目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
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   気紛れな風当てにせず銀杏散る   東京都  本多 明子

風もないのに散るということ。別の言い方をするとこの句になる。しかしそれは言い方でなく、感じ方。 濃やかに感じているからこその句。       【 正木 ゆう子 選 】


  あの頃のように読めるかこの歳で高橋和巳手にとってみる
                        東京都  北川 孝規

むかし熱中して読んだ高橋和巳の長編の数々。今は語る人も少なくなった。年齢に挑戦するように手に取る。昔の自分に出合うように。感慨、感想いかばかりか。
                                     【 小池  光 選 】


  幸いに恋敵(こいがたき)など持たず来たとてもつまらぬ幸いである
                            東京都  野上  卓

「幸いに」から始まり、思いがけないひねりで着地。散文的な下の句が効いている。激しい恋愛などとは無縁だった人生。ちょっぴりの哀愁が、読者を惹(ひ)きつける。
                                     【 俵  万智 選 】


  しみじみと子の荒るる手を撫でてやるこの手はわれの胎内にありき
                             大分市  阿南 尚子

かつて作者の胎内に触れた子の手を、いま作者が撫(な)でている。 子の 「手」に焦点を絞って詠んだことで独特の心情が出た。         【 栗木 京子 選 】


【 小池  光 選 】
  近づけば餌をせびるがに寄りてくるベランダの金魚5年目になる
                            京都市  高橋 雅雄


   秋の風かんじるぼくと友だちと
          和歌山県  有田市立宮原小学校4年 竹中 瑞貴

秋の風の冷たさを感じているのが「ぼく」だけではなくて「友だち」も一緒だというのが良いですね。 秋に向かっていく季節はきびしいのですが、友だちと一緒なら、どこか心強いのです。       【 ’13.12.21 KODOMO俳句 高柳 克弘 選 】


今週の特選句

  御祝儀の叔父の字なでてまたしまい ( 滋賀県 山本  望 32歳 )  
      あたたかいな、嬉しいな。 特選だな。


ほかに、
  ささくれた手で丁寧に解く袱紗     ( 東京都 竹本 宏平 74歳 )
     恐縮です。 心から有難く、頂戴いたします。


  達筆の祝儀袋に欺かれ          ( 埼玉県 鉄砲弥八 62歳 )
     新手の達筆詐欺じゃありませんか!? 

  遠縁の消息不祝儀ごとに知り    ( 神奈川県 長谷川 彰 66歳 )
     だんだん、そうなっていっちゃうんですね。
 
  この頃は仏滅にやる祝儀増え     ( 静岡県 長澤 裕司 72歳 )
     だって安いんだもん、式場。

  水引の鶴が呑み込む生活費      ( 千葉県 小林 奈雅 56歳 )
     またよく呑むんだ、この鶴が。


    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   ■
募集お題 「 ライター 」
   ■ 「お題」にそった川柳を、はがき1枚につき1句から5句まで。
   ■ 住所・氏名(ペンネームの場合も必ず本名を)・年令・電話番号・
      お題を明記してください。
   ■ 締め切りは12月25日(消印有効)です。
      なお応募作品は返却いたしません。
      また、同じ句を他誌に投稿する二重投稿は厳禁です。
      特選句には賞金を差し上げます。
   ■ ご記入いただきました個人情報は、
      本欄への掲載と賞金発送にためにのみ使用いたします。
   ■ 宛先 〒102-8008
      千代田区紀尾井町3-23 週刊文春「川柳のらりくらり」係


   これはこれはもってのほかのおもてなし   香川県  田岡 弘 

「もってのほか」は食用菊で薄紫色の品種。酢の物にして美味。友人宅でそれが出てきた。「これはこれは大変なご馳走を有難う」という挨拶なのである。菊の名前がそのまま返礼になっているのが面白い。            【 矢島 渚男 選 】


   鴉ふと青き眼したり冬に入る   枚方市  武  昭好   

何気なく目にした鴉(からす)。 瞬間、その目が青い光を発した。そのことと冬とは無関係だが、もう冬だと感じたところに作者の感性がひそむ。【 宇多 喜代子 選 】


   一本の草のまはりを冬の蝶   あきる野市  戸田 幸雄

冬の初めの頃、弱弱しい蝶が草のまわりを飛ぶともなく飛んでいる。春の蝶のようにヒラヒラではない。やがて飛ぶ力が失せる前の蝶の様子である。 
                                   【 宇多 喜代子 選 】  


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