。

「おう、入れ。ここがオレんちだ」

「おひゃましゃあす!」

「どうだ!いい台所だろう。
 ここでオレの女房が毎日メシを作ってくれんだ。
 見かけによらず、あいつの料理はうまいんだぞ」

「へえ」

「それからここがオレのガキの部屋だ。ぐっすり寝てるだろ」

「はあ、可愛い顔してますね」

「で、こっちがオレと女房の寝室だ。
 ダブルベッドがあって、向こう側が女房、で、こっち側がオレだ。
 ほら見ろ、オレが寝てるだろ」
                        【 ’11.01.20 週刊新潮 】



  前をゆくひとりが遠し雪催 (ゆきもよひ)  小樽市  前田 満夫

前を行くひとりと自分とのあいだは さほど遠くはないのだが、それを遠くに感じさせるのは、雪の来そうなどんよりした天候。原句の「雪催ひ」は「雪催」に。
                              【 宇多 喜代子 選 】



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