目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
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今週の特選句
   この人について行こうかみかんむく   ( 大阪府 宗太郎 62歳 )  
     ゆっくり皮むいてじっくり考えて・・・・・・特選。



ほかに、
  薔薇檸檬蜜柑が書ける役立たず  ( 滋賀県 寺田 智次 59歳 )
     憂鬱も書けるようになりました。

  団欒は炬燵みかんに親父の屁   ( 大阪府 笹川 恭子 67歳 ) 
     そりゃ相当の団欒だわ。


                <年末なので みんな忙しいんだね、きっと・・・。



   渡り行く雁には富士が見えている   昭島市  杉山 笛吹

雁(かり)を見上げる人には、富士山は見えない。 高空を飛ぶ雁には
富士が見えていよう、と想像しているのだ。富士を目標に飛んできたのか。
                               【 小澤   實 選 】


   牡丹焚く闇のころあひ見てゐたり   八戸市  ちば 夜汽車

11月の第3土曜日、福島県須賀川市の牡丹園では、枯れた牡丹の 
古木を供養のために焚く。日没後、闇を待っての幻想的な催しである。

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
   
   牡丹焚熾(おき)に妖精生まれけり   千葉市  平山 たはち

牡丹焚火の炎は、初めは激しく、やがて熾にちらとらと小さな炎が立ち躍る。青に緑に紫に、まるで花の精が甦ったかのように。  
                           【 ともに、正木 ゆう子 選 】



   荒縄の左結びや冬囲ひ   北秋田市  飯坂 信夫

冬の厳しい風雪から屋敷や植木をまもるために、莚(むしろ)や菰(こも)で囲いを作る。太く綯(な)った縄で強く左結びに結ぶ。雪国ならではの句だ。
                              【 宇多 喜代子 選 】



  恩師あてに「生きよと告げし先生がうかぶ」と書きし特攻の遺書
                          水戸市  桐原 孝夫

太平洋戦争が始まって満70年。空に海に特別攻撃隊として散った同年齢の人々の面影を偲んで、戦の日の生死の分れはほんの紙一重の差だったと沁(し)みて思う。                      【 岡野 弘彦 選 】


  男ならたとえ猫でも立派にと夫(つま)の名付けし「正宗」十五
                           仙台市  土生 博子

猫に正宗と命名する発想に感じ入る。名は人をあらわし、また猫をあらわすか。 いつしかマサムネ君も15歳。 伊達政宗晩年の境地に入って、日がな寝てばかり。                         【 小池  光 選 】

「男なら・・・」、もしかして、セクシャルハラストメント?


今週の特選句
   帰ってと閉めた扉が泣きじゃくる  ( 北海道 山口 昭悦 75歳 )  
     もう開かないんだねこの扉、せめて・・・・・・特選。



ほかに、
  後ろ手で扉を閉める未亡人     ( 北海道 柏葉  誠 61歳 )
     ぬふふふ、艶っぽいねェ。

  午前様開けた門扉がよくきしむ   ( 北海道 新田 直子 47歳 ) 
     いつでもドア、ってのがあったらいいね。
   
  今思う別の扉があったはず     ( 宮城県 佐藤  傑 66歳 )
     しゃあねぇ、今の道をお行きなさいな。

   
  いくつもの未来の扉持つ息子    ( 埼玉県 下田 尚子 43歳 )
     片ッ端から開けて進めッ!




   星形の星きっとある冬銀河   さいたま市  藤井  恵

五つの突起をもつ星の形。太古の昔この形を創ったのはどこの民俗か。
今は世界中の子供がこの星を描くだろう。実際にはそんな星は見えない。
しかし、きっとあるに違いないと作者は思う。冬の銀河の下で。
                               【 矢島 渚男 選 】


   空飛びし行者の山に紅葉狩   弘前市  竹内 政行

空を飛んだという行者は、修験道の開祖とされる役 小角(えんの おづの)。その伝説が残る山へ紅葉狩りに行ったという。 深山幽谷にちがいない。
                               【 矢島 渚男 選 】


   冬構男結びと徒(あだ)結び   池田市  沢田 美知子

きっちり結んで解けない男結び、しっかり結ばない徒(あだ)結び。言葉に艶があるのも面白く、「結ぶ」文化の奥深さを思う。    【 正木 ゆう子 選 】



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