目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
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   水仙やグラス危なきまで磨く   泉佐野市  高松 良子

グラスをぴかぴかに磨く。これ以上磨くと壊れるほどに。そこに水仙を挿した。「危なきまで」に鋭い感覚の冴(さ)えが見える。              【 矢島 渚男 選 】


   ふれ合うて互ひを知らずぼたん雪   川越市  益子さとし

ぼたん雪が互いに触れ合いつつ落ちてくるさまを描いた。雪片と雪片とが互いを知らないように、人間同士が交わっても知ることは難しい。人間を描いているともいえる。
                                     【 小澤  實 選 】


   雪だるまわたりろう下に現れる
       福岡県 福岡海星女子学園付属小学校6年  長沢クリンス

生徒の誰(だれ)かが渡(わた)り廊下(ろうか)のあたりに雪(ゆき)だるまを作(つく)っておいたのです。それを知らない作者(さくしゃ)は、思いがけない場所(ばしょ)で雪だるまに出くわして、びっくりしたのでしょうね。雪だるまが突然(とつぜん)現(あらわ)れたようで、愉快(ゆかい)な一句(いっく)です。
                【 ’14.02.22 KODOMO俳句 高柳 克弘 選 】


今週の特選句

  宮前の親父そっくりなせんべい屋  ( 鳥取県 五明田 美佐子 ?歳 )  
     道理でいつもあの店で買うわけだ。 特選。


ほかに、
  せんべいを齧り選挙の行方見る     ( 北海道 武田  悟 55歳 )
     なんだか、すごく正しいせんべいの食べ方。


  せんべいに勝てぬ歯となり蕨餅       ( 神奈川県 唯夕 65歳 )
     餅くっつけて差し歯ぬかないようにね。

  子育ての様にせんべい裏返す      ( 福島県 遠藤  剛 54歳 )
     丹念に手際よく、丁寧に育てるんだ。

  また元のひとりになって塩せんべい   ( 茨城県 伊藤 靖則 53歳 )
     一人になるたび血圧上がるんだから。


   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   ■
募集お題 「 試合」
   ■ 「お題」にそった川柳を、はがき1枚につき1句から5句まで。
   ■ 住所・氏名(ペンネームの場合も必ず本名を)・年令・電話番号・
      お題を明記してください。
   ■ 締め切りは2月26日(消印有効)です。
      なお応募作品は返却いたしません。
      また、同じ句を他誌に投稿する二重投稿は厳禁です。
      特選句には賞金を差し上げます。
   ■ ご記入いただきました個人情報は、
      本欄への掲載と賞金発送にためにのみ使用いたします。
   ■ 宛先 〒102-8008
      千代田区紀尾井町3-23 週刊文春「川柳のらりくらり」係


   いきながら氷りし金魚泳ぎだす   町田市  枝沢 聖文

いったん氷ってしまっても、ゆっくりととければ、金魚が生きていることがある。魚のもっている不思議な力を描いたともいえる。              【 小澤  實 選 】


   双子には二つの心龍の玉   香取市  多田 啓子  

なにもかもがよく似ているようの見えるのが双生児。 だが似た形の「龍の玉」の光がそれぞれ異なるように、心は一人一人で違う。 心の喩(たと)えとしての「龍の玉」が生きている。                            【 宇多 喜代子 選 】


   杖でなし釣竿でなし自然薯ぞ   前橋市  渡辺 みつこ

あれは杖(つえ)かな。いや、長いから釣竿(つりざお)かな。 近よってみれば、なんと自然薯(じねんじょ)ではないか。 自然薯は細く長く、なかには身長を超えるものもある。 独自な句形に諧謔(かいぎゃく)性ゆたか。        【 矢島 渚男 選 】


   鹽という一字看板雪の村   むつ市  畑中 継雄

塩は必需品だから、かつては専売であり村に一軒はあった。 その使われなくなった看板が残っている。「鹽」という難しい字が使われていたものだ。【 矢島 渚男 選 】


  敬礼の鮮烈なりし小野田少尉いま戦友のもとに旅だつ
                        千葉市  岩川 栄子

戦争終結から29年目にフィリピン・ルパング島から帰還した小野田寛郎少尉は、今年1月16日に91歳の生涯を終えた。彼の長い戦中・戦後を一貫する鮮烈な生涯に対する、一女性の心深い挽歌である。         【 岡野 弘彦 選 】


  妻と住む薩摩の山家冬の夜は大黒柱の裂ける音する
                       霧島市  久野 茂樹

スケールが大きく、ダイナミックな歌。乾燥した柱がするどい音をたてて裂ける。それも大黒柱が。 ひしひしと冬の闇と寒さが迫ってくる。 いかにも山家という感じ。
                                     【 小池  光 選 】


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