目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
[149]  [150]  [151]  [152]  [153]  [154]  [155]  [156]  [157]  [158]  [159
  人はみな海より生れしという証 波と渦とを指に刻めり
                        池田市  今西 幹子

遠い太古の記憶を、人はその体に刻んでいたのだ・・・・・・指紋のことを、こんなロマンチックに詠めるのかと感銘を受けた。               【 俵  万智 選 】


今週の特選句

  いかスミの付いた入歯を笑い合う   ( 静岡県 奥宮 恒代 70歳 )  
     いいなぁ、こういうご夫婦。  特選です!


ほかに、
  手料理より塩辛好きなのは内緒   ( 東京都 佐々木 冬彦 66歳 )
     バレてる。塩辛の減りだけ やけに早い。


  昼めしは一人を選び烏賊フライ     ( 茨城県 伊藤 靖則 52歳 )
     いっときのんびり、烏賊もうまいねぇ。 

  イカリング5つ並べておもてなし     ( 愛知県 長谷川 めぐみ 40歳 )
     東京イカリンピック開催!

  
  

  烏賊の皮スルッと剝けて婆の笑み    ( 兵庫県 林田 あつ子 71歳 )
     これだけは婆ちゃんにはかなわない。


    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   ■
募集お題 「 ロボット 」
   ■ 「お題」にそった川柳を、はがき1枚につき1句から5句まで。
   ■ 住所・氏名(ペンネームの場合も必ず本名を)・年令・電話番号・
      お題を明記してください。
   ■ 締め切りは10月23日(消印有効)です。
      なお応募作品は返却いたしません。
      また、同じ句を他誌に投稿する二重投稿は厳禁です。
      特選句には賞金を差し上げます。
   ■ ご記入いただきました個人情報は、
      本欄への掲載と賞金発送にためにのみ使用いたします。
   ■ 宛先 〒102-8008
      千代田区紀尾井町3-23 週刊文春「川柳のらりくらり」係


   栗飯と決めて献立動きだす   淡路市  稲谷 有記

一つの食材から献立を発想することはよくある。食いしん坊には楽しみの多い秋。動き出すとは、献立も手順も手も足も動き出すのだ。    【 正木 ゆう子 選 】


   学術名コロラビス・サイラ秋刀魚焼く   京都市  峰尾 秀之

秋刀魚(さんま)に学名があって少しもおかしくないが、それにしてもこの立派な名前は意外。やはり秋刀魚は秋刀魚のままが美味しそう。     【 正木 ゆう子 選 】


   鮭と吾ふるさとの川同じうす   川口市  渡辺 しゅういち

 鮭が遡上する川を故郷にもっているということである。 鮭と吾とが同じ重さなのが  いい。作者は川遊びや釣りなどで、そうとうこの川と親しんできたのではないか。
                                    【 小澤  實 選 】


   芒挿す一升瓶の青みかな   牛久市  中村 栄子

芒を摘んできて、一升瓶に生けてみた。なかなか豪快である。すると、瓶のガラスの青みに気付いたというのだ。 あらためて気付く美。         【 小澤  實 選 】


   神様がいるってことかな この声も爪も僕には作れないから
                        横浜市  水野 真由美

声と爪の主を 「僕自身」 ととることもできるが、「僕の恋人」 と受け止めて読むと、いっそう素晴らしい。相手が存在してくれることへの限りない感謝と感動の歌。
                                    【 俵  万智 選 】


   鈴虫を飼ひて死に行くことも見る   古谷 秀雄

鈴虫を飼うのは、りーんりーんと鳴く声を楽しむ風流心であるけれど、いずれ鈴虫は死ぬ。死ねば土に埋めるか草叢にすててしまい、鈴虫を飼って、この世の無常を知ることになる。風流の裏にひそむ傲慢をぴしゃりと撃つ吟だが、鈴虫を飼う人間もいずれは死ぬ、という諦観がある。鈴虫は自分でもある。三和銀行台北支店に勤務したときに俳句をはじめた古谷はクールに怖い句を詠んだ。
                        句集「詩魂」(昭和53年・永田書房)
       【 ’13.10.17 週刊新潮・新々句歌歳時記 嵐山 光三郎 選 】


今週の特選句

  魚煮る母は何度も手元見せ       ( 滋賀県 山本  望 32歳 )  
     じっくり、きちんと教わってね。   特選。


ほかに、
  宿題を尋ねに来なくなった孫       ( 大阪府 奥  時雄 77歳 )
     でも、そろそろ答えられないレベルだから。


  夜の街まだ払う気の授業料       ( 岐阜県 金子 秀重 62歳 )
     払っても払っても身にならねえじゃねえか。 

  晩学でやっと覚えた酸い甘い       ( 茨城県 瀬川  移 67歳 )
     学ぶのに時間がかかりますもんねぇ。

  
  勉強に飽きて子が吹くハーモニカ       ( 東京都 三毛猫 51歳 )
     なんだろう、昭和の匂いがする句ですね。


    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   ■
募集お題 「 文庫 」
   ■ 「お題」にそった川柳を、はがき1枚につき1句から5句まで。
   ■ 住所・氏名(ペンネームの場合も必ず本名を)・年令・電話番号・
      お題を明記してください。
   ■ 締め切りは10月16日(消印有効)です。
      なお応募作品は返却いたしません。
      また、同じ句を他誌に投稿する二重投稿は厳禁です。
      特選句には賞金を差し上げます。
   ■ ご記入いただきました個人情報は、
      本欄への掲載と賞金発送にためにのみ使用いたします。
   ■ 宛先 〒102-8008
      千代田区紀尾井町3-23 週刊文春「川柳のらりくらり」係


   秋風に紙飛行機を乗せにけり   千葉市  中村 重雄

紙飛行機を飛ばしたのではない。秋風の流れの上に紙飛行機を乗せたのだ。
秋風の流れの量感を、紙飛行機の飛翔によって感じ取らせているのが、みごとだと思った。                                【 小澤  實 選 】


カレンダー
01 2025/02 03
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28
ブログ内検索
最新コメント
[12/31 越中之助]
[12/31 越中之助]
[12/10 ?]
[10/30 読売読者]
[09/06 榎丸 文弘]
最新トラックバック
バーコード
フリーエリア
ゲイ無料総合サイト
カウンター