目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
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   永き日やクッキー作りジャム作り   北九州市  佐藤 静香 

「永き日」のありがたさは、細々としたことがあれこれできること。おだやかな一日であったことがよくわかる。                       【 宇多 喜代子 選 】
 

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   一年生呼ばるる良き名よき返事   仙台市  勝  美彰


   沙翁の忌黙して去りしひとばかり   郡山市  高木 茂子

沙翁はシェークスピア。忌は4月23日。しかしそれを詠(うた)ったのではなく、被災地の人であることを思うと放射能から避難して 「みんな黙って去っていった」 という事情か、それとも身辺の急死者だろうか。 それが、悲劇の終幕を思わせる。 
                                    【 矢島 渚男 選 】


   快晴に疲れてゐたり花辛夷   小平市  土井ノ内 寛子

年齢を重ねてくると、快晴がうれしくない、ちょっとつらいという体調もある。辛夷(こぶし)の花も茶色に変色してきて、終わりが近いようだ。     【 小澤  實 選 】


  昼も夜も大勢の人訪(と)いてより桜は更に寂しくなりぬ
                        池田市  今西 幹子

もしかしたら、寂しいから花を咲かせているのかもしれない。 「更に」が効いている。 もともと寂しい木なのだという思いがそこにはあって、まわりがにぎやかになるほど、 かえって寂しさがくっきりしてしまうのだ。              【 俵  万智 選 】


  「先生」とはじめて呼ばれし孫いかにたくましく並ぶ男子高校生
                        東京都  五十代 ひさ

孫は男子高校の教師になったのだろう。男子高校生を前にして、おびえていないだろうかと心配になる。「たくましく並ぶ」に臨場感があり、健やかなユーモアが漂う。
                                    【 栗木 京子 選 】


   永き日や砂丘の駱駝立ちしぶる   出雲市  藤江  尭

鳥取砂丘に飼われている観光用の駱駝(らくだ)か。客が来たので立たせようとするが、なかなか立ち上がらない。暖かい日差しにサボっていたいのだろう。まあ、いいだろう。まだ日も永いことでもあるし。                 【 矢島 渚男 選 】


   花吹雪思えば仮設去り難し   角田市  梶原 京子

仮設住宅の近くに桜の木があって、その花吹雪の美しさが忘れられず、それを もう一度見たいと言う。                         【 矢島 渚男 選 】


   諸葛菜見しより終点まで睡る   東京都  望月 清彦

諸葛菜の紫の花には、催眠効果があるのか。その花を見た後、電車の中で深く眠って、気付いたら終点。 諸葛菜の不思議を描いている。    【 小澤  實 選 】

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   白魚の目玉ばかりの椀の中   東京都  大谷 幸秋


   初桜一駅ほどを歩きけり   西宮市  岡野 園子

きりっとした早春の気が去り、今年に桜に巡り合ったときの静かな感動。線路沿いの桜を愛でつつ歩く、これもいいお花見ではないか。     【 宇多 喜代子 選 】


  悲しみは一瞬にしてよみがへり長い時間をかけて忘れる
                        仙台市  岩間 啓二

毎週作品を読んでいる者としては、震災のことなのだと想像がつく。 が、そのことを越えた普遍性が胸を打つ一首だ。                【 俵  万智 選 】


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