目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
[147]  [148]  [149]  [150]  [151]  [152]  [153]  [154]  [155]  [156]  [157
   すこしづつ人のかたちに毛糸編む   齋藤 朝比古 ( さいとう あさひこ )

洋服も着物も、人の着るものは人の形をしている。この句を読んで、あらためてこの単純な事実に気づいた。 それとともに人の形が愛(いと)おしく思えた。 句の中で編み物をしている人も、人の形を愛おしみながら一目一目編んでいるのだろうか。 
                     【 '13.11.13 四季 ・ 長谷川  櫂 選 】


    追いつけず抜かれもせずに秋の暮   釧路市  籠嶋 雪子

中七までだと、たとえば駅までの道かしら、帰路かしらなどと思うが、「秋の暮」で一転、人生観のようなものが感じられてくる。          【 宇多 喜代子 選 】


   友の子も吾子も頼もし運動会   京都市  島野 紀子

なんともほほえましい気分にさせられた句。どちらが早く走ったとか飛んだとかの勝ち負け以前の子の成長を喜んでいる。こういう時期を通ってこそ、子の個別の差異は磨かれるのだろう。                        【 宇多 喜代子 選 】


   秋桜子にコスモスの句のありやなし   所沢市  阿部  至

秋桜子の俳号は奥さんの女学校時代の渾名によると聞いたことがある。一度お見かけしたことがったが、スラリと背の高い人だった。さて、コスモスの句はあったかな? 
                                    【 矢島 渚男 選 】


   衣被身を押し出しぬぬるりつと   埼玉県  小林 里美

「衣被(きぬかつぎ)」の説明といえば、説明なのだが、「ぬるりつと」がうまいと思った。衣被の皮を通しての感触が、巧みに捉えられているのだ。 【 小澤  實 選 】


今週の特選句

  営業マン数種類持つ野球帽     ( 神奈川県 吉野 健司 58歳 )  
     偉いねぇ鑑(かがみ)だね。 よし、その努力に特選!


ほかに、
  今日こそは効いてくれよとキャップ開け ( 広島県 山口 初治 81歳 )
     頑張りますねぇ。 で、何のキャップ?


  キャップだと言われ残業無制限     ( 福島県 内海 将行 71歳 )
     キャップ、これ次の仕事。 はい、これも。 

  鉛筆のキャップに名を貼る午後十時  ( 静岡県 石川 芳裕 62歳 )
     もうこれも、古き昭和の光景ですよね。

  
  

  理由なく牛乳キャップ何故集め     ( 埼玉県 飯嶌 直樹 47歳 )
     何だったのかね。強いて言やメンコかね。


    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   ■
募集お題 「 祝儀 」
   ■ 「お題」にそった川柳を、はがき1枚につき1句から5句まで。
   ■ 住所・氏名(ペンネームの場合も必ず本名を)・年令・電話番号・
      お題を明記してください。
   ■ 締め切りは11月13日(消印有効)です。
      なお応募作品は返却いたしません。
      また、同じ句を他誌に投稿する二重投稿は厳禁です。
      特選句には賞金を差し上げます。
   ■ ご記入いただきました個人情報は、
      本欄への掲載と賞金発送にためにのみ使用いたします。
   ■ 宛先 〒102-8008
      千代田区紀尾井町3-23 週刊文春「川柳のらりくらり」係


   新米に生卵こそ日本人   つくば市  村越 陽一

新米を炊いたご飯に生卵をかけて食べる贅沢(ぜいたく)。海外では生卵は食べられないという。 恵まれた環境にあることをあらためて思う。    【 小澤  實 選 】


   手でこすり林檎磨きておいしくす   水戸市  中崎 正紀

素手でこすって、林檎(りんご)を磨いてしまうというのだ。当然、皮は剝(む)かないでかぶりつく。 こうしないとおいしくない。 自分流の食べ方。   【 小澤  實 選 】


   崖に佇(た)つ投入堂や曼珠沙華   名古屋市 浅井 清比古

鳥取県の三仏寺投入堂は、崖に張り付くように建てられている。突然葉も出さないで咲く曼珠沙華の不思議さと通う。「佇」はじっと一か所に立ち止まるという意味。 
                                     【 小澤  實 選 】


   揺れやすきものばかりなる秋の草   藤岡市  飯島 加津枝

たしかに左様だと、ススキ、リンドウ、コスモス、と指を折ってゆく。 知り尽くしている、ごく当たり前のことが大発見のように思われる。これが俳句の妙味。
                                  【 宇多 喜代子 選 】


カレンダー
01 2025/02 03
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28
ブログ内検索
最新コメント
[12/31 越中之助]
[12/31 越中之助]
[12/10 ?]
[10/30 読売読者]
[09/06 榎丸 文弘]
最新トラックバック
バーコード
フリーエリア
ゲイ無料総合サイト
カウンター