目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
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   子烏の骸(むくろ)に親の啼き明かす   横浜市  斉藤 山葉 

カラスの情愛の深さはよく知られているが、それを具体的に表現している。巣の下に落ちている子の死骸に一晩中、啼(な)きつづける親。     【 矢島 渚男 選 】


  少年の日松山城の椎の木に刻みしわが名いかになりけむ
                         城陽市  相原 洋次

原作の第一句「そのむかし」、結句は「咎(とが)として生く」を直した。結果は啄木調に近くなったが、私はそれでよいと思う。比較してみると啄木調の新しさがよくわかる。                                  【 岡野 弘彦 選 】


   鵜のつらに篝(かがり)こぼれて憐也   荷兮 ( か けい )

句の前書に「岐阜にて」とあるとおり、長良川の鵜飼(うかい)の句である。鵜匠の捌(さば)く綱に操られながら泳ぎまわる鵜の顔に、篝の火の粉が飛び散る。
「憐也(あわれなり)」とは健気(けなげ)なことだという思いと美しいなあという感嘆が入り混じる。荷兮は名古屋の人。  【 '14.06.23 四季 ・ 長谷川 櫂 選 】


今週の特選句

  幸せは包丁の音で一眠り       ( 大分県 山本 芳男 ?歳 )  
     味噌汁の匂いが起こしてくれますよ。 特選。


ほかに、
  包丁が所定の位置にない恐さ    ( 長野県 丸山 寛久 79歳 ) 
     いったい・・・・・・どうしたんでしょうね・・・・・・。


  等分に切れば切ったで文句言い   ( 静岡県 大野 栄道 57歳 )
     じゃあ自分で切りなさいよ。切りなさいよ。

  不揃いの具でいっぱいの子のカレー ( 広島県 下江 悦子 64歳 )
     うん、旨い! 美味しく出来たねぇ。

  包丁も俎板もあり音はなし          ( 東京都 汗水 64歳 ) 
      チョッキンチョッキン音はするんだけどね。

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   ■
募集お題 「 充電 」
   ■ 「お題」にそった川柳を、はがき1枚につき1句から5句まで。
   ■ 住所・氏名(ペンネームの場合も必ず本名を)・年令・電話番号・
      お題を明記してください。
   ■ 締め切りは6月25日(消印有効)です。
      なお応募作品は返却いたしません。
      また、同じ句を他誌に投稿する二重投稿は厳禁です。
      特選句には賞金を差し上げます。
   ■ ご記入いただきました個人情報は、
      本欄への掲載と賞金発送にためにのみ使用いたします。
   ■ 宛先 〒102-8008
      千代田区紀尾井町3-23 週刊文春「川柳のらりくらり」係


    寝返りぬ夜鷹のこゑに応ふべく   みよし市  稲垣  長

キョキョキョキョ。夏の夜、夜鷹の鳴き続ける声が耳について眠れない。いっそ その方へ寝返りを打って、耳を傾けることにするか。         【 正木 ゆう子 選 】


   先頭から滝に出会ひし声あがる   町田市  風間 良富

遠足か、集団登山か。 滝を見つけた先頭から歓声が上がる。 「先頭から」 の、 ありのままの描写によって確かな作品になっている。      【 矢島 渚男 選 】


   丿乀と鮎とび上がり瀬を上がる   豊橋市  河合  清

「丿乀(へつふつ)」とは漢和辞典には「舟などが揺れ動くさま」とあるが、瀬を上がりゆく鮎(あゆ)の描写にまさにぴったり。勢いのあまり、流れを躍り出る鮎の姿が見えてくるのだ。                              【 小澤  實 選 】


  ひと冬の雪に圧(お)されて畑土はしまりて重し鍬ふかく鋤く
                           青森市  安田 渓子

雪国の雪がようやく解けて、さあ春耕を始めようとする頃の畑土の感触が伝わってくるようで、感覚の豊かないい歌だ。下の句の実感、殊に「鍬(くわ)ふかく鋤(す)く」がいい。                               【 岡野 弘彦 選 】


  わが内に体力いまだ残れるか髭(ひげ)髪爪が容赦なく伸ぶ
                            京都市  高橋 雅雄

若い60・70は気にもしなかったが、80代・90代になって毛髪の伸びの早いのが気になる。 殊に耳の毛や鼻毛の伸びがむさくるしい。 長寿の相と言うべきか。 
                                   【 岡野 弘彦 選 】


  シチュー鍋ゆっくりゆっくりかき回す 秘薬を造りいるかのように
                          東京都  小菅 暢子

秘薬を造るようにという比喩に意外性がありまたリアリティもあっておもしろい。料理とはみな一種の秘薬造りともいえる。                【 小池  光 選 】


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