目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
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   蟇転ぶ月の光の強すぎて   東京都  山内 健治

蟇(ひき)が転ぶ場面は、実際にも句としても見たことがない。虚構だとしても面白い句である。月光が強すぎるからだとする断定も個性的。
                               【 正木 ゆう子 選 】

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 意外かもしれませんが、私は、この句が好きです。


    蟇まばたきしたり楸邨忌   武蔵野市  藤巻 治郎

加藤楸邨に < 蟇(ひきがえる)誰かものいへ声かぎり > がある。
この蟇を呼び出したのか。たまたま目蓋を上下させた蟇がいたのか。虚にも実にも読める句。楸邨忌は7月3日。        【 宇多 喜代子 選 】



   天瓜粉母にゆばりを飛ばしけり   岡山市  浜  悦造

汗疹予防のために、子の全身に天瓜粉(てんかふん)を打っている。その最中、子がおしっこを母へ飛ばした。母は驚きつつも子の健康を喜んでいる。
                               【 小澤  實 選 】



  星のごとく七夕の夜にまみええむか亡き夫の星またたきたまえ
                        四街道市  出浦 章子

奈良 ・ 平安の時代には星の歌をはじめ天体を歌ったものが多い。 最近は 科学の進歩により、宇宙全体が身近になった。 この一首、91歳の作者の みずみずしい叙情。                    【 岡野 弘彦 選 】



  流れきし星を蔵しているごとく桔梗のつぼみ色づきて来ぬ
                        東京都  小菅 暢子

「星」は、桔梗(ききょう)の形状からの楽しい連想だろうか。が、それだけでない生命の神秘を感じさせるところが魅力だ。      【 俵  万智 選 】



  原爆の怒りをすらや、みづからのあやまちの如く言ふに おどろく
                     岡野 弘彦 ( おかの ひろひこ )

広島の原爆慰霊碑には「過ちは繰(くり)返しませぬから」と刻んである。この主語は誰か。原爆を投下したのはアメリカ人だが、その責任も日本人が負っているように読める。この曖昧さが日米外交の原点にある。日本人の優しさか腑甲斐(ふがい)なさか。   【 '12.8.6 四季 ・ 長谷川  櫂 選 】                

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作者は明らかに「おどろいている」。 ここで問題を提起した筆者が、それ (日本人の曖昧さ)が「優しさ」なのか「腑甲斐なさ」なのか、自身の考えを明確に示さないのは不親切です。


今週の特選句
   歌謡曲流行らず男が育たない  ( 福岡県 永沼  浩 73歳 )  
     そこはJ-POPじゃなくてね・・・・・・。特選。

ほかに、
  とばされる2番が好きなファン気質  ( 兵庫県 たむ平 65歳 )
     あ、これ分かる! すっごい分かる!

  りんごなど食えなかったが歌ってた ( 新潟県 田中 望 74歳 )
     時代時代に想い出がありますね。

  自転車と相性のよい歌謡曲   ( 神奈川県 木村 義彦 76歳 )
     ですねー。何故かチャリには歌謡曲だねー


  女(ひと)の年探りを入れる歌謡曲  ( 埼玉県 鉄砲弥八 61歳 )
     こまどり?  島倉?  ピーナッツ!?



  八十すぎてわれは苦しむ。生肌絶ち人を殺しき。若き二十に
                     岡野 弘彦 ( おかの ひろひこ )

ショッキングな歌である。 「生肌(きはだ)断ち」という古語が生々しい。
従軍中の事実というより、戦後の日本人全体の悔恨の思いではないか。
民族の記憶や想念を歌人はわがこととして詠む。
                   【 '12.8.1 四季 ・ 長谷川  櫂 選 】


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本当に、「戦後の日本人全体の悔恨の思い」なのでしょうか?


12.08.28
裸の大様   「裸の王子」です   ― イギリス   (つと無)

12.08.26
春夏連覇  大阪は手強(ごわ)いぞ  ― 既成政党 (長野・のん気)


12.08.25
新シャトル外交   行ったり来たり   ― 親書   (愛知・笑庵)

12.08.23
直下に断層   現代版怪談   ― 四ッ谷   (和辛子)


12.08.19
甲子園の昆虫採集  
  バッタバッタ   ― 桐光学園・松井   (東京・プラチナ)


12.08.18
「厳正対処」   逃がすことです   ― どじょう   (ちくりん)

12.08.16
急募   現役国会議員!   ― 大阪維新の会   (不謹慎) 


12.08.14
五輪閉幕  「解散」は近いうちに  ― 選手団  (埼玉・すみだ川)


12.08.13
22奪三振 甲子園新記録
  右肩が痛くなった!    ― 球審    (栃木・たにし踊り)


12.08.12
シンクロデュエット
  近いうちに始めたい   ― 野田谷垣ペア   (ハナミズキ)

12.08.10
マイルドセブン メビウスに 
  チェーンスモークに拍車が・・・   ― 愛煙家   (不謹慎)

12.08.09
果報   起きて待つ   ― オリンピック   (東京・和辛子)


12.08.04
無気力試合   真似(まね)したナ   ― 大相撲
             バドミントンどの       (つと無)


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8月のUSO放送月間賞は、群馬県、無職 中沢 庄八郎さん(69) の
「 根も葉もない 」 に決まりました。 賞金1万円と記念楯を贈ります。
                         ( ’12.09.05 朝刊 )

  根も葉もない   花もない   ― 解散時期  

           野田首相殿        ( 群馬・笑八 )
 


  庭隅に殺しし蛇の執(しふ)ねくもわれをうかがふ気配残れり
                        稲城市  山口 佳紀

今週は推敲を考える三首。いま一息せまるものがほしい。たとえば
 「庭隅に殺したる蛇執ねくもわれをうかがふ気配うごけり」。
二句切れと結句で引き締める。

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  海鳥の鳴くを聞きつつモルヒネの効かぬ体に瞬時まどろむ
                      佐世保市 金谷 美穂子

海近い病院での療養生活。気になるのは下の句「体に瞬時」の部分。
助詞「は」か、、「も」か。「体もしばしまどろむ」がよい。

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  しとしとと雨降る夜になにものか我が身食いたるものみな生きる
                       東京都  鈴木 ひろみ

毎週、数多く投稿してこられるが推敲が足りない。殊に下の句が粗略。
 「しとしとと雨降る夜にしのびよりわが血を吸いて去るものは何」。
推敲は必ず声に出してする。

   ――――――――――――――――― 【 岡野 弘彦 選 】



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