目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
[214]  [215]  [216]  [217]  [218]  [219]  [220]  [221]  [222]  [223]  [224
   父に似て父より無口天の川   武蔵野市  藤巻 治郎

父も子も無口。思わず、いい父子だったのだなあと思わせる。二人でいても「ああ、そうだね」程度のやりとりしかない。そんな父への思いを 「天の川」に託した句。                        【 宇多 喜代子 選 】


   腰しずめ阿波の男の踊かな   堺 市  竹崎 正良

阿波踊りのスナップ。「腰しずめ」の把握が的確。見ているだけでも腰が痛くなりそうなのに、なんと強靭(きょうじん)なのだろう。   【 矢島 渚男 選 】


   波を待つサーファー砂に座禅めく   吉川市  石井 カズオ

よい波を待って砂浜に静かに座っているサーファーたち。まるで、座禅をしているみたいに我慢強い。飛躍した比喩がおもしろい。  【 矢島 渚男 選 】


  俯せて死にたる蝉と腹見せて死にたる蝉の覚悟のちがひ
                          東京都  杉中 元敏

ひっくり返って死んでる蝉とそうでない蝉と両方あるが、そこに「覚悟の違い」を見出したのが独創的。どっちが覚悟深いか敢て言わないところがうまい。
                                【 小池  光 選 】


今週の特選句
   名月に昇格させる薄(ススキ)の穂   ( 東京都 亀歩 50歳 )  
     あぁ、団子美味いねぇ団子・・・・・・特選。



ほかに、
  何粒か雀に残し穂を拾う     ( 滋賀県 寺田 智次 59歳 )
     雀にやらず、オイラにおくれよ。

  枯れてなお夢見つづけるススキの穂 ( 宮城県 佐藤  傑 65歳 ) 
     人生の味わいはこれからでさぁ。
   


   美しく傾く地球水の秋   川崎市  沼田 広美

新秋の水のしずけさに地球の傾きを感じた。目には見えないその傾きに、強烈な季節が去り、静かな秋が来たことが感じられる。 【 宇多 喜代子 選 】


   今年又今年又8月15日   名古屋市  富山 貴政

一年に一度めぐりくる「8月15日」。 今年は66回目の「今年又」である。身をもってあの日を体験したものに、あの日は年々近くなる。瞑目の思いを抱かせる句だ。                     【 宇多 喜代子 選 】


   CCと鳴きDと啼き蝉飛散   岡山市  国定 義明

何かの声なり音をアルファベットで表す先行句はあるかもしれないがCやDはいかにも蝉らしい。下五を飛散と収めたのも鮮やか。  【 正木 ゆう子 選 】



   流燈の追ひ越す何か囁きて   八王子市  斉賀  勇

盆の精霊を載せた流燈(りゅうとう)が、別の流燈を追い越して、流れ下っていく。その時、何か囁く声が聞こえたというのだ。流燈に乗っている死者の、別の死者にかける声である。               【 小澤  實 選 】


  掃き出しても掃き出しても砂海の家   下田市  森本 幸平

字余りの句は実は取りたくない。しかし、この句の字余りには、海の家に行った際、足の裏に触れる砂の違和感そのものを感じたのだ。【 小澤 實 選 】


カレンダー
01 2025/02 03
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28
ブログ内検索
最新コメント
[12/31 越中之助]
[12/31 越中之助]
[12/10 ?]
[10/30 読売読者]
[09/06 榎丸 文弘]
最新トラックバック
バーコード
フリーエリア
ゲイ無料総合サイト
カウンター