目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
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 サルトルを手ばなすために曝(さら)しけり   岬 雪夫 ( みさき ゆきお )   

フランスの哲学者サルトルの本はある時期、日本の学生たちの聖典だった。団塊世代の人々が若者だったころといえば、すでに半世紀以上も昔の話である。作者は戦前の生まれだが、やはり青春の形見として今まで手放せなかったのだろう。         【 '13.07.13 四季 ・ 長谷川  櫂 選 】


今週の特選句
  娘の友が来る日は釣りへ追い出され ( 大阪府 笹川 恭子 67歳 )  
      釣れても釣れなくても帰らないでね。 特選。



ほかに、
  レジの子が手を触れぬよう釣り寄越す ( 静岡県  小川 良博  48歳 )
     そこまでは汚くないのにね。


  この人に釣られた理由がわからない  ( 静岡県 石川 柳寿 58歳 )
     ただ、魔が差したのよ。 それだけよ。


  吾が輩は釣ったさかなに養われ    ( 沖縄県 大城 正雄 74歳 )
     いい魚釣ったじゃないスか。


  取り敢えず居場所が欲しく糸垂れる ( 滋賀県 石尾 節子 61歳 )
     その定位置が、安らぎの場所ですか。


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  ■
募集お題 「 コンタクト 」
  ■「お題」にそった川柳を、はがき1枚につき1句から5句まで。
  ■住所・氏名(ペンネームの場合も必ず本名を)・年令・電話番号・
    お題を明記してください。
  ■締め切りは7月17日(消印有効)です。
    なお応募作品は返却いたしません。
    また、同じ句を他誌に投稿する二重投稿は厳禁です。
    特選句には賞金を差し上げます。
  ■ご記入いただきました個人情報は、
    本欄への掲載と賞金発送にためにのみ使用いたします。
  ■宛先 〒102-8008
    千代田区紀尾井町3-23 週刊文春「川柳のらりくらり」係




  蟾蜍(ひきがえる)己の中にうづくまる   秋田市  中村 栄一

どっしりと構えて動かないヒキガエル。それはまるで自分の中に―思いの中にうずくまっているようだ。大正時代の村上鬼城などの作風を思わせる。  
                                【 矢島 渚男 選 】


   今日友は神官として海開き   出雲市  藤江  尭

海開きの句は風景句であることが多いが、この句は人事的に詠んであって珍しい。ふだん気が置けない友も、神事となれば別人の貫禄。それを少し眩しく見ている作者である。               【 正木 ゆう子 選 】


   会ふたびに会釈する母梅雨に入る   東京都  山内 健治

わが子にいちいち会釈をする母。これをどう読みとるか。丁寧な母上だと思うか。 わが子が旧知の誰か、有縁の誰かに見える。 切なさの中に不思議な救済のひそむ句である。                【 宇多 喜代子 選 】


  「人類よ植物にむかひおじぎせよ」牧野博士の言葉身に沁む
                         鹿嶋市  加津 牟根夫 

この歌で初めてこの言を知ったが、奥行きのある言葉だ。さすがは植物学の大家の洞察。歌はただ簡潔に述べて、この味わいのある至言を邪魔しないところがいい。                        【 小池  光 選 】


今週の特選句
  飛車よりも桂馬が好きで12歳      ( 東京都 龍母 42歳 )  
      先が楽しみだか違うんだか・・・・・・ま、 特選。

ほかに、
  将棋に碁勝っても淋しい恋敵  ( 東京都 萩原 英司 74歳 )
     勝利って、時に虚しいものですね。

  成金になれぬあいだに捨て駒に ( 岐阜県 纐纈 具幸 60歳 )
     人の世とは、そうしたものですなぁ。

  そのスジにゃその高飛車が堪らない ( 大阪府 加茂川イタチ 55歳 )
     なんのフェチだいそりゃ。


  独楽回す技を磨いた将棋盤    ( 東京都 安達 秀幸 61歳 )
     あぁそうですか。


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  ■
募集お題 「 枝豆 」
  ■「お題」にそった川柳を、はがき1枚につき1句から5句まで。
  ■住所・氏名(ペンネームの場合も必ず本名を)・年令・電話番号・
    お題を明記してください。
  ■締め切りは7月10日(消印有効)です。
    なお応募作品は返却いたしません。
    また、同じ句を他誌に投稿する二重投稿は厳禁です。
    特選句には賞金を差し上げます。
  ■ご記入いただきました個人情報は、
    本欄への掲載と賞金発送にためにのみ使用いたします。
  ■宛先 〒102-8008
    千代田区紀尾井町3-23 週刊文春「川柳のらりくらり」係


  十薬を厠の神へ飾りけり   越谷市  小林 ゆきお

かつての厠には神がいた。どんな神なのかと問われても答えられる人は少ない。いると信じている作者は白い十薬(ドクダミ)の花を供える。
                              【 宇多 喜代子 選 】


  逃げきつて振り向いてゐる蜥蜴かな   泉佐野市  岡本 炎弥子

トカゲは目ざとく、逃げるのが素早い。ある距離まで逃げて、どうだいという風に振り返っている。逃げることで生き残った小さな恐竜の仲間への親愛感が感じられる。                          【 矢島 渚男 選 】


   裸の子何度着せてもすぐ裸   潮来市  大野 信也

暑いのである。活発な子なのである。普通裸といってもパンツぐらいは履いているが、この子の場合、全くのスッポンポンだろう。    【 小澤  實 選 】


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