目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
天と地を丸めて月見団子かな 東京都 山内 健治
ずいぶん壮大な丸めようである。しかし月見団子ならそれもいいではないか。月も神様が丸めた大きなお団子のように思われて。【正木 ゆう子 選】
ずいぶん壮大な丸めようである。しかし月見団子ならそれもいいではないか。月も神様が丸めた大きなお団子のように思われて。【正木 ゆう子 選】
鳥も人も去るものは去り秋深き 喜多方市 五十嵐 信弘
定住者の居直った覚悟のようなものが感じられる。 飯田龍太に 「去るものは去りまた充(み)ちて秋の空」 があるが、少し趣が違う。 【 矢島 渚男 選 】
定住者の居直った覚悟のようなものが感じられる。 飯田龍太に 「去るものは去りまた充(み)ちて秋の空」 があるが、少し趣が違う。 【 矢島 渚男 選 】
鰯雲透かして空の青さかな 大和郡山市 宮本陶生
空いっぱいに広がる鰯雲 (いわしぐも)。 鱗(うろこ)状につながる合間から秋空の青が見える。大空の雲と空の重層がおおきな景をますます大きくしている。
【 宇多 喜代子 選 】
空いっぱいに広がる鰯雲 (いわしぐも)。 鱗(うろこ)状につながる合間から秋空の青が見える。大空の雲と空の重層がおおきな景をますます大きくしている。
【 宇多 喜代子 選 】
金木犀日和を四方八方へ 草加市 白瀬 信雄
「金木犀(きんもくせい)日和」と、句跨りにして読む。菊日和、石蕗(つわ)日和などにはない金木犀の香りが、あたりに漂う世界を広げる。秋も佳境というよい日和。
【 宇多 喜代子 選 】
「金木犀(きんもくせい)日和」と、句跨りにして読む。菊日和、石蕗(つわ)日和などにはない金木犀の香りが、あたりに漂う世界を広げる。秋も佳境というよい日和。
【 宇多 喜代子 選 】
お月さまが患うておらるると祈りゐし祖母を思へりこよひ皆既月食
富山県 松田 敦子
日本でも古来、日月の食は凶事の兆(きざ)しと信じられてきた。敬虔(けいけん)な祖母の言葉を思い出して月食の空を仰ぐ作者の心には、人類の伝統心理の流れているのが感じられる。 【 岡野 弘彦 選 】
富山県 松田 敦子
日本でも古来、日月の食は凶事の兆(きざ)しと信じられてきた。敬虔(けいけん)な祖母の言葉を思い出して月食の空を仰ぐ作者の心には、人類の伝統心理の流れているのが感じられる。 【 岡野 弘彦 選 】
今週の特選句
電線が垂れて電柱しどけない ( 千葉県 伊東 真 60歳 )
色っぽい電柱だね。危ねぇけど、特選!
ほかに、
電柱に落し物吊るす国に住み ( 大阪府 谷口 正洋 66歳 )
昔時々見た! 最近とんと見ないねェ。
ランドセル次の電柱まで3個 ( 愛知県 川越 公応 65歳 )
そうそう、学校帰りにね。懐かしいな。
電柱に医院葬儀社寺社質屋 ( 神奈川県 唯夕 66歳 )
はい、大概そういうアレが電柱にあります。
電柱と言われ育って伸び悩み ( 大阪府 長谷川 康正 84歳 )
背丈ばかりは本当に大きいんだけどねぇ。
電柱にわびて去り行く千鳥足 ( 千葉県 多香志 62歳 )
なぜか昭和の匂いがしますねぇ。
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■ 募集お題 「 2014年を振り返る 」
■ 「お題」にそった川柳を、はがき1枚につき1句から5句まで。
■ 住所・氏名(ペンネームの場合も必ず本名を)・年令・電話番号・
お題を明記してください。
■ 締め切りは11月19日(消印有効)です。
なお応募作品は返却いたしません。
また、同じ句を他誌に投稿する二重投稿は厳禁です。
特選句には賞金を差し上げます。
■ ご記入いただきました個人情報は、
本欄への掲載と賞金発送にためにのみ使用いたします。
■ 宛先 〒102-8008
千代田区紀尾井町3-23 週刊文春「川柳のらりくらり」係
電線が垂れて電柱しどけない ( 千葉県 伊東 真 60歳 )

ほかに、
電柱に落し物吊るす国に住み ( 大阪府 谷口 正洋 66歳 )

ランドセル次の電柱まで3個 ( 愛知県 川越 公応 65歳 )

電柱に医院葬儀社寺社質屋 ( 神奈川県 唯夕 66歳 )

電柱と言われ育って伸び悩み ( 大阪府 長谷川 康正 84歳 )

電柱にわびて去り行く千鳥足 ( 千葉県 多香志 62歳 )

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■ 募集お題 「 2014年を振り返る 」
■ 「お題」にそった川柳を、はがき1枚につき1句から5句まで。
■ 住所・氏名(ペンネームの場合も必ず本名を)・年令・電話番号・
お題を明記してください。
■ 締め切りは11月19日(消印有効)です。
なお応募作品は返却いたしません。
また、同じ句を他誌に投稿する二重投稿は厳禁です。
特選句には賞金を差し上げます。
■ ご記入いただきました個人情報は、
本欄への掲載と賞金発送にためにのみ使用いたします。
■ 宛先 〒102-8008
千代田区紀尾井町3-23 週刊文春「川柳のらりくらり」係
淋しさが念仏となる夜長かな 東京都 竹本 繁太郎
淋しい夜長に念仏を唱える、という散文を、掲句のように韻文化したとたんに、境地が開ける不思議。省略と切字の力を思う。 【 正木 ゆう子 選 】
淋しい夜長に念仏を唱える、という散文を、掲句のように韻文化したとたんに、境地が開ける不思議。省略と切字の力を思う。 【 正木 ゆう子 選 】
勝ち鹿のこゑ月蝕に拘(かか)はらず 川崎市 沼田 広美
恋の勝者となるためには、月蝕(げっしょく)どころではないのである。 鹿と月蝕。 想像では出てこない取り合わせ。月蝕を仰ぎながら、実際に鹿の声を聞かれたのかもしれない。 【 正木 ゆう子 選 】
恋の勝者となるためには、月蝕(げっしょく)どころではないのである。 鹿と月蝕。 想像では出てこない取り合わせ。月蝕を仰ぎながら、実際に鹿の声を聞かれたのかもしれない。 【 正木 ゆう子 選 】
ようと来てじゃあと帰りぬ芋置いて 佐野市 村野 則高
心許す友人なのだ。 今日は里芋を持ってきて呉れた。 ヨウとジャア、それだけで言葉は足りる。 【 矢島 渚男 選 】
心許す友人なのだ。 今日は里芋を持ってきて呉れた。 ヨウとジャア、それだけで言葉は足りる。 【 矢島 渚男 選 】
明け方の夢におぼろにいできたり無理をするなといふ夫の声
神栖市 成毛 花子
作者は満88歳。夢にあらわれる亡きご主人の魂も、現世の作者の心も、静かな平安のさとりの中に居(お)られるようだ。 【 岡野 弘彦 選 】
神栖市 成毛 花子
作者は満88歳。夢にあらわれる亡きご主人の魂も、現世の作者の心も、静かな平安のさとりの中に居(お)られるようだ。 【 岡野 弘彦 選 】