目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
今週の特選句
見向きなどされぬ烏という私 ( 北海道 田中 夏子 63歳 )
見向いてますよ。その証拠に、ホラ、特選。
見向きなどされぬ烏という私 ( 北海道 田中 夏子 63歳 )

ほかに、
足跡も烏の頃が花だった ( 大阪府 茶木良隆 63歳 )

検診日今日は何だか烏舞う ( 岐阜県 纐纈 具幸 59歳 )

ヒトの知恵盗んで烏俯瞰する ( 福岡県 阿部 龍 60歳 )

烏語も聞いているうち理解でき ( 広島県 まるばぁ 46歳 )

夢の中佳境に水さす明けガラス ( 東京都 尾花 伊勢雄 76歳 )

あの時の三羽烏の一羽です ( 奈良県 伊藤 敏彦 71歳 )

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
■募集お題 「 はさみ 」
■「お題」にそった川柳を、はがき1枚につき1句から5句まで。
■住所・氏名(ペンネームの場合も必ず本名を)・年令・電話番号・
お題を明記してください。
■締め切りは9月26日(消印有効)です。
なお応募作品は返却いたしません。
また、同じ句を他誌に投稿する二重投稿は厳禁です。
特選句には賞金を差し上げます。
■ご記入いただきました個人情報は、
本欄への掲載と賞金発送にためにのみ使用いたします。
■宛先 〒102-8008
千代田区紀尾井町3-23 週刊文春「川柳のらりくらり」係
源五郎堅き拳を脱け出せり 埼玉県 酒井 忠正
少年時代に採集した源五郎のたくましさを、この句を詠んで思い出した。握り拳をほどいて逃げ出すような力があった。滅びないで。 【 小澤 實 選 】
少年時代に採集した源五郎のたくましさを、この句を詠んで思い出した。握り拳をほどいて逃げ出すような力があった。滅びないで。 【 小澤 實 選 】
不意に湧く涙手強き雲の峰 鎌倉市 中江 優子
心はいつもガードを固めている。悲しくなんかない。だから泣いたりはしないと。ところが涙は勝手に出るのである。ふわっと、正直に。「手強(てごわ)き」がいい。実感の言葉だ。 【 正木 ゆう子 選 】
心はいつもガードを固めている。悲しくなんかない。だから泣いたりはしないと。ところが涙は勝手に出るのである。ふわっと、正直に。「手強(てごわ)き」がいい。実感の言葉だ。 【 正木 ゆう子 選 】
灼けている十円玉を拾いけり 千葉市 小林 昭
炎天下に落ちている十円玉を拾ったら、手をひっこめるような熱さである。太陽の熱を全体に溜め込んでいたのである。硬貨を、驚くべき「もの」として捉えている。
【 小澤 實 選 】
炎天下に落ちている十円玉を拾ったら、手をひっこめるような熱さである。太陽の熱を全体に溜め込んでいたのである。硬貨を、驚くべき「もの」として捉えている。
【 小澤 實 選 】
星もみな一瞬落ちる花火かな 坂田市 佐藤 豊光
中天に開いては落ちる花火の光とともに、周りの星も落ちるという一瞬の錯覚。独特の感覚だが、この句によって それが見える。 【 正木 ゆう子 選 】
中天に開いては落ちる花火の光とともに、周りの星も落ちるという一瞬の錯覚。独特の感覚だが、この句によって それが見える。 【 正木 ゆう子 選 】
流燈は手つなぐごとく浦上川原爆死せる魂かへる
佐世保市 伊東 賢太郎
長崎の原爆による死者への鎮魂のための流燈会。互いに手を繋ぎ合うように、またたく光が寄りあって川を流れる。光の一つひとつが、息づく魂である。
【 岡野 弘彦 選 】
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
先々週の 「流燈の待ち合せゐる淀みかな (中崎 正紀)」 と似た視点?
佐世保市 伊東 賢太郎
長崎の原爆による死者への鎮魂のための流燈会。互いに手を繋ぎ合うように、またたく光が寄りあって川を流れる。光の一つひとつが、息づく魂である。
【 岡野 弘彦 選 】
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
先々週の 「流燈の待ち合せゐる淀みかな (中崎 正紀)」 と似た視点?
もしヒトに尻尾がついていたならばズボンに入れる?それとも垂らす
横浜市 中村 秀夫
尻尾にもいろいろあるが、ライオンや虎のように立派な尻尾ならば、ズボンにしまい込んだりしないで、やはり外に垂らすのではあるまいか、と愚考した。
【 小池 光 選 】
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
愚考ですか? 「尻尾」を「ペニス」に替えれば・・・、笑えますよね、小池さん。
この作品、最後にも 「?」 が必要なのでは?
横浜市 中村 秀夫
尻尾にもいろいろあるが、ライオンや虎のように立派な尻尾ならば、ズボンにしまい込んだりしないで、やはり外に垂らすのではあるまいか、と愚考した。
【 小池 光 選 】
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
愚考ですか? 「尻尾」を「ペニス」に替えれば・・・、笑えますよね、小池さん。
この作品、最後にも 「?」 が必要なのでは?
今週の特選句
くっつかずいやがりもせず古磁石 ( 埼玉県 春日部のヤベ 80歳 )
こうなると磁石も味わいがでますな。特選。
くっつかずいやがりもせず古磁石 ( 埼玉県 春日部のヤベ 80歳 )

ほかに、
鉄くぎを集めて5円アイス買う ( 東京都 鈍牛 63歳 )

鉄分が足りぬ女でまだひとり ( 福岡県 平山 なな子 60歳 )

もう磁石いらない老のぶらり旅 ( 北海道 田中 良積 67歳 )

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
■募集お題 「 ミステリー 」
■「お題」にそった川柳を、はがき1枚につき1句から5句まで。
■住所・氏名(ペンネームの場合も必ず本名を)・年令・電話番号・
お題を明記してください。
■締め切りは9月19日(消印有効)です。
なお応募作品は返却いたしません。
また、同じ句を他誌に投稿する二重投稿は厳禁です。
特選句には賞金を差し上げます。
■ご記入いただきました個人情報は、
本欄への掲載と賞金発送にためにのみ使用いたします。
■宛先 〒102-8008
千代田区紀尾井町3-23 週刊文春「川柳のらりくらり」係
太刀魚の泳げるさまに串打てる 名古屋市 可知 豊親
鮎(あゆ)や鰺(あじ)を泳ぐかたちに串を打つという句は、すでにたくさん見ている。それを長く大きな太刀魚で行っていることに驚かされた。まさにみごとな焼き上がりであろう。 【 小澤 實 選 】
鮎(あゆ)や鰺(あじ)を泳ぐかたちに串を打つという句は、すでにたくさん見ている。それを長く大きな太刀魚で行っていることに驚かされた。まさにみごとな焼き上がりであろう。 【 小澤 實 選 】
鉄壁の空理空論蝉時雨 いわき市 佐川 義成
完璧に組みたてられた論理だが中身は空っぽ。人の世は空理空論に流されていることが多い。宗教や、ことに政治の世界などは。被災地の作者であることを思うと激しい憤 (いきどお) りがあるのかも知れぬ。 「鉄壁」の語に、歯ぎしりする思いが感じられる。 【 矢島 渚男 選 】
完璧に組みたてられた論理だが中身は空っぽ。人の世は空理空論に流されていることが多い。宗教や、ことに政治の世界などは。被災地の作者であることを思うと激しい憤 (いきどお) りがあるのかも知れぬ。 「鉄壁」の語に、歯ぎしりする思いが感じられる。 【 矢島 渚男 選 】