目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
雪中に追憶の河横たはる 文挟 夫佐恵 (ふばさみ ふさえ)
降りしきる雪の中、大きな河(かわ)が流れている。ここに描かれているのは現実の景色でありながら、そればかりではない。追憶という河が流れているというのだ。 たゆたい、せせらぎながら流れる人間の記憶、 あるいは人類の記憶という大河。 【 '12.12.31 四季 ・ 長谷川 櫂 選 】
降りしきる雪の中、大きな河(かわ)が流れている。ここに描かれているのは現実の景色でありながら、そればかりではない。追憶という河が流れているというのだ。 たゆたい、せせらぎながら流れる人間の記憶、 あるいは人類の記憶という大河。 【 '12.12.31 四季 ・ 長谷川 櫂 選 】
冬至風呂ゆらぐ命を温めけり 可児市 羽貝 昌夫
ゆらぐ命とは、体調が万全でないことだろうか。揺らいでも、命は今しっかりと完璧な命。わが命をしみじみと抱きしめるような句だ。 【 正木 ゆう子 選 】
ゆらぐ命とは、体調が万全でないことだろうか。揺らいでも、命は今しっかりと完璧な命。わが命をしみじみと抱きしめるような句だ。 【 正木 ゆう子 選 】
久しぶり大きな声で母が笑う歯のなき口をまん丸くあけ
佐世保市 近藤 福代
ちょっと無雑作なほど自然に、母の爛漫(らんまん)たる笑顔をとらえて一気に歌っている。 読む者は誰しも、 この無心の笑いに引きこまれてゆくようで楽しくなる。 【 岡野 弘彦 選 】
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平成25年1月16日に行われる 「歌会始の儀」 で 「召人(めしうど)」 に選ばれた由、おめでとうございます。
佐世保市 近藤 福代
ちょっと無雑作なほど自然に、母の爛漫(らんまん)たる笑顔をとらえて一気に歌っている。 読む者は誰しも、 この無心の笑いに引きこまれてゆくようで楽しくなる。 【 岡野 弘彦 選 】
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平成25年1月16日に行われる 「歌会始の儀」 で 「召人(めしうど)」 に選ばれた由、おめでとうございます。
雑炊を憎み戦後の終らざる 一宮市 太田 康直
戦中戦後の食糧難時代、主食だった雑炊を今も憎んでいるという。いまは雑炊を楽しそうに、旨そうに詠う人などもいるのだが。 【 矢島 渚男 選 】
戦中戦後の食糧難時代、主食だった雑炊を今も憎んでいるという。いまは雑炊を楽しそうに、旨そうに詠う人などもいるのだが。 【 矢島 渚男 選 】
冬薔薇(そうび)医者にやさしくされてをり 国分寺市 下山 桃子
医者にやさしくされるなんていいなぁと思うのだが、ややくすぐったいような感じでもある。 【 宇多 喜代子 選 】
医者にやさしくされるなんていいなぁと思うのだが、ややくすぐったいような感じでもある。 【 宇多 喜代子 選 】
今週の特選句
ボーナスに女房二十歳の声となり ( 北海道 佐藤 清弘 78歳 )
あら一瞬の年の差婚。 じゃボーナスで特選。
ボーナスに女房二十歳の声となり ( 北海道 佐藤 清弘 78歳 )
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ほかに、
悪いコトしたかボーナスこんな出て ( 埼玉県 柴山 弘 72歳 )
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ボーナスを見越して壊れる家電品 ( 北海道 新田 直子 48歳 )
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ボーナスも社宅もあって妻もいた ( 東京都 森岡 麻子 72歳 )
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父、母が初ボーナスを神棚に ( 埼玉県 本橋 学而 48歳 )
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■募集お題 「 ジャケット 」
■「お題」にそった川柳を、はがき1枚につき1句から5句まで。
■住所・氏名(ペンネームの場合も必ず本名を)・年令・電話番号・
お題を明記してください。
■締め切りは12月26日(消印有効)です。
なお応募作品は返却いたしません。
また、同じ句を他誌に投稿する二重投稿は厳禁です。
特選句には賞金を差し上げます。
■ご記入いただきました個人情報は、
本欄への掲載と賞金発送にためにのみ使用いたします。
■宛先 〒102-8008
千代田区紀尾井町3-23 週刊文春「川柳のらりくらり」係
柿日和柿を朝日が丸くする 千葉市 小林 昭
たしかに日に映える柿は美しい。その柿をこのように丸くするのは「朝日」だというところにも納得。柿のある平凡な晩秋の風景だが、讃えているのは「日」。 【 宇多 喜代子 選 】
たしかに日に映える柿は美しい。その柿をこのように丸くするのは「朝日」だというところにも納得。柿のある平凡な晩秋の風景だが、讃えているのは「日」。 【 宇多 喜代子 選 】
新巻を買ふ面がまへ見比べて 久喜市 深沢 ふさ江
新巻鮭の「面がまへ」、確かに優しい顔よりも荒々しい顔をしたものの方が、味わいが深いような気がする。省略の妙を楽しむ。 【 小澤 實 選 】
新巻鮭の「面がまへ」、確かに優しい顔よりも荒々しい顔をしたものの方が、味わいが深いような気がする。省略の妙を楽しむ。 【 小澤 實 選 】
毒茸蹴られる傘をひらきけり 水戸市 中崎 正紀
干せば旨く食べられるものもあるが、たいていは蹴られてしまう哀れな毒茸(きのこ)がおずおず傘を開いた。 【 矢島 渚男 選 】
干せば旨く食べられるものもあるが、たいていは蹴られてしまう哀れな毒茸(きのこ)がおずおず傘を開いた。 【 矢島 渚男 選 】
不揃ひの不作なれども藷(いも)日和 大分市 加藤 元二
「不」 の文字が二つも重なっているにもかかわらず、いや 重なっているから こそ、晴れ晴れと気持ちの良い句。 言葉の不思議である。
【 正木 ゆう子 選 】
「不」 の文字が二つも重なっているにもかかわらず、いや 重なっているから こそ、晴れ晴れと気持ちの良い句。 言葉の不思議である。
【 正木 ゆう子 選 】