目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
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  自転車の少年が坂上がりゆく浮かしし尻を左右に振りて
                   横浜市  岡部 重喜

こういう自転車の漕ぎ方は若者の特権である。 だんだんサドルからお尻が上がらなくなるものだし、まして左右に振れない。 たちまち追い抜かされて感慨にふける。                       【 小池  光 選 】


今週の特選句
   妻に髭生えて我家にある平和  ( 岩手県 餘目 忠吉 75歳 )  
     うん、そりゃそうだ全くだ。 特選。



ほかに、
  剃り残し情事の指に撫でられる ( 神奈川県 池末 亮輔 73歳 )
     えー、髭の句ですからね、髭の句。

  人混みの早く捜せる髭と禿げ    ( 秋田県 磯のかおり 65歳 ) 
     ヒドいことを言うなぁ。選んじゃったけど。
   
  髭少し伸びて少年たくましい    ( 富山県 谷口  弘 78歳 )
     わっ、大きくなった。

   
  真夜中に寿司だ起きろと父の髭 ( 神奈川県 谷川 岳 70歳 )
     わ、昔のニッポンのお父さんだ。

  髭剃り中アッと言いやがった散髪屋 ( 大阪府 上田 誠 54歳 ) 
     いえ、あのお客さん、空耳です、空耳。

   < ’08.11.20 お題 「床」 >
  床屋さん「あっ」とか決して言わないで  (長野県 赤津 光治 50歳)

     強烈な作品だったので覚えていました。ちょっと、似ていますね。


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 ■
募集お題 「 襟 」
  ■「お題」にそった川柳を、はがき1枚につき1句から5句まで。
  ■住所・氏名(ペンネームの場合も必ず本名を)・年令・電話番号・
    お題を明記してください。
  ■締め切りは11月30日(消印有効)です。
    なお応募作品は返却いたしません。
    また、同じ句を他誌に投稿する二重投稿は厳禁です。
    特選句には賞金を差し上げます。
  ■ご記入いただきました個人情報は、
    本欄への掲載と賞金発送にためにのみ使用いたします。
  ■宛先 〒102-8008
    千代田区紀尾井町3-23 週刊文春「川柳のらりくらり」係




  冬桜つまらなさうに咲きゐたる   小原 啄葉(おばら たくよう)

鎌倉の東慶寺の庭に一本の冬桜がある。さびしげな白い花が寒風の空にまばらにひらく。咲いてみたものの、ほかの花や木の芽があるわけではなく、鳥たちも恋の歌をさえずらない。「なーんだ、つまんない」という少女のようだというのだ。                    【 四季 ・ 長谷川  櫂 選 】


   夜のペットショップは少し月に浮く   日野市  菊池 由美

人口の光に包まれた爬虫類(はちゅうるい)や熱帯魚の水槽からの発想だろうか。あるいは売買される生き物への情が作らせた句かもしれない。都会の片隅の景と月光だけの静かな世界。           【 正木 ゆう子 選 】



   人と生まれ猫と生まれて夜の長し   天理市  松田 吉憲

飼い主とペットではあるが、たまたま人であり猫であるにすぎないという気もする。寄り添って秋の夜長をすごす幸福。         【 正木 ゆう子 選 】



  津軽野の訛(なまり)なつかし千空忌   さいたま市  佐々木 力

この欄の選者であった成田千空さんは青森県五所川原市に住んだ温厚重厚な津軽人だった。「寒夕焼けに焼き亡ぼさん癌の身は」が壮絶な絶唱。忌日は11月17日である。                【 矢島 渚男 選 】

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【 参 照 】
   われ死なば癌も死ぬべし鰯雲(いわしぐも)  並木 赤平
        
この句も切実だ。私も胃癌で胃の腑の4分の3を切除した。「鰯雲」の季語が明るく、上五中七の「暗」を一転させた見事な一行詩。
           【 角川
 春樹 選  魂の一行詩 ( 07.07.31 ) 】


  函館の青柳町に憧れし十五の頃の懐かしきかな
                         佐世保市  金谷 美保子

啄木の「函館の青柳町こそかなしけれ / 友の恋歌 / 矢車の花」への返し歌。一首の歌に引かれて、遠い函館・青柳町を夢見た青春の思い出。 韻律に無理のない歌。                   【 小池  光 選 】  


最後に書き添えられている「韻律に無理のない歌」の一言は、選者の最近の傾向に対する自戒の言葉なのでしょうか? 

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  万が一の私のための九千と九百九十九の私   
       東京都  加藤
あんぷ  【 ’10.5.3 小池  光 選 】


余談ですが、ここでは「九千と」の「と」を省いたほうがよかったのでは・・・と 思いました。


  空からは新しき雪ばかりかな   大迫 弘昭 (おおさこ ひろあき)

空から降る雪も地上に積もっている雪も雪は雪。多くの人がそう思って雪を眺めている。だからこそというべきか、この句をよむとはっとする。このささやかな驚きをもたらすのが言葉の力であり、その驚きは世界と私たちを親密にする 
                          【 四季 ・ 長谷川  櫂 選 】


今週の特選句
   切手はるやっと別れの一歩かな    ( 山口県 島娘 69歳 )  
     その前向きな行動に、特選!



ほかに、
  願書出す切手にゴエン上乗せし ( 神奈川県 高田 正夫 ?歳 )
     切実なんだか余裕があるんだか。

  習慣で郵便局でも切手舐め   ( 青森県 阿久津 凍河 73歳 ) 
     みっともな・・・・・・あ、みんなやってらぁ。
   
  返信の手紙を待って40年     ( 秋田県 磯のかおり 65歳 )
     あなたはハチ公ですか。

  
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 ■
募集お題 「 蔵 」
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  ■締め切りは11月23日(消印有効)です。
    なお応募作品は返却いたしません。
    また、同じ句を他誌に投稿する二重投稿は厳禁です。
    特選句には賞金を差し上げます。
  ■ご記入いただきました個人情報は、
    本欄への掲載と賞金発送にためにのみ使用いたします。
  ■宛先 〒102-8008
    千代田区紀尾井町3-23 週刊文春「川柳のらりくらり」係




男が銀婚式を迎えた熟年夫婦の家に招待された。

「さあ、ぼくのステキな子ネコちゃん、食前酒を出しておくれ」

夫人がシャンパンを持ってきた。

「さあ、ぼくの子ヤギちゃん、食事にしよう」

食事が運ばれてきた。

「さあ、ぼくの小鳥ちゃん、デザートにしよう」

ケーキが運ばれてきた。

夫人が台所に戻った隙に、囁いた。

「たいしたもんだ。この歳になってもまだラブラブじゃないか」

「いや、家内の名前を忘れたんだ」
                        【 ’11.11.24 週刊新潮 】



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