目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
薔薇に触れ少年あたり窺えり 横浜市 我妻 幸男
美しく咲いたバラに触れながら、少年があたりの様子を窺っている。垣根だろうか。見知らぬ家の花を折るには勇気がいる。花がバラだけに暗示するものが豊かだ。 【 矢島 渚男 選 】
美しく咲いたバラに触れながら、少年があたりの様子を窺っている。垣根だろうか。見知らぬ家の花を折るには勇気がいる。花がバラだけに暗示するものが豊かだ。 【 矢島 渚男 選 】
奥蝦夷の山懐の余花明り 稚内市 藤林 正則
余花は遅咲きの夏の桜。北海道の桜は遅く、高地の花はさらに遅れるだろう。その山中の桜を「奥蝦夷の山懐の」と重厚に詠っている。
【 矢島 渚男 選 】
余花は遅咲きの夏の桜。北海道の桜は遅く、高地の花はさらに遅れるだろう。その山中の桜を「奥蝦夷の山懐の」と重厚に詠っている。
【 矢島 渚男 選 】
孑孒(ぼうふら)を食べる仕事の金魚かな 大和市 杉浦 正章
池か手水(ちょうず)鉢か。金魚がボウフラを食べるように飼われているという愉快な句。ところで「孑孒」という漢字、象形性にすぐれて味わいがある。
【 矢島 渚男 選 】
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初めてボウフラという漢字に接し、感動しています。
【難解語辞典】によれば
(形動 タリ) ①孤立するさま ②一人ぬきんでたさま ③小さいさま。
(名)ボウフラ。
池か手水(ちょうず)鉢か。金魚がボウフラを食べるように飼われているという愉快な句。ところで「孑孒」という漢字、象形性にすぐれて味わいがある。
【 矢島 渚男 選 】
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初めてボウフラという漢字に接し、感動しています。
【難解語辞典】によれば
(形動 タリ) ①孤立するさま ②一人ぬきんでたさま ③小さいさま。
(名)ボウフラ。
今週の特選句
ビードロを山田五十鈴が吹いており ( 島根県 石見んちゅ 51歳 )
僕はこの句を今週、特選にします。 特選!!
ビードロを山田五十鈴が吹いており ( 島根県 石見んちゅ 51歳 )
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ほかに、
丁度ならガラスの靴は脱げぬはず ( 岡山県 石破 洋二 42歳 )
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ガラスの靴縁なき足で大地踏む ( 福井県 清水 せき子 67歳 )
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車窓には幸(さち)うすそうな俺の顔 ( 三重県 浅野 健 80歳 )
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緑陰を出てわが影の新しき 神栖市 篠崎 照子
暑さを凌(しの)ぐために「緑陰」に入った。しばらくして出た。先ほどとは別人のように気分を新たにして。 【 宇多 喜代子 選 】
暑さを凌(しの)ぐために「緑陰」に入った。しばらくして出た。先ほどとは別人のように気分を新たにして。 【 宇多 喜代子 選 】
針の穴通る菫の種なりし 東京都 松永 恭子
小さな種は他にもあるだろうが、わざわざ蒔くものでもないために、あまり見ることもない菫(すみれ)の種を詠んだ句は初見。「針の穴」によって、小ささが具体的に伝わる。 【 正木 ゆう子 選 】
小さな種は他にもあるだろうが、わざわざ蒔くものでもないために、あまり見ることもない菫(すみれ)の種を詠んだ句は初見。「針の穴」によって、小ささが具体的に伝わる。 【 正木 ゆう子 選 】
背面跳びして夏空へ胸開く 上尾市 中野 博夫
走り高とびの競技を行っている。バーを背中で越えると、胸はおのずから開いたかたちになるのだ。 夏空が気持いい。 人間の鍛え抜いた肉体をたしかに描きえている。 【 小澤 實 選 】
走り高とびの競技を行っている。バーを背中で越えると、胸はおのずから開いたかたちになるのだ。 夏空が気持いい。 人間の鍛え抜いた肉体をたしかに描きえている。 【 小澤 實 選 】
手作りのちまき届きてふるさとに育ちし笹の香りをひらく
池田市 今西 幹子
何歳になっても、自分を子どもとして見守ってくれる故郷。そんな安心感にも似た喜びが伝わってくる。結句の「ひらく」がいい。 【 俵 万智 選 】
池田市 今西 幹子
何歳になっても、自分を子どもとして見守ってくれる故郷。そんな安心感にも似た喜びが伝わってくる。結句の「ひらく」がいい。 【 俵 万智 選 】
今週の特選句
優しいが鰻の骨のささる男 ( 愛知県 丹下 純 43歳 )
肉食だか草食だかわかんねえけど、特選。
優しいが鰻の骨のささる男 ( 愛知県 丹下 純 43歳 )
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ほかに、
英霊にされ骨箱に石一つ ( 大阪府 國米 純忠 84歳 )
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骨肉の争い見たい貧乏人 ( 長野県 赤津 光治 53歳 )
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反骨という厄介な武器を持ち ( 大阪府 志山 克風 43歳 )
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家々に青空のある端午かな 所沢市 岡部 泉
青空と端午は一見平凡な取り合わせだが、よく読むと上五がユニーク。
一軒一軒の家の誇らしさが伝わって、いかにも端午の節句らしい。
【 正木 ゆう子 選 】
青空と端午は一見平凡な取り合わせだが、よく読むと上五がユニーク。
一軒一軒の家の誇らしさが伝わって、いかにも端午の節句らしい。
【 正木 ゆう子 選 】