目についた記事を、その時々に書き込むつもりです。
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  老いた木はめまいするほど繰り返す春に芽を出し花咲くことを
                           青梅市  山口 久恵

季節がめぐって来ると芽を出し花を咲かせる木は健気であるが、 老木に咲く花を見ると少し切ない気持ちにもなる。「めまいするほど」 に身体的な実感がこめられている。                                 【 栗木 京子 選 】


  肩並べギョウザのヒダを作りつつさりげなく訊(き)くききにくい事
                          東京都  杉山 はるみ

相手が誰だか書いてないが、きっと年頃になった娘であろう。さりげなく日頃は聞きにくいことを聞いてみる。リアリティあって人の心の機微をよく摑んでいる。 
                                    【 小池  光 選 】


   青い空もうすぐ春が来るあいず   
           東京都 八王子市立鑓水小学校4年  竹内 真央

冬の空は、どことなくどんよりしています。あおあおと晴れた空を見ると、いよいよ冬が終わり、春が来るのだなあと、しみじみと思います。真央さんの句は、「あいず」という言葉を面白 (おもしろ)く用いています。 青い空は、 春のスタートを告(つ)げる、季節(きせつ)のメッセージなのですね。
                【 ’15.04.25 KODOMO俳句 高柳 克弘 選 】


今週の特選句

  おかえりと換気扇から言う釘煮      ( 大阪府 渡辺 たかき 55歳 )  
     ただいま、おなか空いた~! 佃煮に特選!


ほかに、
  昼捕ったイナゴが夜の膳に乗り       ( 大阪府 中野 澄男 75歳 )
     地産地消ですな。


  佃煮か子が落胆の土産物         ( 岐阜県 金子 秀重 63歳 )
     確かに食べなかったよなぁ、子供の頃は。

  佃煮の味に魅せられ婿に入り        ( 茨城県 神長 壽生 73歳 )
     どうりで御家内円満なわけで。

  箸やすめ佃煮に箸やすまらず        ( 千葉県 伊東  真 60歳 )
     刺身に天ぷら、箸やすめにしてらぁ。

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   ■
募集お題 「 サイレン 」
   ■ 「お題」にそった川柳を、はがき1枚につき1句から5句まで。
   ■ 住所・氏名(ペンネームの場合も必ず本名を)・年令・電話番号・
      お題を明記してください。
   ■ 締め切りは4月29日(消印有効)です。
      なお応募作品は返却いたしません。
      また、同じ句を他誌に投稿する二重投稿は厳禁です。
      特選句には賞金を差し上げます。
   ■ ご記入いただきました個人情報は、
      本欄への掲載と賞金発送にためにのみ使用いたします。
   ■ 宛先 〒102-8008
      千代田区紀尾井町3-23 週刊文春「川柳のらりくらり」係


   一病を得て巡り会う桜かな   横浜市  高野  茂

一病息災という。一病を得れば普段はなおざりにしていた健康に気をつけるようになるということだろう。やがては死ぬ身と自覚したとき、桜の花は切実な美しさを見せる。                                  【 矢島 渚男 選 】


   花散つて大樹の力解く日かな   神奈川県  石原 美枝子

大きな桜の古木。 その花時が過ぎ、花のない幹と枝が人に見られることもなく 亭々と空に延びている。 大勢に見られていた緊張から放たれた様子が 「力を解く日」 であろう。                           【 宇多 喜代子 選 】


   暖かや埴輪の口のほうと言ふ   秋田市  中村 栄一

たしかに埴輪の口は 「ほう」 という口の形をしている。 長い時間を経て出てきて、 ホウこれがこの世かとあんぐりと口を開けている。        【 宇多 喜代子 選 】


   白魚に五臓六腑のありにけり   北本市  萩原 行博

白魚は小さな魚なのに、その身には五臓六腑を備えている。そして、それぞれすべてが身に透けて見えているというわけだ。不思議は、微細なものにも満ちている。 
                                    【 小澤  實 選 】


   樹の形真似る少年春きざす   前橋市  渋沢  智 

「樹の形真似る少年」 は人間であるのが、嫌なのかもしれない。春きざす頃、この少年にちょっと共感。                        【 小澤  實 選 】


今週の特選句

  屋上で気を取り直しまた生きる       ( 茨城県 伊藤 靖則 54歳 )  
     捨てたもんじゃないぜ、俺。 よし、特選。


ほかに、
  屋上で遊んだ後は大食堂           ( 福岡県 くちなし 62歳 )
     楽しみだったなぁ、お子様ランチ。


  わが天下屋上で食うひとりめし      ( 大阪府 國米 純忠 86歳 )
     気持ちいいなぁ、空は青いぜ。

  卒業の日に屋上へ寄ってみる     ( 神奈川県 高久 芳樹 53歳 )
     あ、吸い殻落ちてらぁ。

  屋上のお稲荷さんは事情通        ( 静岡県 岩田 喜江 69歳 )
     何から何までご覧になってますからな。

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   ■
募集お題 「 泥 」
   ■ 「お題」にそった川柳を、はがき1枚につき1句から5句まで。
   ■ 住所・氏名(ペンネームの場合も必ず本名を)・年令・電話番号・
      お題を明記してください。
   ■ 締め切りは4月22日(消印有効)です。
      なお応募作品は返却いたしません。
      また、同じ句を他誌に投稿する二重投稿は厳禁です。
      特選句には賞金を差し上げます。
   ■ ご記入いただきました個人情報は、
      本欄への掲載と賞金発送にためにのみ使用いたします。
   ■ 宛先 〒102-8008
      千代田区紀尾井町3-23 週刊文春「川柳のらりくらり」係


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